NASCAR 第13戦 ダーリントン

NASCAR Cup Series
Goodyear 400
Darlington Raceway 1.366miles×293Laps(90/95/108)=400.238miles
winner:Brad Keselowski(RFK Racing/Castrol Ford Mustang Dark Horse)


 NASCARは前戦でシーズン全体の1/3を終了、このレースでレギュラー シーズンの半分を消化、そして来週がオールスター戦ということでなんとなくこのレースで一区切りという雰囲気があります、カップ シリーズの第13戦・ダーリントン。お馴染み、過去に登場した名選手・有名なペイント スキームを模した特別な外観をみんなで再現して走り、懐かしんだり偉大な先輩に敬意を表したりするスロウバック ウイークエンドです。
 と言っても有名どころが出尽くしたのでだんだんとみんなニッチな方向に走ってネタ切れ感も漂っており、今年も有名どころから細かすぎて伝わらないもの、さらにはNASCARですらなく日本のレースから着想を得たものに、かつて自分が別のカテゴリーで使ってたやつ、など様々です。とりあえず言えるのは、誰が誰かすぐに判別できないので見ていて混乱しやすいということですねw
 昨年のこのレースはウイリアム バイロンが制し、秋のレースはカイル ラーソンが勝ったのでヘンドリック モータースポーツがスイープ。現役最多勝はデニー ハムリンで通算4勝ですが、ダーリントンの現役優勝者は8人もいてわりと色んな人がばらけて勝っています。平均順位でもハムリンが最良の数字ですが、過去4戦に限れば最良はバイロンとなり続くのがタイラー レディック。レディックは4戦中で2位が2回、3位も1回と好相性、ここは大外だけバンク角がひょいっと持ち上がっている特殊なトラックなので、ミニ四駆走りができる人は相性が良い構造です。

・レース前の話題

 今週もドライバー契約の話がありました。マイケル マクダウルが今年限りでフロント ロウ モータースポーツを離れることが発表され、なんとスパイアー モータースポーツと複数年契約を結んでNo.71のドライバーとなることが発表されました。71番の現在のドライバーはゼイン スミスですが、彼は元々2025年からトラックハウス レーシングに乗ることが決まった上での1年の出向みたいな感じでした。
 トラックハウスはチャーターを2つしか持っていないので、来季はチャーターごとスパイアーから取得するのか動向が焦点でしたが、マクダウルがフル参戦ドライバーとして迎えられたということはスパイアーはチャーターを保持した上でコリー ラジョーイ、カーソン ホースバー、マクダウルの3台体制となりそうです。

 タラデガでの負傷により2戦を欠場したエリック ジョーンズはこのレースから復帰、代役を務めたコリー ハイムは任務完了となりますが、そんなハイムは第19戦ナッシュビルに23XIレーシングから出場することが発表されました。オースティンで小林 可夢偉が参戦したのと同様に、モービル1の支援を受けた同ブランド50周年記念スキームです。

 そしてこちら、ある意味ドライバー以上に注目度が高い人の移籍も発表されました。昨年までNBCで解説を担当し、今年になってNBCの離脱を発表していたデイル アーンハート ジュニアが、来年新たにNASCAR中継に参入するTNTとアマゾンの両放送局と契約したことが発表されました。まあそうだろうとは想像が付いていましたが、夏場にそれぞれ5戦を中継する両社は人気者を手に入れました。ジュニアさんはTNTのNASCAR関連番組にも出演するそうです。

 最後に、2022年はコウリッグ レーシングからエクスフィニティー シリーズにフル参戦していたものの、スポンサーだった暗号資産取引所運営企業・ボイジャー デジタルが破産したことで昨年は全くレースに出なかったランドン カッシル。ボイジャーは顧客の資産を安全に取り扱うとしながら実際はリスク管理が不十分で顧客資産を危険に晒した上に破綻したため、経営者が監督官庁から詐欺容疑で告発されていました。
 これにより、顧客を欺くずさんな経営を行っている企業を宣伝したことで損害を被ったとしてカッシルを含む3人のスポーツ選手に対して民事訴訟が起こされており、このたび和解が成立。3人の中で、元NFL選手でニューイングランド ペイトリオッツでの通算最多タッチダウン レシーブ記録を持つロブ グロンコウスキーが最多の190万ドルを支払い、NBAで通算500試合以上出場しているビクター オラディポが50万ドル、カッシルは2万5千ドルを支払うことになりました。カッシルは影響力が小さいのか少額^^;

