NASCAR Cup Series
このレースの184周目には、フロントストレッチで軽くコール カスターとオースティン ヒルが接触すると、これにヒルがブチ切れてなんとターン1で内側からわざと体当たりする暴挙に出ました。さらに壁に当たって失速したカスターをヒルは後ろから全開で押しまくった挙句バックストレッチで放り投げるようにスピンさせ、カスターは内側の壁にさらに衝突。さすがにえげつない行為だったので、ヒルには25000ドルの罰金と選手権ポイント25点減点の罰則が与えられました。RCRのドライバーがブチ切れるの流行ってます?
オールガイアー、ジョンソン、レディック、カイルといった名前のある顔ぶれがリードラップ最後尾/フリーパスあたりの位置を競って1位争いなみに白熱する中、ステージ残り13周でB.J.マクラウドが単独スピン。これでコーションとなってオールガイアーはリードラップに残っていたので一安心、ジョンソンがフリーパスを獲得し、ここでラップバックできなかった人もウエイブ アラウンドを選択してリードラップに戻りました。
ここでもギブスは外側リスタートのチャステインにかわされてクリーンエアーを得ることができません。そのチャステインも121周目には4輪交換組で抜け出したベルに掴まり、ここで初めてベルがリーダーとなります。バイロンはリスタートからむしろ順位を下げて10位あたりで埋まってしまった模様、タイヤの履歴差がそんなにないので数周で抜け出さないと詰んでしまいます。ということはベルが上手く抜け出しただけでステイアウトは効果的だった可能性が高いですね。
思いっきり雨雲来てるやん、これは前にいないと勝負権無いかもしれませんね、バイロン陣営もそれを考えてか修理はせずそのまま行きました。ベルとバイロンの1列目でリスタート、ベルが高速バトルを制してリードを守りますが、それよりも5位あたりでミニ四駆走りしているレディックがものすごく気になってしまいます、シャーロットで普通あのラインは通らんよw
大急ぎでラーソンがマクラーレンの見た目で出動準備、オールガイアーとの交代を急ぎますが、乗り込む前にレースは249周を終えてレッド フラッグ。この後本当に雷雨になってしまいました。NASCARは天候の回復とその後のトラックの乾燥作業を検討したものの、今からやるとレース終了が夜中や早朝にまで伸び、かといって既に成立段階にあるレースを翌日以降に引き延ばすことまではしないので、レースを再開させずにここで終了と発表。
Coca-Cola 600
Charlotte Motor Speedway 1.5miles×400Laps(100/100/100/ 100)=600miles
※悪天候により249周で終了
winner:Christopher Bell(Joe Gibbs Racing/Rheem Toyota Camry XSE)
大乱闘ウィルクスボロブラザーズを終えてレギュラーシーズンは後半戦へ、 NASCARカップシリーズ第13戦はシャーロット。 シーズン最長にして唯一の600マイルレース、1985年以降ずっとコカ コーラがスポンサーをしているので『コカコーラ600』の名前で定着している大きなイベントです。戦没者追悼記念日であるメモリアル デイに合わせて開催されること、同じ理由でこの日に開催されるインディー500と連続していることからも特別なイベントとみなされ、しかもたいていその前にF1がモナコで開催されているので、一部の人が大変寝不足になる日でもあります。
シャーロット( 実際にこのトラックがあるのはコンコードという隣町) はNASCARの本拠地があり、 多くのチームも拠点を構えるいわば聖地。1.5マイルのクワッド オーバルは道幅こそやや狭く、舗装もだいぶ割れた場所が目立ってきていますがかなり高速です。見ていて素直に「 1500kgもあるこの鈍重な車がこんなに速く走るのか」 とストックカーの凄みを感じられるトラックだと私は思っています 。秋のシャーロットはロード コース部分も使うので、 この美しいオーバルでレースが見られるのはこのレースだけです。あ、ちなみに今年ローバルはちょっとだけレイアウトを変更することが発表されています。
