F1 第9戦 カナダ

Formula 1 AWS Grand Prix du Canada 2024
Circuit Gilles-Villeneuve 4.361km×70Laps=305.27km
winner:Max Verstappen(Oracle Red Bull Racing/Red Bull Racing RB20-Honda RBPT)

 F1はヨーロッパから再び空を飛んでカナダ。その昔フジテレビのアナウンサーがそのコース形状を『鮭の切り身』と表現したサーキット ジル ビルヌーブです。典型的なストップ&ゴー、ミスったら一発アウトの箇所が多い道幅の狭さ、1か所の検知点でDRSを2回も使えるのでちょっとお得な設定。個人的に結構好きな部類のサーキットです。ちなみにカナダの観光情報サイトによると、カナダではキングサーモン、ギンザケ、ベニザケ、シロザケ、ピンクサーモン、アトランティックサーモンの6種類が獲れるそうです。

 今年このコースは路面の再舗装が行われ、ついでに縁石も総取り替え。さらに、ターン8~9のシケイン内側が舗装から一部を芝生に変更されたり、その代わりとでもいうのかターン8に向かうブレーキ位置のあたりはコース左側の芝生が白線外まで舗装路に変更されて実質的にタイヤ1本分ぐらいコース幅が広くなっていたりと、間違い探しのようにちょろちょろ変わっています。最終コーナー外側の壁・チャンピオンズ ウォールの固さはたぶん変わってないと思います。

・レース前の話題

 モナコからここに来る間に契約の話題が3件続きました。まず、6月5日にオラクル レッド ブル レーシングはセルヒオ ペレスと2026年までの2年の契約延長で合意したと発表。さらに、兄弟チームであるビザ キャッシュアップ RBも4日後に角田祐毅と2025年の契約延長で合意したことを発表しました。レッドブル関係の人は日本のプロ野球の監督ぐらいに契約年数があって無いようなものですが、とりあえずレッドブルは新規則が始まる2026年を今のドライバーで戦うことになりました。角田の方は色んな見方ができますが、落ち着いて今の成績を続けられるなら、私がどこかのチームでドライバーを選ぶ立場の人なら角田は候補者に入れたい選手に入ると思います。でもプッツン1回で全部崩れるので、そこは絶対やったらあきません。
 一方残る人がいれば去る人もいるわけで、BWT アルピーヌ F1 チームはエステバン オコンが今季限りでチームを離脱すると発表しました。モナコでやらかしたからチーム代表が激怒してクビにした、わけではなくそれ以前から決まっていたようです。ただ、フランスのレキップが伝えたところでは、代表のブルーノ ファミンはモナコの1件で相当怒ったのでカナダにオコンを出場させないというチームとしての制裁も検討した模様。オコン側から訴えられると厄介なのでやめた、と報じられました。
 アルピーヌ(ルノー)はフランスのチームでフランス人を乗せて、というのはわりとこだわる方のチームなので、実力あるフランス人が2人そろっているところまでは良かったものの、オコンは誰と組んでも身内で揉めるタイプのドライバーであることが災いしました。じゃあピエール ガスリーが残留か?というとこれもまだ未定で、場合によっては総取り替えということもあるようです。2年後の新規定導入まで見据えた駆け引きは続きそうです。

 そして、そんな2026年の新規定車両についてFIAは技術規則とイメージ画像を公表しました。現行車両より30kg軽く、ちょっと小型化された車体にはMGU-Hを廃止し、現在と同じ1.6L V6ターボの内燃機関+MGU-Kの構成となったパワー ユニットを搭載。内燃機関の出力は現行より25%以上下げられて400kWになり、逆にMGU-Kの最高出力が現行の約3倍となる350kWにまで引き上げられます。電動モーターの出力は、電動車のレースであるフォーミュラEの現在のアタックモード使用時と同じです。(ただし2027年からフォーミュラEの最高出力は600kWに増加する予定)たくさん電力を使うので、1周に回生できるエナジー量が最大8.5MJとなっています。