・Craftsman Truck Series Buckle Up South Carolina 200

 スタート直後、ハイムとカイル ブッシュがリーダーを争っていると2周目のターン2、出口にある凹凸に足を取られてカイルが自爆。周回遅れになっても修復して戻ったカイルでしたが、ボロボロのトラックでまたクラッシュし、なんとトラックシリーズで自身初の最下位になりました。
 一方ハイムはステージ1・2を制し好調も、最終ステージ開始早々に貰い事故でこちらも脱落。その後はタイ マジェスキーがロング ランで速さを見せて残り26周からレースを支配していましましたが、残念ながら他者の事故でオーバータイムへ。この機会を活かしたのはロス チャステイン、リスタートの争いを制してトラックでは一昨年のシャーロット以来となる通算5勝目を挙げました。投げたスイカを拾って食べたら頬張りすぎで喋れなくなりましたw
モグモグ・・・(ごめん喋るのちょっと待って)


・Xfinity Series Crown Royal Purple Bag Project 300

 ポールシッターのコール カスターが20周のコンペティション コーションまでリードしていましたが、ピットでレンチが壊れてタイヤ交換が進まない不運に見舞われ後退。するとこの先のレースはジャスティン オールガイアーのものになりました。終わってみれば147周のうち119周をリードする圧勝で3ステージをスイープ、オールガイアーが今季初勝利を挙げました。オールガイアーの今回のスキームは、スポンサーのブラントが会社の初期に使用していた自社トラックをイメージしたものだそうですw


・カップシリーズ 予選

 カップ予選はレディックが今季初のブッシュ ライト ポールを獲得、1982年のティム リッチモンドをイメージしたスキームだそうです。2位は全日本GT選手権に参戦したカストロールトムススープラに扮したブラッド ケゼロウスキー、フォードなのに海外レースのトヨタ車から元ネタを持ってくるというのはなかなかすごい話です。3位にはチームメイト・特に何のスロウバックでもないらしいクリス ブッシャー、4位も特に何もないタイ ギブス。
 5位はジェフ ゴードンのスロウバックで登場のバイロン、6位はテリー ラボンテのケロッグ スキームを模してきたラーソンが続きました。7位のハムリン、8位のバッバ ウォーレスはこれまたスロウバックではなくいつも通り、案外スロウバックスキームが予選の上位にいませんので、ここは日本のNASCARファンとしてケゼロウスキーを推していきましょう。
 
・ステージ1

 早い段階でみんな同じラインを通る1列に落ち着き、ポールシッターのレディックが調子よくケゼロウスキーを引き離していきますが、15周ほど走ったらバランスが悪くなってきたのか後続に追い上げられてしまいます。とにかくここはタイヤの消耗がハゲしいトラックです。
 37周目、良い感じに3位まで浮上してきたラーソンがアンダーカットを狙ってピットへ、4位のギブス、6位バイロンも同時に動きます。ギブス陣営はここで10秒を切る作業時間、一方ラーソンは映像ではちょっと分からなかったもののあまり早くなかったようで、この3人の中で最後にピットを出ました。
 これを見て1位レディック、2位ケゼロウスキー、3位ブッシャーが翌周にピットへ。ケゼロウスキーはピット内の競争では負けましたが、ピット出口走路から先で2人とも大外刈りして逆転した状態でトラックへ戻ります。ただ、先に入ったギブスたち3人にはアンダーカットされていました。これでサイクル後の実質的な順位はギブス、バイロン、ラーソン、ケゼロウスキー、レディックとなります。