そして今年はなんといっても、 ラーソンがインディー500とハシゴするいわゆる『ダブルデューティー』に挑戦。かなり時間的には制約があり、 インディー500に時間がかかったら途中で諦めてシャーロットへ移動しないといけません。その場合はトニー カナーンに後を託す、という話で報道されていました。
ところがいざレースが近づいてくるとどうも違うらしいという話に。インディーカーのドライバー起用に関する規定が変更されており、レース途中でのドライバー交代は禁止。また、仮にスタート時点で他のドライバーが走る場合でも、当該イベントのセッションで走行しているドライバーでなければならない、と定められていました。
条件に当てはまるのは予選落ちしているノーラン シーゲルという新人選手だけ。シーゲルはデイル コイン レーシングのドライバーでホンダ使用チーム、マクラーレンはシボレー系チームです。一応マクラーレンのCEO・ザック ブラウンとは別カテゴリーで一緒に仕事をしており、予選であまりにシーゲルが苦労していたのでカナーンを指導役として急遽派遣したそうですから関係性があるっちゃああるんですが、マクラーレンの車で走ったことはないですし、そもそも出場しても結果を期待できそうにありません。万一の際はかなり困ったことになりそうです。
・レース前の話題
ベテラン選手と大口スポンサーの離脱で来年以降の体制縮小が危惧 されているスチュワート-ハース レーシング。複数のチャーター売却か、 あるいは縮小どころかカップシリーズから撤退するのではないか、 他チームと合併するのではないか、 とする見方まで浮上して不透明感が強まっています。
来年以降の収益分配制度でまだNASCARとチーム側で合意でき ていない、という点もSHRのような状況のチームには重荷で、 入ってくるお金の規模が分からないとチーム運営できるのかできな いのかの判断も難しくなります。
トラックハウスレーシングや23XIレーシングは新たなチャータ ーを欲しがっていて、 現状ではチャーターの取引価格は高騰した状態が続いていると考え られていますが、 SHRが複数を市場に売り出せば価格には一時的な下押し圧力がか かりとみられます。
他方で、チャーターの価値には当然将来の収益見通しが反映され、 その見通しが上記の通り決まっていないわけですから今のままなら 適正な価格形成をすることも難しくなっています。 SHRは仮に売るにしても、今が高値の売りどきと考えるのか、 収益分配が決まってそれがチームにとって増収につながるものなら 価値が上がるので、 そこまで待って売るほうが良いのか考えないといけません。 結局のところ新契約がまとまってくれないと動きにくいですね。
・ARCA Menards Series General Tire 150
この週末は予定がぎゅうぎゅう詰めでして、金曜日はARCAとトラックの練習/予選/決勝がいずれも1日で完結する形で開催、ここにエクスフィニティーの練習と予選まで放り込まれています。
そんな大忙しの週末の先陣を切るARCAの決勝、ポールシッターのアンドレス ペレスを1回目のリスタートでタナー グレイがかわしてリードを奪ったものの、2回目のリスタート後にカーソン クワポーにかわされるとその後にタイヤがパンクして周回遅れ。これで脱落したと思ったら、4回目のデブリーによるコーションでラップ バックすると鬼の追い上げを見せて、とうとう残り12周でリードを奪い返しました。
前戦カンザスでは残り14周でコナー モザックに抜かれて初勝利を逃していたグレイですが、今日はそれを取り返すかのような終盤の逆転劇でARCAシリーズ初勝利を挙げました。ジョー ギブス レーシングの18番です。
・Craftsman Truck Series North Carolina Education Lottery 200
