F1 最終戦 アブダビ

Formula 1 Etihad Airways Abu Dhabi Grand Prix 2023
Yas Marina Circuit 5.281km×58Laps=306.183km
winner:Max Verstappen(Oracle Red Bull Racing/Red Bull Racing RB19-Honda RBPT)

 長い長いシーズンのF1もようやく最終戦アブダビです。NASCARのクラフツマン トラック シリーズと同じだけのレース数をこの規模の人員と機材が世界を転戦してやるんだからやっぱりちょっと多すぎる気がしますね^^;
 既にドライバー選手権の1位~3位とコンストラクターズ選手権の1位は決まっているものの、コンストラクターズ2位のメルセデスと3位フェラーリは僅か4点差。そして前戦で結局誰も加点できなかった7位以降の争いもまだ続いています、元々の点数が少ない人たちの競争なので、うっかり誰かが偶然4位とか5位とかになるとごっそりひっくり返りますからね。

・レース前の話題

 来年に向けてF1組織側での議論が行われ、スプリント制度などいくつかの規則について変更を求めることで合意したと伝えられました。当初は2024年から廃止されることになり、後に施行が1年延期されることになったタイヤ ウォーマーに関して、さらに1年延ばして2025年も維持することやタイヤの配布数を削減するATA方式は採用しないこと、カタールGPのような酷暑でドライバーを冷やすための技術的な規則変更などが採択されたようです。
 肝心のスプリントに関しては何をどう修正するのかが発表されていませんが、これらの内容はFIAの世界モータースポーツ評議会で承認を受けると正式に規則として定められることになっています。

・フリー走行

 今回は各チームが比較的よく知るコースで、FP1の開催時間は昼間なので予選・決勝との関連性も相対的に低くてあまり情報が役に立ちません。路面も砂でグリップが低いし、FIA F2の最終戦が併催ということもあって色々好都合なので、規則で定められた『新人さんにフリー走行させなさい規則』をまだ消化していないところが一斉に新人さんをFP1で起用しアルファタウリ以外の9チームから計10人が走りました。アルピーヌのジャック ドゥーハンはピットに入ろうとしていたローガン サージェントと高速で衝突しかけて「人生最大の事故になりかけた!マジかよ!」とF1の洗礼(?)を浴びました。
サージェント「ドゥーハンがギリギリで来るから・・すまん」

 フェラーリはシャルル ルクレールがFP1だけロバート シュワーツマンに車を貸し出しました。一方カルロス サインツはFP1を走って7位、からのFP2でしたが開始早々に凹凸に乗った拍子に制御を失ってクラッシュ。前戦では排水溝の蓋という不可抗力でしたが今日は普通の道路でした。これで車両回収とバリア修復に時間を取られ、せっかく再開したらニコ ヒュルケンベルグがクラッシュしてまた赤旗。夜の時間帯の貴重な調整機会はあまり走行できないまま金曜日が終わりました。

・予選

 FP3でも最下位だったサインツ、調子が悪いのかなんと16位でQ1敗退。ルイス ハミルトンも「何か車がおかしい」と11位でQ2敗退、メルセデスはハミルトンとジョージ ラッセルが予選の年間対戦成績を11勝11敗の引き分けで終えました。ハミルトンが頑張ってると捉えるか、衰えたから半分しか勝ててない、と捉えるか難しいところですが、色々実験的セッティングを試したりもして年長者の役割もしてるでしょうから私は前者かなと思います。
 ピレリ ポール ポジションはマックス フェルスタッペンで、フリー走行では車に不満だらけだったはずが走ってみたらなぜか速かった、という感じでお約束の順位。2位は0.139秒差でルクレール、3位オスカー ピアストリ、4位はラッセル。フェルスタッペンとポールを争う筆頭候補とみられたランド ノリスは最後のアタックで思いっきり失敗して5位となり、続く6位はなんと角田 祐毅でした。なぜか1年目からここが得意な角田、これが予選の自己最高位です。
2回目のアタックはちょっと自己べに届かず未更新