 ギブスは周回遅れ、特にダニエル スアレスにかなり手を焼きましたが、追いかけるバイロンもお互い様の状態。2人が詰まっている間にラーソンが追いついてくると、むしろバイロンの方が周回遅れと順位争いの二重苦、ラーソンに抜かれてしまいました。ギブスは2位が争いになった間に少し逃げはしたものの、壁に軽く擦るなどいっぱいいっぱいなようで79周目には周回遅れに詰まったところで一気にラーソンに迫られました。
 ラーソンが内側に飛び込むと、ギブスの方はスピン寸前の状態になって、上手いこと壁に当たったから回らず済んだ、という感じでリードを明け渡しました。そのままラーソンはギブスに5秒の大差を付けてステージ1を制し、逆にギブスはケゼロウスキーに抜かれる寸前のギリギリ2位でした。
 4位はレディック、5位にトゥルーエックス。6位はスタートから堅実に順位を上げてきたトッド ギリランドでかなり驚きの内容。バイロンはピットで順位を上げたもののバランスが悪かったようで最終的に9位、他の人とは逆張りでステージを均等割りしたライアン ブレイニーは作戦がハマってピット サイクル前から大幅に順位を上げた8位でした。
ケロッグのフォントを真似るこだわり

・ステージ2

 今年のFOXの中継は各チームのピット クルーによる自己紹介コーナーがあって面白いですが、今回『以前はアトランタ ブレーブス傘下とロサンゼルス ドジャース傘下に所属する野球選手』だという人がいてそんな人もいるのかと驚きました。マーティン トゥルーエックス ジュニアのチームでジャックマンを担うケイレブ ダークスは2019年までマイナーで投手として頑張っていましたが、成績を見るとAA級までなら結構圧倒的でもAAAになるとなかなか厳しくてメジャーに上がれなかったみたいですね。日本で『数年前までプロ野球選手だったけど1軍に上がれず、今はGT500でタイヤ交換してます』なんて人いるんでしょうか。
 給油担当を筆頭に、やっぱり競技人口の多さもあって『大学でフットボールをやっていた』というクルーがかなり多いですが、それにしてもマイナーリーガーからのすごい転身ですし、NASCARのクルーはプロのアスリートだなと改めて実感させられる企画です。

 さてトラック上に話を戻すと、レディックが1番ピットの恩恵で先頭に戻ってステージ2開始。さっきまでのくたびれたタイヤと車の速さが違いすぎてちょっと笑えます。

 誰がどうやって数えているのか、本日壁に擦った回数が現時点で11回の模様。とりあえずギブスの1回とカイルの2回は見ましたがあとはいつ誰がやってるんでしょう。この後もレディックがリードしていましたが121周目にジョン ハンター ネメチェックがスピンしてコーション、ターン4で巻き込みました。
 リード ラップ車両が全員ピットに入りレディックはきっちりと順位を維持。129周目/ステージ残り57周でリスタート、しかしリスタート直後にいきなりバイロンが内側に降りて3ワイドの争いを仕掛けたものの、僅かにトゥルーエックスと接触。トゥルーエックスがさらに外にいるブレイニーを壁に挟みました。失速したブレイニーに後続車が詰まって追突する連鎖反応、先週に続いてコーションがコーションを呼んでいます。


 バイロンにしては珍しく勝負を急ぎすぎた印象を受けました。確かに映像を見ると彼の外側には2台分の空間が残ってはいるんですが、ターン2は大外を走るのではなく少しバンクを降りながら通過するターンで、外にいるブレイニーは切り込んできます。それに対してバイロンはタイヤ数本分せり上がってきたので、間にいるトゥルーエックスは挟まって打つ手がありません、チャステインが去年怒られまくったのと同じパターンで、ステージ2でやる動きではないなと思いました。
 やはりブレイニーはかなり怒っている様子で、結局壊れ方が酷くて最低速度を満たせる水準に車を修理できなかったのでリタイアとなりますが、コーション中にわざとバイロンに車を寄せて抗議の姿勢を示してからガレージへ引き上げました。でもぶつける寸前までは過度には寄せないあたりがブレイニーの優しさな気がしますw

 135周目にリスタート、ステージ残り51周になったので生き残った人からするとタイヤ的に少し助かりました。レディックが引き続きリードしギブス、ケゼロウスキー、ラーソン、バイロンの順。レディックはギブスを1.8秒ほど引き離したものの、周回遅れに詰まったところでギブスに一瞬で追いつかれました、その周回遅れはステージ1でギブスを苦しめたスアレスでしたw
 スアレスが敵になったり味方になったりするギブス、さあリードを奪還かと思われた直後の163周目、Z.スミスが単独スピンし4回目のコーション、レディックは命拾いしました。リードラップ車両がピットに入り、ここもレディックがリードを維持。レンチの空気ホースがスプリッターに引っかかりあやうく大失敗しかけましたが、クルーが俊敏に対応して紙一重で順位を守りました。