 現行のDRSは廃止となる一方で『アクティブ エアロダイナミクス』という新たな可変空力装置が登場。普段はウイングを立てた状態で走り、直線ではドライバーの操作でこれを稼働させ、ウイングを寝かせることで抵抗を減らせる仕組みにするそうです。通常の状態を『Zモード』、ウイングを寝かせて抵抗を下げたものを『Xモード』と呼ぶそうですが、何でそんな変な名前を付けているのかよく分かりませんね、孫 正義とイーロン マスクに秋波でも送ってるんでしょうかw
 DRSと違って前走者と1秒以内などの動作要件は無く、あくまで両方を切り替えながら速く走らせる競技ということにどうやらなるみたいです。ただ、高速コーナーをうっかりXモードのまま走って大事故が起きたりするとシャレにならないので、Xモードの作動や解除は現行のDRSの仕組みを踏襲して、使える場所が予め指定されスロットルを戻すなどしたら自動的に戻る方向性で話が進んでいます。

 じゃあこれは追い抜きに使う物じゃないから追い抜き道具無くなるのね、というとそうではなく『マニュアル オーバーライド』というこれまたヘンテコな名前の仕組みができます。これはいわゆるプッシュ トゥー パス的なもので、規則で通常はMGU-Kによる電動アシストが290km/hを超えると段階的に減少して355km/hに到達すると無くなるように設定。これを、マニュアルオーバーライドの使用権を持つ後続車は制限を緩めることで高速域でもアシストをかけ続けて追い抜きに繋げる、というものです。使用権はDRSと同じ前走者と1秒以内が想定されており、つまりこれがDRSの後継制度、追い抜くための方法が空気抵抗からPU出力へと転換された形です。
 DRSは1秒以内にいれば無尽蔵に使えますが、こっちの制度は『電動アシストどうぞ』と言われてもエナジー残量が足りなければ役に立たないので計画的に使う必要がありますし、当然PU効率が高ければより有効に使えるので開発とレースの成果に多少繋がりもできます。いかんせん仕組みと名前が分かりにくいですが、意図はなんとなく分かる制度ですね。フォーミュラEのアタックモード的思考も取り入れたプッシュトゥーパスとの良いとこどりって感じでしょうか。

・フリー走行

 新しい舗装だからデータが欲しいのにFP1が雨、FP2も雨混じり。土曜日のFP3は晴れたものの、今度はソフトを履くとグレイニング祭りになってしまい、新しい舗装は走れば走るほどタイムが上がっていくので全然練習が足りない中で予選に進んでいきました。

・予選

 カナダでのレースは時差の関係で日本時間では早朝。前回SUPER GTの記事でも書きましたが、私はこの週末に撮り鉄旅行に出かけていました。ちょうど予選が行われる日本時間日曜日の早朝は出発のタイミング、私がみずほ 601号に乗るため家を出るころの時間にちょうど予選が行われていたことになります。


 予選の途中でまた雨が降るかもしれん、けど走れば走るほどタイムが上がる、という面倒くさい条件が発生するとバタつくのはいつものことで、Q1でペレスが脱落。さらにQ2ではフェラーリが穴にハマってシャルル ルクレールが11位、カルロス サインツも12位と仲良く脱落してしまいました。このQ2ではジョージ ラッセルが最速を記録、メルセデスは今回なんか調子が良いみたいです。
 そして迎えたQ3、1回目のアタックではタイヤ在庫が無いのでとりあえずは中古タイヤで走ったラッセルが1分12秒000とピタリ賞を記録し、これが暫定の最速タイム。そして各車2回目のアタックに入り、いよいよ来ました本命のマックス フェルスタッペン。セクター2までわずかながらラッセルより速いタイムを記録し、さあ出るか11秒台!

 そうか~、0.000秒差の1分12秒000か~・・・は!?!?!?!?!?!?!?なんと同タイムでした。この後誰も11秒台を記録できず、規定により同タイムなら先に出した人の勝ちなのでラッセルが2022年第13戦ハンガリー以来となる2度目のピレリ ポール ポジションを獲得しました。ラッセルはこの他に2022年のブラジルではスプリントで勝って決勝で1位スタートしていますが、これは記録上ポールにはなりません。
 ポールポジションと2位以下の選手が同タイムだったのは1997年最終戦ヨーロッパGP以来27年ぶりで、小数点3桁までが計時されるようになって以降では史上2度目の出来事。27年前はジャック ビルヌーブ、ミハエル シューマッハー、ハインツ ハラルド フレンツェンの3人が同タイムという前代未聞の出来事でした。
 3位も僅か0.021秒差でランド ノリス、大昔の小数点1桁計測の時代なら下手したらこれも3人同タイム扱いです。4位にオスカー ピアストリ、5位にビックリのダニエル リカード。フェルナンド アロンソ、ルイス ハミルトン、角田と続きました。