 ノリスは低速区間に入ったターン13で完全に滑ってしまいましたが、その手前のターン12に突っ込みすぎてラインを外れていたのがきっかけに見えました。カタールでも最終コーナーでとっ散らかっていたノリス、これまでは速さも安定感も抜群でしたが、ようやく初めて上位を争える状況になってきたことと、予選に関してはピアストリが急速に伸びてきていることが影響してるのか、行けるかも!と思った時に力んで失敗する場面が少し増えた印象を受けます。
 むしろ今までそういう若さの出る場面が無かったことの方が驚きなんですが、この壁を乗り越えたら本当に勝てる時が来る気がしますね。マクラーレンにとっては、どうせレースになったらまだノリスの方が速いのでどっかで入れ替えないといけない、どうせピアストリが嫌がってちょっと揉める、というパターンが見えるので悩ましいですね^^;

・決勝

 スタートのタイヤはほぼ全員ミディアム、サインツなど3人だけがハードで逆張り戦略を採りました。ここ数戦ずっとそうかなと思いますがシグナルが消えるまでにちょっと間がある焦らし気味スタートで、最後尾のメディカル車両が真っ先に動いてジャンプ スタート状態だったのが妙に印象に残りました。一応あの車も信号は守らないといけないはずですよね^^;
一足先に加速して後ろ下がりになるDBX707


 1周目にルクレールがエナジー全力投入でフェルスタッペンに仕掛けていきましたが抜くことができずひとまず盛り上げどころ終了。その後ろではノリスがラッセルを抜いてマクラーレンが3位・4位になり、国際映像がスタートのリプレイを長めの尺で振り返っている間にノリスが前になりました。これでマクラーレン首脳陣は安心ですw
 ここからフェルスタッペンとルクレールの間隔はずっと1.5秒、それ以降はほぼ全員1秒以内の見事なDRSトレインが形成されますが、ラッセルがピアストリに対して攻撃を仕掛け始めたのでピアストリは自分のペースで走りにくくなり、ここで隊列が千切れていきました。角田からすると普通に行ったら徐々に前から離されるはずが、このおかげでまだギリギリDRSを拾ってる感じです。このコースはDRSがあると利益が大きいし、もちろん後ろから抜かれなくなるので他人のレースが時折自分にとってもすごく大事になりますね。
めっちゃ頑張ったけど届かず

 11周目、とうとうピアストリはターン6でロックさせる明確なミスを犯したため、次のDRS区間を使ってラッセルが追い抜きに成功。続いて角田もピアストリを攻め込もうかという雰囲気の中、角田の後ろにいたフェルナンド アロンソはなんと12周目にもうピットへ。これを見て翌周にピアストリもピットに入り、角田の前後は車がいなくなりました。ピアストリは辛うじてアロンソの前で合流、このあたりはまあ2ストップでしょう。
 動きは続いて14周目にノリスとラッセルも同時にピットへ、今季は史上最速ピットを記録して速さ自慢のマクラーレンでしたが、ここでタイヤ交換に躓いてしまいラッセルに逆転を許してしまいます。決してメルセデスのカスタマーなのでマクラーレンが手心を加えてワークスの選手権2位を助けたわけではありませんw

 次に動いたのはフェルスタッペンで、ルクレールとの差を2秒まで広げて16周目にピットへ。ルクレールは翌周に入ってギリギリラッセルに抜かれない場所で合流。これで角田が見た目上の先頭となったので、F1で初めてラップ リードを記録しました。日本人ドライバーによるラップリードは2004年ヨーロッパGP(ニュルブルクリンク)での佐藤 琢磨以来2人目の記録です。
 角田は結局カー ナンバーと同じ22周まで引っ張ってピットへ、誰よりも新しいハードに乗り換えましたがとりあえず見た目上は12位になり、しかもけっこうな集団の中に放り込まれました。角田はここから36周をハードでじゅうぶん行ける明確な1ストップ狙いですが、16周あたりで入った人が普通に2回なのか、実はそう見せかけて強行突破の1回なのかまだはっきりしません。

 抜きにくいため各地で接近戦が起きる中、ハミルトンは15周目にピエール ガスリーに軽く追突。ガスリーがミスったせいで予想以上に失速したからオカマ掘ったんだ、というのが彼の言い分ですが、ウイングの左端が壊れてしまって不満を口にします。なんとかなだめたいと思ったのか、第2スティントになるとトト ウォルフが直々に無線に出てきて「コース上でいちばん速いぞ」とか激励します。NASCARだとロジャー ペンスキーとか時々出てきますけど、F1で直々にレース中に無線に割り込んで来る代表はあんまりいないですね。「おいお前、ペースが0.3秒遅いぞ」とか代表が言い出したらパワハラになりそうです。
 方やオカマを掘られたガスリーもディフューザーが少し壊れたせいだと思いますがペースが上がらず、これに加えてチームメイトのオコンと作戦がだいぶ違ってアンダーカットされたのでとても起源が悪そうです。この2人はドライバー選手権で4点差の争いをしていますが、とりあえず今は2人とも入賞圏外。結局4秒差でオコン11位、ガスリー12位と仲良く無得点で最終戦を終え、ドライバー選手権はガスリー、オコンの順でした。まーるく収まりましたね。
メリメリ、バキッ