 170周目にリスタート、ステージはあと16周。周回遅れが出てこないのならレディックを止めるものは何もなく、そのままステージ2をレディックが制しました。2位はカストロールケセロスープラ、3位ギブス、4位ジョーイ ロガーノ、5位ラーソンと続きました。チェイス ブリスコー、ジョッシュ ベリー、ギリランドが11~13位となかなか健闘しています。


・ファイナル ステージ

 Gen7導入以来、ダーリントンのステージ2勝者は25位以上でレースを終えたことがない、という不吉なデータが出されますが、まずはレディックがステージ2同様にリード。2位のケゼロウスキーに対してはラーソンが仕掛けましたが、外側にきっちりラインを残した良心的な走りだったので順位を維持できました。争ってる2人の内側にバイロンが飛び込んだので一瞬またかと思いましたが、さっきのことがあるせいかものすごく早めに引いていましたw
 ケビン ハービックの解説では、気温が下がってきて路面温度も下がってきているはずなので外ラインにより旨味が出て来る一方、陽が傾いて来たのでターン3で視界に太陽が入ってしまい、ターン3~4の外側は影にもなっているので壁との距離感を把握するのもより難しくなってくる、とのこと。確かに車載映像を見ると見ズラそうな気がしますね。

 一時ケゼロウスキーに対して4秒差を付けたレディックでしたが、ここもやはり周回遅れに追いつくとものの数周で消し飛んでしまいました。そして226周目、周回遅れに囲まれる中でとうとうケゼロウスキーにかわされます。このころ、最終ステージを2ストップで走る考えの人たちはピットへ。上位勢は均等割りに近い1ストップが主流だろうとは思いますが、後ろが次々動いてしまった場合には考えを変える必要が出てきます。そしてタイヤを換えた周回遅れは異様に速いので、上位勢は遅い周回遅れに引っかかる一方で速い周回遅れには抜かれる、という大変面倒くさい時間帯でもあります。

 残り58周、ラーソンがターン2で外を走りすぎてラインを外れ壁に接触、これでタイヤを傷めたようで緊急ピットします。ここはタイミング的にギリギリ1ストップ組のピット時期で、既に7位のギブスが残り64周という2ストップなのかダメ元1ストップなのか分かりにくいタイミングでピットに入っていました。そのため残り57周でレディック、翌周にケゼロウスキーもピットへ。ケゼロウスキーはレディックに対して2秒近い差をつけていたおかげでピット後も順位を守り、この時点でまだ作戦がばらけているとはいえ実質1位、優勝に片手がかかりました。ところが

 そう簡単に終わるわけがありませんでした。ラーソンがまた壁に擦ったようで、これが原因でパンクしてスピン、残りはあと40周というところでした。ラーソンはタイヤを換えて20周もしないうちにやっちまいましたね。
 これでリードラップ車両がピットへ、コーション中のピットでは何回やっても勝つのはレディックで、ケゼロウスキーが2番手、3番手にはブッシャー。クリーン エアー番長のレディック、周回遅れが出てくる前にレースが終わるのであればなかなか捕まえるのは難しい相手です、さあどうなる。

 261周目/残り33周でリスタート、状況は分かっているのでケゼロウスキーはリスタートで決着を付けるしかなく、タイヤ消耗お構いなしに内側で無理して並走。途中ブッシャーが後ろから強烈に押してくれる場面もありましたが、このトラックでは押されてもすぐブレーキングなので効果が薄く、結局3周まるまる並走しました。いよいよ劣勢になったケゼロウスキー、かなり厳しくレディックに対して寄せて行き、
レディック、挟まれる


