フォーミュラE 第5戦 東京

ABB FIA Formula E World Championship
2024 Tokyo E-Prix
Tokyo Street Circuit 2.585km×33Laps=85.305km
※規定により35周に延長
Race Energy:32kWh
winner:Maximilian Günther(Maserati MSG Racing/Maserati Tipo Folgore)

 やってきました東京E-Prix、一般紙やNHKのニュースでも軽く扱ってもらう程度には話題にしてもらえている印象です。そのぶん私はレースを見終わるまであらゆるメディアの情報を遮断しないとネタバレする危険性が高いのでなかなか厄介でした。土曜日も仕事の人なので土曜日昼間のレースは絶対録画でしか見れませんw
 東京ビッグサイト周辺の道路を使用した特設公道コースは意外と高低差があり、特にターン2の先はスロープ状の下り坂がちょっと急斜面になっているので車がジャンプ。一部区間では東京臨海新交通臨海線、通称ゆりかもめと並走している区間もあるので鉄道好きも楽しめます。鉄道がいて展示場を使うのはロンドンと似ており、普段の38.5kWhだとエナジーが多すぎて節約度合いがあまり無いので32kWhまで減らされているのもロンドンと似ていますが、さすがにここでは展示施設内の走行はありません。
ジャンプ!

 当初は1周2.582kmでしたが、開催の約1週間前に少しだけ変更されました。ターン15を立ち上がった後に4本目の全開区間があり、ここから最終シケインへ向けては曲がりながら下りながらのブレーキングというちょっと難しい設定になっていました。しかし実際に現地の道路を見ると、ちょうどブレーキを踏むあたりで道路がガクンと下っているために運営はローマのような大事故発生地帯となることを懸念。結果としてシケインが1つ追加されて最終区間はえらく低速になり、距離も3mだけ伸びました。

 道路標識だったり、路面に書かれた『止まれ』とか『有料駐車場』とかいう文字を見ると、グランツーリスモの世界の話だった日本の公道で本当にレースやってるんだなあ、と思います。

・レース前の話題

 今週に入って急に『ローラがフォーミュラEにパワートレイン製造者として新規参戦するのではないか』とする情報が流れ始めると、3月28日に正式に発表されました。なんとヤマハ発動機と技術提携した上での参戦と発表され、なるほど東京の開催に合わせたのね、ということが分かりました。
 ローラ カーズは1960年代から様々な競技用車両を手掛けてきた企業で、あのフォードGTもローラが制作したプロトタイプ車両が原型となって誕生しています。F1の車両を手掛けたこともあり、各国のF3000級の車両やLMP2カテゴリーに相当する耐久レースの車両などでも知られる世界有数の製造者でしたが、1997年のF1計画が大きな痛手となって財政的に大きな問題を抱え2012年には完全に破綻していました。ちなみに、あのデルタウイングを設計したベン ボウルビーは元ローラの技術者です。
 これで消滅したと思われたローラでしたが、2022年にティル ベクトルサイマーという人が別の会社の手に渡っていたローラの名称と資産を買収、レース界に復帰させる意向を示して風向きが変わります。Till Bechtolsheimerと書き、珍しい名字でどこの国の方かと思いますがイギリスの男性。日本のサイトには『ベヒトルスハイマー』と書かれていることが多いようですがこれはどう見てもドイツ語読み、英語圏の方で本人のインタビュー映像でも『ベクトルサイマー』に近い音で自己紹介しているのでこう書きます。無駄に英語読みで書くときもあるのに何でこういう字面を目にすると勝手にドイツ語読みって決めちゃうんでしょうね。

 ベクトルサイマーさんは何者なのかというと、アローザ キャピタル マネージメントというエナジー関連産業を中心に投資を行う会社の創業者で、2016年ごろからはジェントルマン選手として多くのレースにも参戦している模様。IMSA WTSCCに昨年はLMP3クラスで、その前にはGTクラスにNSX GT3で参戦していました。2022年の最終戦ではGTDクラスでの優勝を記録しています。
 2013年にはル マン レジェンドに出場し、以降もこの手のレースへの出場記録があるので、おそらくイギリス人で、お金があって、レースと車が好きで、という中でローラへの関心を示して買収に至ったと考えられますが、そんな彼がローラの名前を国際舞台に戻る最初の場所として選んだのがフォーミュラEだった、ということになります。エナジー関連投資会社、という本業との関係性もあるでしょうね。