グレイはこっちのレースでもポールシッターでしたが、圧倒的に速かったのは先週に続いてハイム、ステージ2までを連取します。ところがコーション中のピットでジャッキが壊れて大幅に後退し、その後のレースは混戦。
勝敗の分かれ目となったのは残り15周で出たコーションで、ここで4輪を交換したニック サンチェスが残り10周でリードを奪ってそのまま逃げ切りました。トラックシリーズはここから3戦が賞金ボーナスレースのトリプル トラック チャレンジとなっており、サンチェスが最初のボーナス5万ドルを手にしました。
ハイムはピットの問題から立て直し、サンチェスと同様にタイヤを換えたことで2位になりましたが、ピット作業を急ぐあまりナットが3本もきちんとハマっていなかったのでレース後に失格裁定が下され、スチュワート フリーズンが2位となりました。ハイムはこれでエッケスにかわされてドライバー選手権でも1位から2位に落ちました。
・Xfinity Series BetMGM 300
カップシリーズの選手も数名掛け持ちで出場したエクスフィニティー、スタート直後にはポールシッターのギブスと予選2位のカイルが争う場面もありましたが、ステージ1・2を獲ったのはいずれもジャスティン オールガイアーでした。ところがオールガイアーはこの後ピットで速度違反をやらかして順位を下げると、176周目に多重事故でリタイアしました。
レース終盤のコーションで得をしたのは、こちらも掛け持ち組の チェイス エリオットでした。多くのドライバーが序盤から積極的に新しいタイヤを入れる中で、予選30位と出遅れたチェイスは序盤に1回ステイアウトしてタイヤを節約。これでレース終盤に上位勢では数少ない新しいタイヤの持ち主となり、一気に勝利を引き寄せました。エクスフィニティーでは2016年の開幕戦デイトナ以来となる優勝、通算6勝目を挙げました。なお、尾形 明紀は残念ながら予選落ちでした。
このレースの184周目には、フロントストレッチで軽くコール カスターとオースティン ヒルが接触すると、これにヒルがブチ切れてなんとターン1で内側からわざと体当たりする暴挙に出ました。さらに壁に当たって失速したカスターをヒルは後ろから全開で押しまくった挙句バックストレッチで放り投げるようにスピンさせ、カスターは内側の壁にさらに衝突。さすがにえげつない行為だったので、ヒルには25000ドルの罰金と選手権ポイント25点減点の罰則が与えられました。RCRのドライバーがブチ切れるの流行ってます?
・カップシリーズ 予選
カップの予選はギブスが最速で自身初のブッシュポールを獲得、エクスフィニティーからの連続ポールです。コカコーラ600では史上2番目に若いポールシッターで、じゃあ最年少は誰だというと5年前のバイロンで1か月だけ若い記録でした。そのバイロンが予選2位で、ベル、トゥルーエックス、そしてエクスフィニティーで勝っているチェイスが続きました。ラーソンは10位でした。
[悲報]ラーソン、間に合わず
いよいよ本番の5月26日になりましたが、インディアナポリスは午後から雨予報。ラーソンはレースが押したら移動が間に合わない、という中で開始時間が4時間も遅れることになりコカコーラ600と完全に被ることになりました。しかし、代役の手段が事実上使えず、そもそも約1年間多額の費用と時間を注ぎ込んできたヘンドリック モータースポーツとしても『雨なので走らずに終わりました、お天気には勝てないね(´・ω・`)』で終わっては困るので、ラーソンはシャーロットには来ずにインディアナポリス残留が発表され、シャーロットに置いてきたカー ナンバー5はオールガイアーが代理で走ることになりました。ドライバー交代となるのでオールガイアーは最後尾スタートです。
なお、レース前の最終車検ではレディックが未承認の変更を行ったとして、最後尾スタート+レース開始後にパス スルーのペナルティー、ピット選択権剥奪、カー チーフ退場というけっこう重い処分を受けました。
・ステージ1
ラーソン不在のステージ1、まずはポールシッターのギブスがリード。ペナルティーを受けたレディックがほぼ1周遅れで少し前方にいて自分と同じぐらい速いので、レース開始早々にリーダーであるにもかかわらず完全なクリーンエアーではない、という不運な展開になりました。しかしそれでも少しずつバイロンを引き離します。