 ヒャッハーーーーーー!!!2台とも抜いたなっしーーーー!!!!放送席でもクリント ボイヤーがマジで「ヒャッハー!」に近い奇声を上げているので、実はもうアメリカでもふなっしーは有名なのではないかと思いましたが、ケゼロウスキーがレディックを壁に挟んでしまい、絡んだ2台を避けたブッシャーがリードを持ち去りました。
 しかしこれでレースは終わりません、ようやくケゼロウスキーとの争いを終わらせたレディックがミニ四駆走りでふなっしーを追撃。レディック、周回遅れを抜くために内側に降りると遅いけど、自分と同じ速さの車を外ラインで追いかけるならそこまで遅くはならないみたいです。リスクを負って壁沿いを攻めるレディック、これを見て攻めたいんだけどレディックほど壁沿いを走るのが得意では無いブッシャー、お互いに壁に何度か擦りながら残り周回数が減っていきます。そして残り10周、
ブシャー!
 
 レディックがかなり遠い位置からターン3で内側に飛び込みました。主にダートで使われる技術の1つで、内側に勢いよく飛び込んで相手の前に出ながらターンをせり上がり、外側のバンクを使って無理やり車を止めつつ曲がる『スライド ジョブ』などと呼ばれる追い抜きです。しかしブッシャーもそうはさせまいとアクセルを踏み込み、ちょっとふらついて壁に擦ったあとにレディックがせり上がってきて挟まれました。
 外にだけ高いバンク角が設定されているダーリントンではスライドジョブは使われる技の1つではありますが、レディックはちょっと勝負を焦った感じで距離が遠すぎました。ブッシャーに引く理由は無く、そうなった時点でレディックは減速して自分だけ曲がれず事故るか、ブッシャーもろとも事故るかの2択状態でした。
 フロントストレッチに戻ってきたブッシャーの車が明らかにカニ走りしており、そしてレディックは既にパンクして失速。後ろで見ていたケゼロウスキーが2人を抜き去りリードを取り返しました。その後、けっこう彼もタイヤを使いこんだので2位のギブスが追い上げてはきましたが、追いつくまでには至らずケゼロウスキーがRFK移籍後の初勝利を挙げました。2021年の第10戦タラデガ以来110戦ぶりとなる通算36勝目、もちろんオーナー兼ドライバーとしての初勝利です。また、フォードは今年のNASCAR全米3大シリーズで全く勝っておらず、これがフォードの2024年初勝利でもありました。

 ちなみに、全日本GT選手権にカストロール・トムス・スープラという名称で出場していた車は2001年まで参戦しており、最後の優勝は1999年 最終戦もてぎでの関谷 正徳/黒沢 琢弥によるものでした、関谷・黒沢組はシリーズ2位となりました。ただ、トヨタ陣営は翌年からセルモとチームルマンが台頭し、トムスはしばらく低迷期と呼べる時代に入ります。


 2位からギブス、ベリー、ハムリン、ブリスコーと、ステージ2の時点でおやっと思わされたスチュワート-ハース レーシングの2人が3位・5位の好成績を収めました。ジャスティン ヘイリーが9位、マクダウルも10位と今回は意外な人たちがかなりトップ10に入る結果でした、トップ10になんとフォードが5台です。ブッシャーは30位、レディックは不吉なデータが当たって32位でした。その2人ですが、

 ですよね~、レース後すぐ口論になりました。ただ、レディックは何が起きたか自分で理解しており、スライドジョブがどうも成功しないらしいと悟った時点で引くことを考えはしたものの、踏ん張れるだけのグリップが残ってないので道連れに事故ることになってしまった、ということで、さすがにレース後だし喧嘩腰に来られたので丁寧な対応ではないものの言い訳せずに非を認めて謝罪しました。パンチされたら怖いのでヘルメット被ったままなのかと思ったらこの後ちゃんと脱いでましたね。


 いやあすごいレースでした、ブッシャーがヒャッハーした時には「おおおブッシャー!でも今日だけはお前じゃないっ!w」と思ってたんですが、もう一波乱起きて本当にケゼロウスキーが勝つとは想像もしませんでした。カストロールトムススープラでなければ彼を推しながらの観戦はしなかったかもしれないので、もう今週はRFKレーシング様様、スロウバックウイークエンド様様という感じです。
 おそらく当ブログをご覧いただいているNASCARフリークの皆様方もケゼロウスキーの優勝を待ち望んでいる方が多くいらっしゃったと思いますので、私と同様に非常に好印象でダーリントンを終えたのではないかと思います。レディックはRFKに束でかかられて負けた、という風に見えなくもないですねw