 で、なんとなく発表を聞くと『ローラのチームがヤマハのパワートレインを使って新規参入する』と思ってしまいそうですが、そうではなく『ローラがパワートレイン製造者』で、ヤマハはその技術提携企業、それをどこかのチームが使うという形とみられます。初期のフォーミュラEであった『アウディーのパワートレインをシェフラーが主体となって作り、それをアプトがチームとして使用する』というのと似た形です。
 ローラはモータースポーツ ディレクターとして元テチーターのチーム代表・マーク プレストンを起用しており準備は万端といったところ。プレストンは遡るとチーム アグリやスーパー アグリ F1チームにも関わった人なのでこの業界はけっこう長いですね。また、後から気づきましたが1月の段階でエレクトリック モーター ニュースというサイトがローラ・ヤマハの参入について報じていたようで、その記事ではヤマハを技術面でさらに後ろから支援する形でトヨタも関与しているでは、としていました。

 そして現在の時点での情報を総合すると、その使用チームというのがアプトになる可能性が高いとされています。アプトはアウディーの撤退に伴ってシーズン7終了後に撤退し、シーズン9に単独チームとして復帰。その際に、言ってしまえば消去法でマヒンドラから供給を受けることになりましたが、競争力が低いのでどうやら今季限りで契約を終了し新しい動力源を探していたようです。
 アプトはアウディーと長年の付き合いで、冠スポンサーであるクープラもフォルクスワーゲン グループ傘下の企業であるセアトから独立した高性能車両ブランド。ということで同じVWグループのポルシェから供給を受けられないか交渉を行ったようですが、これが決裂したという情報が伝えられたのがつい先日の話でした。実際、この週末にどうやらヤマハ関係者がアプトのガレージを訪れている姿が目撃されているようです。

 また、このレースを前に日産はGen4最終年となると想定されている2030年/シーズン16までの参戦継続を表明、予定通りローラヤマハが参入できれば来シーズンから当面の間は日産とヤマハという2つの企業が競争する姿が見られそうです。


・フェネストラズ、危うく負傷

 さてトラック上に話を戻します。この週末は春の嵐といった天候で、走行時間帯は晴れていたものの金曜日のFP1ではターン1手前だけ異様に水が乾かない箇所がありました。そしてコース図を見て分かる通りこのコースはターン1に対して外側にピットが付いている形状、これが合わさった結果サッシャ フェネストラズに不運が襲いかかりました。
 セッション残り5分を切ったあたりで、ターン1を全然止まれなかったサム バードがピットを出て来たフェネストラズに衝突。直撃は免れたものの、死角からのいきなりのバードミサイルでステアリングに手を持っていかれてしまい、フェネストラズはその後手首を冷やすちょっと心配な姿が見られました。幸い念のため冷やしていただけで負傷したわけではなかったとのこと。



・グループ予選

 土曜日朝のFP2もターン1手前だけ乾かず、本当に1周をきちんと全力で走れないまま予選が到来。A組の最速は日本のファンの声援も受けているであろう日産のオリバー ローランドが記録しました。2位にマヒンドラのエドアルド モルターラ、3位は前戦でちょっとやらかした選手権リーダー・ニック キャシディー、4位にジェイク デニスとなりました。1位から3位はなんと0.025秒差。ミッチ エバンスは5位でデュエルスに進めませんでした。
 B組はマキシミリアン グンターがここまでで最速となる1分19秒391を記録して最速、なんとここに0.083秒差でERTのセルジオ セッテ カマラ、3位はアプトのニコ ミュラーとやや番狂わせの結果。ミュラーは2戦連続のデュエルスで、予選だけならマヒンドラパワートレインでもやれるんだということを見せます。4位にはパスカル ベアライン。
 フェネストラズは1回目のアタックの際に左後輪を壁にぶつけてしまい、2回目のアタックはどう見ても車が真っ直ぐ進んでいない状態、残念ながら10位で脱落となります。さらにこのB組の走行が行われている間に、A組で3位だったキャシディーについて技術規定違反があったとして審議が行われ、結果スロットル マップが規定通りではなかったとして最速タイムが記録された7周目のタイムが抹消。これで正式結果がグループ10位となってA組の3位がデニス、エバンスが繰り上がって4位となりました。