そのまま40周目あたりからピットサイクルとなり、43周目にはギブス、バイロン、ベルのトップ3が同時にピットへ。順位が入れ替わることなくピットを出てステージ1の後半戦へ向かいます。このサイクルでカイルのクルーはタイヤを他所へ転がしてしまったようでペナルティー、絶対無線で激怒してますね^^;
周回遅れに詰まりながらもリードを守って上手く進めていたギブスでしたが、前方で周回遅れに並走されて行き場がない状況が訪れ、しかも後ろから周回遅れのオールガイアーがラップ バックを狙って抜きにきたのでさらにややこしい車が増えてしまい失速。72周目にごちゃ混ぜのラッシュ アワー状態の中でバイロンにしれっと抜かれてしまいました。
オールガイアー、ジョンソン、レディック、カイルといった名前のある顔ぶれがリードラップ最後尾/フリーパスあたりの位置を競って1位争いなみに白熱する中、ステージ残り13周でB.J.マクラウドが単独スピン。これでコーションとなってオールガイアーはリードラップに残っていたので一安心、ジョンソンがフリーパスを獲得し、ここでラップバックできなかった人もウエイブ アラウンドを選択してリードラップに戻りました。
リードラップ車両はピットへ、1番ピットのギブスが先頭を取り返してステージ残り7周でリスタート。しかしリスタートでは外側リスタートのバイロンの方が速く、わりとあっさり順位が入れ替わってそのままステージ1を制しました。バイロンは既にレースでは勝ってますがステージ勝利が意外にも今季初めてです。ギブス、ボウマン、ベル、トゥルーエックス、ウォーレスが続きました。
・ステージ2
7周だけ使ったタイヤをどうするか悩むステージ間コーション、大半は交換を選択しましたがギブスをはじめ4人だけはステイアウトを選択、ここに2輪交換が2人挟まってバイロンは4列目からのリスタートです。って誰だよ乱闘Tシャツ作ったやつ、仕事早いわ!w
ここでもギブスは外側リスタートのチャステインにかわされてクリーンエアーを得ることができません。そのチャステインも121周目には4輪交換組で抜け出したベルに掴まり、ここで初めてベルがリーダーとなります。バイロンはリスタートからむしろ順位を下げて10位あたりで埋まってしまった模様、タイヤの履歴差がそんなにないので数周で抜け出さないと詰んでしまいます。ということはベルが上手く抜け出しただけでステイアウトは効果的だった可能性が高いですね。
こうなると追ってくる人がいないのでベルはこの後独走。143周目あたりからピットサイクルとなりますが、何せ大量リードがありますのでベルは後ろが動いたのを見てからでじゅうぶん対応可能です。
その一方で追いかける側はバタバタ、ギブスは左前輪がなかなか外れず、ボウマンは一旦発進した後クルーに止められて時間を使い、そしてブレイニーはアンコントロール タイヤのペナルティーを受けた上に、そもそも右前輪のナットも締まってなくてターン4で半分脱輪しクラッシュ、代償はとても高くつきました。
このクラッシュはブレイニーがガシャッっと壁に当たってそのままピットへ戻ったのでコーションが出ませんでしたが、その後修理できなくなった車両をクルーがガレージへ押し戻そうとしたところ、サスペンションが明後日の方向を向いているせいで動かせなくてレッカー移動が必要になってしまいました。危ないので158周目にコーション、わりと珍しいパターンですね^^;
ここではアンダー グリーンでのピットを遅らせた4人がステイアウト、ピット組ではギブスが唯一の2輪交換で先頭でしたが、なんと戦略ではなく連携ミス。本当は4輪換えたかったようで、クルーチーフからは「給油を待つ必要は無いからジャッキが落ちたらすぐ発進」と言われたものを、ギブスが「右側の交換をしてジャッキが落ちたらすぐ発進」と誤認したことが原因のようです。危うくクルーを轢きかけましたが、航空機の誤誘導・誤進入事故でもありがちな要因なので気を付けたいですね。