 次週は一旦選手権レースをお休みして、ノース ウィルクスボロで開催されるオールスター戦となります。そして翌週がシャーロットの600マイル、ラーソンだけはその前にインディアナポリスで500マイル走って来てからの駆け付け参戦になります。日程的にけっこう時間がギリギリなので、インディー500が思ったより長引いた場合は途中で切り上げてこっちに来ないといけません。

コメント

首跡 さんの投稿…
終盤の首位争いは目が離せない展開でした。最多ラップリードを記録していたレディック、カンザスの惜敗から今度こそ勝つはずだったブッシャー、どちらにとっても悔しい結果になりましたが、ブラッドKが3年ぶりに勝てたのは良かったです。

残り10周でブシャー!となったのを見た時は、思わず「あー!」と桃田さんみたいに叫びました。ケセロウスキーと共に限界ギリギリのバトルを繰り広げ、ふなっしーと首位争いした結果、少し限界を超えてしまったか…
良いレースをしていただけに結果は残念でしたが、次戦のオールスター、そしてコカコーラ600に向けて、気持ちを切り替えられれば良いなと思います。
ネコパス さんのコメント…
星条旗と共にバーンナウト。おかえりケセロウスキー

そして私は涙腺が崩壊しました(笑)

カイル・プッシュ さんのコメント…
2戦連続で勝利が手からこぼれていったブッシャーが不憫すぎます。さぞやりきれないんでしょうね〜
アールグレイ さんの投稿…
5月にドライバーの移籍情報が出るのも珍しいですね。
若手を多く起用しているスパイアーにとっては初めての頼もしいベテラン選手の加入じゃないでしょうか。

カッシルでも広告塔になってしまうのが怖いですね。
この手のものはFTXの件の様に世界的に有名なスポーツ選手しか巻き込まれないと思っていましたが。

スロウバックウィークエンドも10年目を迎えましたが、ケセロウスキーの様に他カテゴリーの物まで持ち出すのもあると考えると、ネタを探すのも大変なんだなぁと感じます。
実際やらなくなったチームもありますし。
レディックのスキームに至っては故ティムリッチモンドが1982年のデイトナ500で予選落ちした時のスキームとかなりマニアックなものですしw
共通点はロードコースに強い(リッチモンドはロードコース7勝)ことぐらいしか思い浮かびません。

フォードの今シーズン初勝利がペンスキーでもフロントロウでもなくRFKなのも意外です。
RFKになってからブッシャーが何回か勝ってたのを考えると、ケセロウスキーが110戦も未勝利になってしまったのがなんか不思議ですね。
元々ケセロウスキーもチャンピオン取った翌年にプレーオフを逃すなど好不調の波は激しいイメージがあるとはいえ、2022年のデイトナデュエルでケセロウスキーとブッシャーがそれぞれ勝った時は古豪ラウシュ復活とケセロウスキーの移籍後初勝利は近いと思っていましたが。
SCfromLA さんの投稿…
>首跡さん

 桃田さん出ましたか(笑)私も「あーそれは無理だよー!」と思わず画面の前で言ってしまいました。でもレース後の段階ですぐ反省して失敗を認められる人は強い人なので、秋のダーリントンで独走してもきっと不思議ではないでしょう。
SCfromLA さんの投稿…
>ネコパスさん

 NASCARっていいですねえ(小並感)他のレース以上にチェッカー受ける瞬間までどういう理由で話がひっくり返るか分からずに見てる側も緊張が解けないので、他のレースよりも感動が大きい気がしますね~
SCfromLA さんの投稿…
>カイル・プッシュさん

 こういう時ってありますよねえ、チームとして2戦連続で優勝を争えた、という自信を推進力にしたいところです。この後に優勝争いに絡めないレースが続くと精神的に一番きついのでシャーロットは重要ですね。
SCfromLA さんの投稿…
>アールグレイさん

 スパイアーってどちらかというとちょっと奇抜というか、尖ったことをやるイメージなので堅実なベテランを、それもこんな早い時期にわざわざ発表して獲得したのはものすごく意外でした。今いるドライバーの相対的な力を見るのはものすごく分かりやすい指標ではあると思いますね。