・デュエルス

 デュエルスそのものには波乱は少なく、準々決勝は全て後攻の選手が勝ち上がり、準決勝はグループ予選1位だった2人が勝ち上がりました。ということでデュエルス決勝はローランドとグンターの対決となります。日産を出て戻ってきた人と、日産を出ていった人の対決ですね。なんか前にも出戻り対決とか名前つけたのがあったけど、よく考えたらこのシリーズって移籍多いんだよな・・・w
 後攻のローランドに対して大声援が送られる中、前半ではグンターを上回るペースで走って、ちょっと脳内リミッターが外れてるんじゃないかというぐらい攻めていましたが、後半はグンターの方が早くて最終コーナー手前の計測地点ではグンターが逆転。そして終わってみたらなんと0.021秒差でローランドが再逆転して戦いを制しジュリアス ベア ポール ポジションを獲得しました。お客さん大興奮。



 スタート順位はローランド、グンター、モルターラ、セッテカマラ、デニス、ベアライン、ミュラー。エバンスは予選結果としては6位でしたが予選でのアタック妨害で3グリッド降格を受けておりスタートは9位、今回の予選では他にも3人が同じくアタック妨害で降格となりました。見た目にもちょっといつもよりコースが狭いなあとは思いますね。
 ちなみに今回J SPORTSは自分たちで複数のリポーターとカメラを用意しましたが、国際映像がグンターのインタビューを流している時にローランドのインタビューを挟み込むというなかなか強引な業を見せました。「国際映像がグンターのインタビューだけどどうする?」みたいな向こう側のやり取りの声まで入っちゃってるしw

・決勝

 偶数列のライン上は路面がやや汚れているので奇数有利。3位のモルターラが良いスタートでグンターをかわして2位へ浮上しました。ターン5のあたりでガシャガシャガシャ、と音が聞こえてなんか壊れてる人がいますが大した問題ではなかったようです。
 中団では前に出たい人が動きを見せて時折接触も見られる一方、上位はとりあえず様子見を続けてアタック モードも使わずにそれなりの節約走行。基本的に道が狭い上に抜きに行くと危ない場所が多いので、序盤から無駄な消耗はしたくないと思われます。でもペースが遅いであろうセッテカマラとミュラーには詰まりたくない、というのは感じました。モルターラもマヒンドラですからその対象だと思いますが、グンターも無茶してまで抜こうとはしていない様子。

 リーダーのローランドは早い段階からターン1に向けてブロックのラインを採りつつ早めのリフトをしている様子。節約はしたいんだけど、譲りたくもない、という雰囲気に見えます。ペースはずっと1分25秒0前後なので予選の5〜6秒落ち。しかし10周目に「飛ばしてアタック」という指示を受けたようで、いきなり2秒ほどペースを上げて翌周に1回目のアタックへ。2位のモルターラも一緒にアタックに行ったので、ローランドは1位のまま戻れました。
 ローランドは13周目にすぐに2回目のアタックも消化に行く、いわゆるダブル アタック作戦。グンターに抜かれただけで済み、翌周にグンターも1回目のアタックに入ったのでほぼ損失はありませんでした。ここまではおそらく事前に考えていた通りの流れと思われます。
 ただローランドはやや残量が少ない状態のままなのでターン1でのブロック&リフト&コースト続行中、逆に4位のデニスはまだアタックを使っておらず残量は周囲より2〜3%多い状態で対照的です。こういう時に意外と勝負できずに余ったままゴールすることが多い今季のデニスですが、17周目にアントニオ フェリックス ダ コスタに抜かれて1つ順位を下げてしまうと、翌周にはベアラインにもねじ込まれて接触、今日も余りそうな気配が早くも漂ってきました・・・
 その18周目には中団でエバンスがミスって自分で他車にぶつかりに行ってしまいウイング脱落、ルーカス ディ グラッシとニック デ フリースも接触事故があった模様で、さらにさっきデニスと当たったベアラインもウイング破損。コース上が破片だらけになったのでSCが導入され21周目から隊列走行となりました。これが通算100戦目だったエバンス、脱落。実況もエバンスに対して
「残念ながら、キウイ(ニュージーランド人に広い意味で用いられる愛称)に対して"サヨナラ"と言わなければなりません」とシャレを利かせていました。ショーヘイ、スゴイ、コノバーベキューハイイデスネ、スワッテクダサイ。