165周目/ステージ残り36周でリスタート、ステイアウト組のトゥルーエックスとエリオットがハゲしくバトっていましたが、今回は4列目リスタートのバイロンが上がってきてリーダーとなると、ほどなくグレッグソンのクラッシュにより4回目のコーション。ここは多くがステイアウトしました。
しかしバイロンはさっきのリスタートからの争いで軽く後ろから押された拍子に壁にぶつけており、どうやら少しアライメントが狂ったとのこと。影響があるのか、単に相手が速いだけか分かりませんが、リスタート後の189周目にベルにかわされます。そのままベルのリードでステージは残り4周となりましたが、今度はハリソン バートンがターン2で派手にスピン。これでステージ2はそのまま終了し、ベル、バイロン、ウォーレス、ハムリン、ケゼロウスキーの順となりました。
放送席ではバイロンの曲がったサスペンションをまだ200周あるんだから今のうちに直すべきか、そのまま突っ切るべきか、という話になっていましたが、ここで一旦全車ピットでに車を止めて、ドライバーもクルーも観客も、戦没者の方々へ黙とうをささげる時間となります。もし私がバイロンのクルーなら、正直この後の修理手順ばっかり考えて気もそぞろだと思います^^;
・ステージ3
すっかり夜になり、気温も路面温度も下がってここから先で速い車こそがこのレースに勝てる車です、あ、ここで気象情報ですね。
思いっきり雨雲来てるやん、これは前にいないと勝負権無いかもしれませんね、バイロン陣営もそれを考えてか修理はせずそのまま行きました。ベルとバイロンの1列目でリスタート、ベルが高速バトルを制してリードを守りますが、それよりも5位あたりでミニ四駆走りしているレディックがものすごく気になってしまいます、シャーロットで普通あのラインは通らんよw
この後、バイロンでもレディックでもなくケゼロウスキーがベルを脅かしにかかりましたが、勝負が始まる前にコリー ラジョーイが単独スピンして229周目にコーション。これでリードラップ車両がピットに向かい、ベル、ケゼロウスキーのトップ2は変わりません。そして、インディー500を18位で終えたラーソンが大急ぎで飛行機に飛び乗って移動していましたが、ここでようやくシャーロットの空港までたどり着いたようです。あと少し!
236周目にリスタート、一応あと165周ですが天候が気になります。先を急ぐギブスとレディックが3位をハゲしく争い、絡みそうになって失速している2人をバイロンが豪快に白線の内側から抜いていく名場面がありました。オーバルはスーパー スピードウェイだけ二重黄色線を超えた状態での追い抜きが禁止されていますが、それ以外は制限が無いので近道しても問題ありません。
246周目、ちょうどラーソンを乗せたヘリコプターがトラック近くにたどり着きましたが、ここでとうとう近隣の落雷によってコーション。というかそんな気象条件でよく飛行機もヘリコプターも飛びましたね^^;
大急ぎでラーソンがマクラーレンの見た目で出動準備、オールガイアーとの交代を急ぎますが、乗り込む前にレースは249周を終えてレッド フラッグ。この後本当に雷雨になってしまいました。NASCARは天候の回復とその後のトラックの乾燥作業を検討したものの、今からやるとレース終了が夜中や早朝にまで伸び、かといって既に成立段階にあるレースを翌日以降に引き延ばすことまではしないので、レースを再開させずにここで終了と発表。
これにより今年のコカコーラ600はコカコーラ373となってしまい、ちょっと意外な形でベルが今季2勝目を挙げました。ケゼロウスキー、バイロン、レディック、ハムリンのトップ5。ギブスは6位、チャステインは8位、代走のオールガイアーは最後尾からスタートして13位と代役の務めを果たしました。ラーソン、メットを被るところまで行ったけど乗れず(´・ω・`)
オールスターでの大乱闘により報復予告までしていたステンハウスでしたが特に目立たず31位、カイルの方もピットでのペナルティーが2度あってステンハウスどころの話ではなく15位でした。勝負は持ち越しです(?)