 それにしてもスロウバックって別に毎年新ネタを探さなくたって良いはず、というかむしろ毎年この日だけ往年の名車の色が揃ってるのが本来の意図だった気がするんですけど、みんな『新しいものを探さないといけない病』みたいになっててちょっと面白いです。
 RFKはヘイリーの追い上げを見てると、リックウェアーを取り込んでデータ量増やした成果がちょっとずつでも出てきてるかもしれませんね。逆にペンスキーはインディーカーの方で失格騒動があったりとか、ちょっとどうしたんだという印象を受けます、遅くはないし問題と言えるほどでもないけど、新しいダークホースの車体形状で微妙に変わったセッティングに対して何かが欠けたままシーズンが進んでるように見えます。
日日不穏日記 さんの投稿…
今週は、慣れない農作業があったりで、疲れて寝込んでいて、かなり遅くなりました。ようやく書き上げて、これから動画を埋め込むところです。ブッシャーが逃げ切ると思いましたが、まさかレディックと心中してしまうとは思いませんでした。
ケセロウスキーの優勝はようやくか、という感じですが、グリーンフラッグはベル、残りのリスタートは、ギブスがフロントローを選択しなかったせいもありますが、全てレディックとのフロントロースタートでした。2台が潰れての優勝なので、複雑な思いはありますが、マクダゥエルとトップ争いをして、ファイナルラップでレディックに優勝をさらわれたケセロウスキーとしては、借りを返した感じでしょう。
23Ⅺのクルーの紹介で、ファニチャー・ロウにいたと喋っている人がいて、数は少ないけど、NASCARに残っている人もいたんだなぁ、と思ったりもしました。
ChaseFun9 さんのコメント…
ケセローでさえ37回しかないからこその勝利を巡るブッシャーとレディックの争い大好き
2人を一気に抜いたブッシャーが無念を晴らすかと思ったらレースは無常で面白いですなあ
ChaseFun9 さんのコメント…
ああ酔ってるから間違い36回ですね(笑)
SCfromLA さんの投稿…
>日日不穏日記さん

 お疲れ様ですm(_ _)m ファニチャーロウの従業員って解散後どうなったんだろうと思ったら、消滅当時の記事で「61人の従業員のうち来シーズンの仕事があるのは約半数」と書かれており、一部の優秀な人はJGRで拾ってもらえたかもしれませんが、残りは一生懸命職探しをしてどうなったか、というところなんでしょうね。細かいところ見てますね~
SCfromLA さんの投稿…
>ChaseFun9さん

 こういう逆転の連続やそこに至るまでの以前のレースから続くドラマってNASCAR以外ではなかなか無いので、この競技の醍醐味だなと思いますね。負けた側にはすごく酷ではありますけど。
レリックアース さんのコメント…
ケセロウスキーやっと勝てましたね。
去年あたりから勝てそうなレースは数あれど、肝心な時に運がなかったり、ブッシャーのサポートに徹して勝ちに行かなかったりでなかなか掴みきれなかっただけに嬉しさもひとしおです。(若い頃のイメージに反して、人がいいんだろうなって感じるレースが特に最近は多くて、だからこそ報われて欲しいという思いがより強くなったりしていました。)

また今回のスロウバックにあたってRFKのXでは日本語に翻訳した文章を一緒に添えた投稿がかなりあって、こういった元ネタへのリスペクトやファンサービスは流石アメリカのレースだなって思いましたし、絆されてフォローしてしまいましたw(特定のドライバーやチームのアカウントをフォローするのはロガーノ以外だと初ですw)
SCfromLA さんの投稿…
>レリックアースさん

 私もRFKの投稿見ました、日本語は想像してなくて驚きましたね~。車両写真に「グランツーリスモのBGM流して」とか書いてたり、初代GTのゲーム画像風に加工された画像ネタをリポストしてたり、「単に中の人がグランツーリスモ好きで趣味でカストロールのマスタング作ってたんじゃないの?」とか思う内容で面白かったですw
 若い頃よりも人が良くなって、若いチームメイトの支援にも回って、っていうとF1のアロンソとちょっと重なるところもありますね。