 
 破片回収作業を円滑に行わせるためにかなり遅い速度での隊列走行を経て、23周目にリスタートされます。ローランドは2位のグンターより残量が2%ほど負けており、一方でグンターにはまだアタック4分が使い残されています。5位リスタートのデニスもアタックが1回残っていましたが、ちょうど後ろにいたのがチームメイトのノーマン ナトーだったので、場所を空けてもらってすぐにアタックに入りました。
 ローランドは相変わらず節約が必要なようで、ペースはさっきまでと変わらず1分25秒前後。25周目のターン10の手前でほとんど譲るような形でグンターが前に出ました。アタック1回残しのグンターはここからアタックのためにペースを上げるので、ローランドは節約したいけど1位で相手を戻したくはないせめぎあい。でもさすがにあっさり抜かれるほどの状況で食い下がるのは厳しく、28周目にグンターが2回目のアタックを使った上でリードを守りました。形勢逆転。

 その後ろの3位争いではモルターラがまだ頑張っていましたが、こちらもアタックを1回残しており、後続を引き離す余裕もないのでやや追い込まれていきました。29周目に『さすがにこれ以上引っ張ると未消化でレースが終わる危険性がある』となってアタックに入り、5位へと後退しました。これでオーダーはグンター、ローランド、ダコスタ、デニス、モルターラ。
 31周目にレースの追加は2周と発表されたので合計35周、残りは5周で確定。終わりが見えると速くなるでおなじみのレースですが、グンターもあんまり余裕が無いようでさっきまでより0.5秒ほど速くなるだけの節約ペースでレースは終盤戦へ。
 32周目には6位のナトーが斜め後ろにいたロビン フラインスを壁に向かって挟んでいくような動きをして接触、これでフラインスは順位を下げ、ナトーは接触事故を起こしたとして5秒加算のペナルティーという裁定が下りました。これでまた破片回収でFCYでも出るかなと思ったら何もなくレースは続きます。

 続く33周目にはターン14から15にかけて、3位のダコスタが外からローランドを抜きに行きましたが仕留められず、逆に失速したところをデニスに抜かれてしまいます。ダコスタは「あれは非合法だ」とローランドの防御に無線で文句を言いますが、たしかに縁石で跳ねた流れで少し寄って行ってしまって、僅かに接触があったのかもしれませんが、ラインはきちんと残ってるし追い抜く側が持つリスクの範疇に見えましたね。厄介なのはターン15の外側のバリアがちょっと出っ張っていて並走しにくいことだと思うんですが、もうちょっと小さい出っ張りにできません?w


 後ろが争ってくれて少し差が開いたローランド、最終周になると残量がカツカツの状態でもグンターの一瞬の隙を衝いて抜いてやろうという動きを見せ、グンターも鬼ブロックで絶対行かせないマンと化します。ローランドはさっき自分がダコスタに抜かれかけた場所でグンターに仕掛けましたが、ターン15で完全に並走するとさっきのダコスタと同じことになると判断し入り口の手前で引きました。
 残るシケイン2つを無事に通過したグンターが昨年のジャカルタ以来となる通算5勝目、マセラティーでの2勝目を挙げました。ローランドは惜しくも2位、デニス、ダコスタ、そしてウイングが潰れたまま走り切ったベアラインが5位。ベアラインはこれでドライバー選手権で首位に立ちました。