ダブルデューティーもコカコーラ600も、拍子抜けとでも言いますか天候には勝てずに期待されていた内容とは程遠い結末になってしまいました。コカコーラ600が雨により途中で終了したのは2009年以来、2003年と1968年にも短縮されており史上4度目です。これとは別に、1997年は雨で開始が遅れ、騒音の問題で午前1時を超えてはレースできなかったので短縮された例があります。
ベルは確実に速くそのまま400周のレースをしていても3割ぐらいの確率で勝てたと思います。それはレース最多の90周のラップ リードを記録したことからも伺えます。しかし、路面温度が下がるにつれてケゼロウスキーが非常に良い感じに見えたので、2連勝を狙うケゼロウスキーとの対決を見たかったなあ、というのが正直なところですね。ちなみにですが、ベルはこのレースで67点を獲得しました。内訳は
優勝:40点
ステージ1 4位:7点
ステージ2 1位:10点
ステージ3 1位:10点
です。え?ステージ2までしか終わって無いで、ステージ3途中やったやろ?と思いますが、途中でレースが終了したらその時点の順位が正式結果として選手権ポイントを貰えるのと同様に、ステージ3が途中で打ち切られて終了したのだから、ステージポイントもレースと同じように貰える、という仕組みのようです。
コカコーラ600以外のレースは3ステージ制なので『ステージ3のポイント』は存在しません。レースの成立は『レース周回数の半分か、もしくはステージ2終了』が条件ですので、ステージ2の途中段階、かつレースの半分を超えた状態でレースが終わるということがほぼありません。今回のような『レースが最終ステージ開始以前に短縮終了して成立する』という事態は極めて稀なので、ステージ途中で終了した場合に何%まで走っていたらステージポイントが貰えるか、なんて細かいことまでわざわざ決めていないんでしょうね。ベルは『買った商品がたまたまキャンペーン中でおまけがついてきた』みたいな状態ですw
・ラーソンのプレイオフはどうなる?
結局シャーロットの決勝レースでは1mmたりとも車両を自分で動かす機会がなかったラーソン、当然思い浮かぶのがプレイオフ出場資格でした。NASCARの規定では、プレイオフに出場するためにはレギュラーシーズン全26戦に出場していることが条件です。NASCARは規則の原文を一般に公開していないので厳密な表現が分かりませんが、もし『drivers must start』と書いてあれば、解釈次第ではそもそもスタート時点で乗っていなければ途中から乗っても条件を満たしていない可能性すらあります。実際は途中からも乗れなかったので表面上は完全に権利喪失です。
ただ、ご存じの通りNASCARは欠場が生じた選手でも事情があれば、個別に精査して『免除』を行うことができると定められています。そのため怪我等でやむを得ず欠場した場合にはチームが免除申請を出し、NASCARはこれを認めてきました。レース中の怪我だけでなく、スノボで遊んでいたり、他のレースで事故ったりしても免除は認められており、危険行為による出場停止処分でさえプレイオフ資格の喪失だけは免除されてきました。
この規則の目的は、昨年のシェイン バン ギスバーゲンとか、かつてのトレバー ベインとか、スポット参戦の選手がポッと勝ってしまって競争力の足りない選手が安易にプレイオフに入ってしまうことを避けることで、常連の有名選手をちょっとした事情でプレイオフから追い出してしまうことを目的とはしていません。そもそも、ヘンドリックも事前にNASCARに根回しはしていると考えるのが普通で、さすがに免除が通らないらしいぞ、ヤバいかもよ、と考えていたら欠場という判断はさすがにしていないだろう、というのが大勢の見方です。
実際、NASCARはレース後に早速この件について話し合いを持ったとレースの翌日に報じられており(この段階ではまだ申請は出ていなかった)、免除申請が通らないと思っている人は誰もいないと思われます。ただ、そうするとそもそも『規則』『義務』って何なんだ、という根本的な部分に疑問が出てきてしまうのも事実で、いくつかアメリカのサイトを見てみたところ『規則を撤廃する』『全員1戦だけ欠場可にして、その代わり出場停止などでの免除は認めないようにする』といった関連規則全般の見直しを提言している記者の方もいました。あまり広範に認めてダラダラな規則運用を続けると、どこかで必ず二重基準のような問題にぶち当たりますからね・・・
ちなみに、今年のインディー500を制したジョセフ ニューガーデンは、あくまで聞かれたら好意的に答えてあげているだけかもしれませんが、ダブルデューティーに興味がある、他の選手も両方走る機会があれば喜ぶ人は多いと思う、昔よりもインディーカーとNASCARの車両は近くなっているので、インディーカーからの挑戦もできるかも、といった話をしたそうです。
オールスターからシャーロットへかけて色々なことが起こって一息つきたい気分でもありますが、レースは休むことなく続いて次戦はゲートウェイです。ただしエクスフィニティーだけはポートランドへ遠征します、フォーミュラEとの併催ではありませんw
コメント
確かに滅多にできない経験でもありますが、今シーズン既に2勝してるとはいえプレーオフのためのステージポイント稼ぎも必要だと思いますし。
それでもレース途中にドライバー変更すると、スタートしたドライバーの方に全てのポイントが付くルール?(オールガイアーはエクスフィニティー登録のドライバーなので実際はノーポイントですが)を思い出したのでそれでも交代する為に戻ってきたのは立派でした。
今度こそ完全なダブルデューティを見たいですね。
ベルはカップ戦通算8勝目ですが、全て違うトラックで勝利を挙げているんですね。
ここからはロードコースや近年イベントに追加されたトラックが続くので、勝利トラック数を増やして、カイルに続く全トラック制覇を目指してほしいです。
ちなみに今戦タイディロンがドライブした50号車のチーム名が、マネーチームレーシングからチームアメリベットと改名していましたが、調べてみるとオーナーグループの変更によりメイウェザーはもうオーナー業を辞めているようですね。やっぱりチャーターが無いと、いかにメイウェザーでも厳しいんだなと。
インディカーからNASCARに転向するドライバーは最近見ませんね。
(マルコアンドレッティが下部シリーズで頑張っているぐらいでしょうか?)