 ここからの焦点は誰が2ストップで誰が1ストップなのか、というところ。33周目に4位のノリスがまずピットに入って前のラッセルに揺さぶりをかけます。これを受けてラッセルも翌周に反応、本人は1ストップで行けそう感があったようで「本当に行けないのか?」と聞いたものの「まだ24周もあるから」と一蹴されました。ノリスの前でコースに戻って、飛ばせと言われたので飛ばします。選手権2位を守れそうなので、変に違うことして順位を下げたくない、というのもあると思われます。
 35周目にはもうフェルスタッペンからだいぶ離されてしまった2位のルクレールもピットへ、前の人がピットに入るたびに1ストップの角田は順位が上がっていきますが、ここからは速い人にほどほどに譲っていかないといけません。うまく譲ってたとえ直線1本でもDRSで引っ張ってもらって小さく積み上げると最後に順位1つ分に影響することもあるかもしれませんからね。ドライバーは常に全ての順位を全力で争っていると思っている方もいるかもしれませんが、時と場合によっては勝負せず譲ることも多々あります。大事なのは走り切った時に最良の結果を得るためにはどうすべきか、です。

 しかし自分の順位どころか走りながら他人まで気にかけられる人もいるもんで、フェルスタッペンは自分からチーム側へ「必要ならチェコを先にピットに入れてもええよ〜」と伝達、まあ別にアンダーカット圏には全然いないから関係ないんですけど、先週からやけにペレスを助けようとする姿勢を見せてきます。
 さらにラッセルは「ルイスは今どうしてるんだ?」と質問。コンストラクターズ争いの状況を知りたくて聞いたようですが、エンジニアのマーカス ダドリーは「今のとこ上手いことやっとるよ、自分のレースやっとる。」と返答。ラッセルはたまらず「そういう話ちゃうねん、チャンピオンシップは行けとるんか?」と聞き返しました。なおこの段階の順位だけで言えばフェラーリが逆転してるんですが、サインツはまだもう1回ピットに入る必要があって順位を下げることになるので、実質はメルセデスが2位を守っています。

 42周目、見た目上2位にいたペレスがここでようやくピットに入ると、たぶん1ストップでも関係なく勝ってしまうであろうフェルスタッペンも翌周にピットへ。ピット内で事故るようなこともなくルクレールの5秒ほど前方で復帰しました。ちなみにフェルスタッペンはフリー走行の際に渋滞を抜けるため、あのクソ狭いピット出口で前の車を抜きに行ってたようですね。
 角田はというと速い人に順次譲って6位になり、47周目にピアストリもここに到達。コンストラクターズを考えると6位ならウイリアムズを逆転、7位だと届かないので6位に優勝並の価値があるわけですが、さすがに残り周回数が多いし、いくらタイヤをもたせられないピアストリ相手とはいえ1ストップで2ストップに対抗するのは無理でした。この後アロンソにも捕まって8位となります。ひたすらお先どうぞ作戦。

 いよいよ2023年のレースも終わりに近づいてきますが、ここに来て謎の問題も発生。ハミルトンに関して『ピットでの違反についてレース後に審議』という情報が発信されたかと思えば、ここから立て続けに複数のドライバーに対して同じ文言でのレース後審議が発生しました。具体的な内容が書かれていない謎の審議が大量発生するフォーミュラEみたいなことになってますが、レース結果に影響を及ぼすインチキや危険行為があったとは思えないのでまあ罰金案件とかだろう、と解釈しておくしかありませんでした。
 レースの方は54周目、ペレスがラッセルを抜いて3位となりコンストラクターズ争いにも影響します。ラッセルが4位に落ちたらフェラーリが逆転で選手権2位になりますが、ペレスはここに来る道中でノリスと接触して5秒ペナルティーを貰っており、ここから5秒離されるまでの間はまだラッセルが3位です。するとこの状況を察知したルクレールが無線で提案。