・決勝

 月曜日の早朝ですから私が岡山駅5時25分発の列車で今日もポールポジションを決めているころにたぶんF1も決勝が始まったことと思われます。
レッドシグナル点灯!(え)

・・・雨やないかーい。空には黒い雲とその隙間に青空も見える状況ですが、とりあえず開始直前の時点では雨が降っていて18人はインターミディエイト、ハースの2人だけはダウンフォースが少なくて心配なのか逆張りなのかウエットを選びました。予選での0.000秒差の激戦、スタート前の段階で既に意味が無くなった気がしますw

 グランツーリスモのポイントレースならまともに1周帰ってこられる気がしませんが、さすがプロなのでトップ4は順位そのままで1周目を終了。VCARBの2人はなんかよれよれで順位を下げる一方、路面水量が多いせいでウエットを履いたケビン マグヌッセンがなんと2周で5位、ニコ ヒュルケンベルグも10位へ急浮上しました。ルクレールはスタート直後は良かった気がしたんですが、ヘアピンでは追突しかけ、最終コーナーでは止まれずに飛び出して結局は11位のまま。この後エンジニア側からエンジンの異常を検知したお知らせも届き、全然良いことがありません。

 ハース無双はマグヌッセンが4位、ヒュルケンベルグも8位まで上げたあたり、6周目には打ち止め。7周を終えたらもうマグヌッセンはピットに入ってタイヤを換えましたが、連絡不十分だったのか急だったのかタイヤが用意されておらず、せっかく稼いだ順位の大半は吐き出してしまいました。
 一方ヒュルケンはタイヤを換えずに耐えていますが、もう速くないので後続の蓋になって6人を引き連れる状態。前のハミルトンからは15秒以上離されてしまって集団が分断されました。リカードに抜かれたところでようやくヒュルケンベルグもタイヤを交換しましたが、遅いタイヤで粘ってくれたおかげでマグヌッセンはこの集団に追いつくことができました、これも作戦か?
こういう状況になったらウエットはおしまいだ

 日差しが出てきて急速に路面が乾いていく一方、また20分ぐらい経ったら雨が降りそうだというので各陣営はスリックへの乗り換えよりも耐えることを重視した難しい戦いとなります。ラッセルはフェルスタッペンに追われて防戦でしたが、17周目のターン1でフェルスタッペンが珍しくミスったので少し楽になりました。直線ではお皿に残ったご飯粒をかき集めるかのごとく濡れた場所でタイヤを冷やすものの、ターンで濡れた場所を踏んだら止まれません。
 この条件で元気なのが3位のノリス、ちょうどフェルスタッペンがミスって落ちてきた上に、18周目にとうとうDRSの使用が許可されたのでアタックチャンス。20周目の最終シケイン手前でほとんど譲られるように2位に浮上すると、続く21周目には同じ場所でラッセルも抜きました。もう守る側はコーナー1つ耐えるよりも、とにかく0.1秒でも長くタイヤを冷やしたい雰囲気です。
 ただラッセルは水への欲求が強すぎたのかノリスに譲った後にシケインをはみ出してしまい、加速が鈍ってフェルスタッペンにもやられました。しかもシケイン不通過からの合流ラインが危なかったので審議対象にまでなってガタガタです、これでは水を選んだために失うものがちょっと多すぎ、何のために譲ったの^^;
譲った後の進入ラインがよろしくない

 せっかく晴れたと思った空はこの後明らかに暗くなり、国際映像では雨まであと3分と表示されてカウントダウンイベント状態の25周目、ターン4の先でサージェントが自滅して動けなくなりSC導入。これで2位以降の選手は次の雨が降るものとしてピットに飛び込み新しいインターミディエイトに交換しますが、ノリスはSCが出た瞬間にピット入り口が目の前にあったので瞬時には決められずピットに入れませんでした。
 通常なら後続とある程度の差ができていた場合、エンジニアから「セーフティー カー ウインドウ オープン」等の情報が伝えられ、これを聞いた後にSC/VSCが出たらエンジニアが何も言わなくてもピットに飛び込むのがどのチームも基本的な約束事です。ところが、今回は複雑なレースの状況だったので後続と差はあるけどSC=即ピットと必ずしも言い切れないためにチームはまだ決断をしていなかったようです。
 結果的に後続の大半がタイヤを換えたしもうすぐ雨が降るはずなので自分だけ違うことをするわけにもいかず、ノリスは1周遅れてタイヤ交換。残念ながら3位での合流となってフェルスタッペンが逆転しました。初優勝のマイアミGPではSC導入時にターン1付近にいたので1人だけSCに抑えられなかったノリス、今回は自分だけが決断する時間の無い場所にいて入れず、その先でSCに抑えられて損しました。レースとはこういうものですねw