2000年代後半はインディカーのトップドライバーがNASCARに挑戦していたイメージがありましたが、F1も経験したモントーヤの様に外国人ドライバー初のプレーオフ進出を果たしたのもいれば、ダリオフランキッティの様に成績不振や怪我でシートをシーズン途中で降ろされて1年でインディカーに逆戻りしたケースもあるので、サムホーニッシュjrやダニカが5年以上カップ戦で頑張ったのは凄いことなんだなと今感じています。
私も数日前の段階で「ああ、これインディー雨だからラーソン無理だな」と思っていたので、シャーロットに来てないと知ってものすごく驚きました。可能性の1つとして、全レース「スタート」はしてなくても「出走」してたらいいよとまでは運営と話をしていた、みたいな話もひょっとしたらあるのかなと思いました。結果ギリギリ間に合わず走れなかった、未だに免除の受理が下りていない、というその後の展開もまた驚きの連続でした。こっちばっかり気になって50番は気になったけど無視してました、情報ありがとうございます(笑)
インディーカー選手はある程度成功していたら、現実的な人命の面でも給料の面でもNASCARが魅力的、というのがかつては転向の要因だったろうと思いますが、あのホーニッシュですら成功には遠く及ばなかった、という現実や経済環境の変化で、今は転向するならスポーツカーレースの方が良いんだろうなと思います。もうインディーカーで活躍していたからって高い給料出してくれる羽振りの良いチーム・スポンサー企業ってたぶん無いので、マルコみたいにコツコツやることになるでしょうからね。その代わりにオーストラリアからの挑戦者が増えてる感じがあるので、ある意味市場のダイナミズムみたいなものは感じなくもないですね~。
ドライバー交代は、草創期のインディ500や、F1(ファンジオの時代)ではありましたが、現在のレースでやるのか、って逆にびっくりしました。スチュワートのNASCAR撤退は、相互フォロー(今はなんて言うんだろう?)しているF1関係のポストで知りました。F1界隈のSNSや、ヤフコメで話題になってます。ジーン・ハースって、そんな大富豪でしたっけ?
私も火曜日にPC落とす前に「あ、もう動画上がってるやん」と確認だけして寝て、水曜の朝に見たら3時間ちょいで「あれ?昨日5時間無かった?寝ぼけてた?」と疑いつつも短縮だろうとは察しました。確かに最後のつなぎ方はかなり雑になってました^^;
ジーンハースは自身の総資産は300億円ぐらいだと言われていますが、ハースオートメイションが非公開企業なので価値が測りにくいところがあるものの、毎年数百億円の利益を生み出す一流企業のオーナーですから数値以上に持っている資産の価値は大きいように思えます。ただ、1回脱税やらかしてるんですけどね^^;
私もあの積乱雲の様子を見てるとよく飛行機もヘリコプターも飛ばせたなあとは思いましたね~。費用はたぶん全部ヘンドリックが出してると思います。