 モルターラはエナジー切れで最後の最後に失速し6位でチェッカーを受けましたが、残念ながら32kWh以上使ってしまってレース後に失格。繰り上がって6位はナトーですが、彼も5秒加算があるので正式結果は15位、のはずでした。ところがこのペナルティーの原因となった接触について、レース後に車載映像や当事者の聞き取りなど新たな情報を精査した結果、ナトーがフラインスを壁に追いやって行き場を失わせる危険な動きを行った末に接触した、とする根拠はないとしてペナルティーは取り消されました。これによりナトーが6位となって、3位から6位は全てポルシェ勢となりました。
 7位には上位勢が崩れたことが影響してミュラー、アプトはこれが今季の初入賞です。これで今季まだ無得点のチームはマヒンドラだけになりました、モルターラが電欠しなければ・・・18位スタートのキャシディーが8位まで挽回し、結果的にジャガー勢ではこれが最上位。第3戦を終えただけであれだけ大量に差があったドライバー選手権1位の座をもう失ってしまいましたが、幸いにしてベアラインからたった2点差です。

 初開催の東京はレース設定面で非常にうまく作られていて面白いレースを作ったと思います。アタックを取りに行くため数周飛ばした部分を除くとレースはずっとグループ予選の4~5秒落ちのペースで走り続けたので、かなり頭を使って走る必要があった一方で先頭を押し付けるほどでもありませんでした。
 グンターとしてはモルターラにスタートで先行されて蓋されたのが困りものでしたが、モルターラ自体がそこそこ速くて離されることがなく、1回目のアタックでオーバーカットし損ねた後にすぐ自力で抜いたのが大きかったと考えているようです。後半になって効率の差がペースの差となって表に出て来た時に引っかかるとものすごく離されますからね。逆にその後しばらくはポルシェの壁になってくれたので節約に徹することもできました。
 ローランドとすると先頭の利益を活用できると思ったらちょっと逃げ切るには足りなかった、という印象。ひょっとするとどこかで一旦グンターを前に出して、、、という賢いやり方もあったのかもしれませんが、3戦連続表彰台で選手権3位になったという結果を見ればチームと彼のやっていることは正しい方向に向かっていると思うので、結果論は結果論として最善を尽くした素晴らしいレースだったと思います。特に予選すごかったですね。
 選手権で見ても、第3戦を終えた段階で独走していたキャシディーがもうその座を失うとはさすがに思いませんでした。そういえば第3戦の記事で何か自分で書いてたなあと思ったら

開幕から3位、3位、1位で2回もファステストを記録したキャシディーは現在ドライバー選手権で2位のベアラインに対して19点差の独走状態となっています。去年は開幕から2位、1位、1位だったベアラインが結局チャンピオン獲れませんでしたが、この時はデニスが6点差の2位でしたから今年の方が明らかに大差です。

あ~、これフラグ立てて呪ったかな・・・

 ターン2の先のジャンプはさすがにちょっと考えものでは?とか、いくらなんでも1か所だけいつまで経っても水浸しってどうなってんの?とか課題は挙げたらたぶんキリが無いとは思いますが、ターン9は旋回時間の長さと舗装の変化から非常に難しく面白い設計のコーナーで、90度コーナーだらけのコースに良いアクセントだったと思います。シケインの追加は仕方ないですがもったいなかったですね。
 東京大会は来年も開催を目指していると昨年の時点では報じられていましたが、現時点では不明です。ただヤマハの名前が加わったことで後押ししようとする動きは多少増えるかもしれませんね。フォーミュラE側とすると、1回だけやってすぐ頓挫するイベントは困るので継続開催を当然望んでいるでしょう。とりあえずは7月の東京都知事選挙の行方にもよりけりでしょうか。
 まあ私は大阪府民なので関係ないですが、いくらレース好きでもレース開催に賛成か反対か、という自分の趣味だけで他の政策全部無視して投票するようなことは絶対しない人間です。言い方悪いですが、たかが大多数が関心の無い物事の自分の趣味のために自分や子供たちの将来や他の住民に不利益を被らせることは絶対にあってはならない、とまず考えるタイプですので。みんなそうしろとはもちろん言う権利ありませんが、みなさんも選挙の意味はよく考えた上で大事な1票を投じていただければ幸いです。

 さて次戦は4月13日・14日にミザノでの2連戦。日産パワートレインが優勝して日本へ来たのと同様、マセラティーは優勝してイタリアのレースに臨むことになります。だが中身はフランスのDSだ。完全に常設サーキットのレースで、発表されたコース図を見るとコース序盤を一部短縮した以外はほぼそのまま使用するようで、1周3.381kmとけっこう長いです。早ければこのレースは初のアタックチャージ導入レースと目されていますができるんでしょうかね。


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