 29周目にSC退出のお知らせ、オーダーはフェルスタッペン、ラッセル、ノリス、ピアストリ、ハミルトン、アロンソ。このSCでピットに入らなかった角田が7位です。そしてなんとビックリ、予想されていた大雨が来ません・・・30周目にリスタートすると翌周にはようやくそれなりの雨が降ってきたようで、さっきまでカラッカラだった部分にも幾分水が乗りました。
 
 しかし雨は大した量では無くて35周目には止んだようで、またみんな水を求める時間帯。もう雨は来ないという予想のため、次はスリックへの交換時期を探る戦いです。40周目には強い日差しも見えてきてSC時に再度封じられたDRS再解禁。ラッセルが上位勢で相対的に苦しいのも序盤と同じパターンです。この周に後方でガスリーがハードへ交換したので参考指h、、、いきなりターン2で飛び出しとるがな、まだ早すぎました。
 
 その後アルファロメオの2人もミディアムへ交換すると、これが材料になったのか43周目に6位のハミルトンが上位勢で最初のタイヤ交換でミディアムを投入。翌周には4位のピアストリ以降が一気に動きました。
 これでリーダーのフェルスタッペンもピットに入りラッセルもこれに続きましたが、このままだと抜けないので3位のノリスは逆張りでオーバーカット狙い。ノリスの目先の標的であるラッセルはハードへ交換したのでタイヤに熱が入るまで時間がかかり、ノリスからするとオーバーカットの確率が上がりました。
 ノリスは2周引っ張って47周目にピットへ。ピット出口では一瞬だけフェルスタッペンの前になる位置で合流したのでまとめて2台ゴボウ抜きか!?と一瞬観客を沸かせますが、ピット出口の道路が水浸しなので全く加速できませんでした。ノリスだけでなく映ってないだけでみんなこうやってピットを出ており、だからこそ見た目上は後から入った人がとりあえず前に出やすい条件です。
 フェルスタッペンはさすがに抜けなかったもののラッセルはオーバーカットできたノリス、あとはタイヤに熱が入るまで耐えられれば任務完了でしたが、49周目のターン10でちょっとミスってしまい、これでラッセルがあっさり逆転。しかし51周目に今度はラッセルがターン8の入口で外側の水をうっかり踏む単純ミス、シケインで大失敗してノリスに抜き返されました。失速したラッセルがライン上にいたのでノリスは仕方なくびしょ濡れの場所を通って抜きましたが、あれはかなり怖いですw
スリックでは絶対走りたくないライン

 ターンに向かうための外側が舗装路になったので、うっかりブレーキング中に芝を踏んですっ飛ぶリスクが少なくなったなあと思っていたら、舗装されたら結局そのギリギリまで攻めるので結果として同じことが起こるんだなあと思いましたw
 さらに後方勢でも事件が相次ぎ、53周目にペレスがターン6で完全に濡れた路面に乗って全く止まれなくなり後ろから壁にぶつけると、翌周には同じ場所でサインツもスピン。こちらは縁石で跳ねたら水のせいで踏ん張れずに巻き込み、後続のアレクサンダー アルボンが避けられず接触して動けなくなりました。本日2度目のSCです。ここでやや劣勢だったメルセデスは動きを見せ、ラッセルはミディアムへ、ハミルトンはハードへ交換。ラッセルがタイヤを換えたので1位フェルスタッペン、2位ノリスに続く3位はピアストリとなりました。
C.Sainz「ごめん避けてー~」
A.Albon「ちょ、避けたいけどこっち濡れててあb」(ドンッ)
C.Sainz:@A.Albon ごめんなさい
C.Sainzさんが退出しました。

 フェルスタッペンはSC前のせっかく稼いだ差をリセットされて59周目にリスタート、ノリスが何かやろうとして失敗した感じで出足が遅くいきなり1秒以上の差が付きました。どうも今年のレッドブルは縁石に乗るのが得意では無いらしく、今日もフェルスタッペンはとにかく足が固いことに苦情を言いながら走りますが、それでもノリスの追随を許しません。
 ノリスの後ろではタイヤを換えたメルセデスに対してピアストリが防戦。63周目の最終シケインでラッセルが外から仕掛けましたが、ピアストリも引かなかったのでラッセルは軽く接触しつつ危険回避のためコース外へ。コース外は濡れてるので加速が鈍りまくり、逆にハミルトンに抜かれました。この件はペナルティーは出ませんでしたしお互いに「そっちが引けよ」と思う場面ですが、正直わざわざグリップの低い内側にブロックに行った上にタイヤでも劣勢、ブレーキ位置の時点でもやや負けていたのでピアストリが引くべきだったかなと思います。雨上がりで内側を使ってのブロックは無理です。

 一旦はこれでメルセデスを退けたピアストリでしたが、この後65周目にハミルトン、66周目にラッセルと2人とも抑えられずに抜かれてしまい残念ながら5位止まりとなってしまいました。そしてメルセデス同士は順位維持ではなく事故を起こさない範囲で自由にやらせる、という名目でまあ要するにチームを出て行くハミルトンを優遇する気が無く、ラッセルが再び前に出ました。

 優勝はフェルスタッペン、通算60勝目。2位のノリスには4秒弱の差を付けました。ラッセルとハミルトンはいずれもノリスの真後ろまでたどり着きましたが抜くことまではできませんでした。

 6位にアロンソ、7位にご当地ドライバー・ランス ストロール。スタートでクラッチが繋がってしまってジャンプ スタートを取られてしまったリカードがそれでも8位に入りました。リカードの前には角田がいましたが、オコンを追いかけていた66周目にターン3のブレーキングで失敗してシケインを真っ直ぐ行ってしまい、危うく他人を巻き込む多重事故を起こしそうになりました。幸い後続が避けてくれましたが悔しい14位でした。
 そしてオコンの方も悔しい出来事が訪れ、角田がミスった後にリカードに抜かれて9位に落ちると、残り3周から2周というところでチームから入れ替えを指示され、後ろを走っていたガスリーと順位を入れ替えさせられました。チーム側の言い分としては、エナジー的にガスリーの方がリカードを攻撃できる機会があったから入れ替えを命じ、攻撃がうまく行かなかったのはオコンがすぐに指示に従わなかったから。順位を戻そうにも後ろからヒュルケンベルグが来ていて危険性が高いから戻せなかった、と釈明。しかしオコンがこんな説明を受け入れるはずがなく不満爆発、いかにも両者の現在の関係を表す出来事となりました。こうした出来事により、アルピーヌによるオコン途中解雇の可能性が再燃しているようです。
 
 
 そしてもう1人、すっかり忘れていたけど残念だったのはルクレールで、PUに不具合があったので1回目のSC中にステアリングの操作で再起動。時間がかかってしまって集団から遠く離れたので、晴れる可能性に賭けてハードを履かせて送り出し「2周もすれば晴れるから我慢しろ」と励ましてみたものの、全然どうにもならず周回遅れで結局リタイア。こういう荒れたレースならまたSCが入るかもしれないので、ちゃんとリード ラップで車を残しておけばまだ何かできたかもしれないのに焦りすぎた気がしますね。

 旅行から帰ってきて、いかにもこのサーキットらしいレースでお腹いっぱいでした。ノリスは運が悪かったですがまあマイアミでの運と相殺ということでこういう時もあるでしょう、2位でも見事な結果だったと思います。逆に、2位にいるべきであるペレスが予選ではQ1で落ちるわ自滅するわでさすがにちょっと厳しい内容だったので、契約延長したのに今年を満了できないんじゃないかと不安になってきました。しかもペレスはスピンして後ろをぶつけて後部がぐっちゃぐちゃの状態で走ってピットに戻り、これが危険な状態の車を走行させたとして次戦で3グリッド降格です。これはすぐやめさせなかったチームが悪いけど、車を潰したのが彼なのも事実なわけで・・・^^;

 ちなみに私の方は旅行の1日目がウエット コンディションのため作戦通りに行かない内容でしたが、2戦連続のポールポジションから翌日は事前の想定に沿って着実に写真を撮影し、とても満足して優勝の気分で無事に帰宅することができました。こっちの話題はNASCARが夏休みに入ったタイミングにでも書こうかなと思います。次戦からはスペイン、オーストリア、イギリスの恐怖の3連戦です。


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