「チェコとラッセルの差はどうなっとるんや。もしコンストラクターズで2位が無理っぽかったら、ちょっと争いに入ってもええぞ。」
「チェコとラッセルの差を教えてくれ!5秒以内やったら俺がスリップストリームで引っ張って最後に譲るから。」

 一体どこまでチームは教えていたのか分かりませんが、ラッセルを4位に蹴落とすためにわざとペレスを引っ張ってあげたり、もっと極端なことを言えば間に入ってラッセルだけブロックしてペレスを絶妙に逃がす支援をしたらコンストラクターズ争いに勝てる、という話です。自分はペレスの5秒以内にいれば2位は帰ってきますからね。う~ん、いらんことしてペレスに5秒以上離されて自分も3位になるオチが思い浮かんでしまうw
 最後の最後にえらい高度な頭脳戦と、頭脳を使っても何もさっぱり分からん審議の書類の山だけが積み上がって最終周へ。ルクレールが自分からペレスに譲りに行ったためにもはや競争放棄状態で、フェルスタッペンは18秒差を付けて毎年恒例の花火と共にチェッカーを受けました。

 フェルスタッペンはアブダビで4年連続のポール トゥー ウインを達成し、今季の通算ラップ リード数が史上初めて4桁に達する1003周となりました。年間19勝でシーズン平均順位は1.27(;・∀・)全戦入賞でリタイアどころか周回遅れにすら一度もなっていないため周回消化率は今年のドライバーで唯一の100%、用意された約6700kmの距離を全て走り切りました。あまりの圧倒ぶりに、もしライバルに涼宮ハルヒの憂鬱の主人公・キョンがいたら「もうどうにでもなれだ」とぼやきそうです。ハルヒだったらつまんなすぎて開幕戦まで時間を戻してしまい、人類は永遠の2023年シーズンを過ごすことになるでしょうか^^;

 ルクレールは予告通りペレスに譲ってみましたが、さすがにラッセルを最終セクターで鬼ブロックするまでの露骨な嫌がらせは行わず。結果ペレスはラッセルに3.9秒ほどの差までしか付けることができなかったため、2位ルクレール、3位ラッセル、4位ペレスとなりました。ペレスはペナルティーを受けたことに不満を示して無線でスチュワードを批判し、これが侮辱とみなされてレース後にまたお呼び出し&戒告を受けましたw
 ルクレールは前戦では勝てると思ったらフェルスタッペンとラッセルのいらん接触でSCが出て、その当事者のフェルスタッペンに逆転負けして優勝できず、そしてこの日はペレスがいらん5秒ペナルティーを持ってきたせいでチームの選手権2位も手に入りませんでした。普通は最強の対戦相手がミスったら自分たちが得することが多いはずなのに、全部逆だというのはいかにも今年の運が無いルクレールを象徴しているように思えてなりませんでした。

 ノリス、ピアストリ、アロンソと続き、角田は最終周のターン9手前でとうとうハミルトンにも内側に突っ込まれましたが、1台分しか空けていない内側に潜り込んだせいでハミルトン止めきれず。ターンの中でこらえきれず滑ってしまい、抜き返した角田がそのまま8位でチェッカーを受けました。チームメイトのダニエル リカードは15位スタートから序盤にブレーキ冷却口に捨てバイザーか何かが詰まったおそれがあったので僅か7周で最初のタイヤ交換を行うことになり、ペース自体は良かったものの11位で無得点。コンストラクターズ7位~10位の争いに変動は起きずアルファタウリは8位でした。

・謎審議の原因は安全装備

 レース後にようやく正体がわかったピット違反の内容、規則ではピット作業員についても安全のために色々と規則があり、その中には必ず目を保護するための装備を使用することが義務付けられていました。普通はヘルメットのバイザーがこれに該当するわけですが、このレースは夕方から夜になるレースなので、眩しい時間に備えたバイザー色だった人が夜になった2回目の作業の際に見えにくくてバイザーを上げてしまい規則に違反した可能性が高いようです。
 なかなか前代未聞の話なのでスチュワードは全チームの担当者を集めて調査を行い、結果として処分を科すことはしなかった一方で、改めて安全最優先で規則を守るように伝えました。作業してる方も『バイザー上げちゃいけない』というのが規則で厳格に決まっていることをいちいち覚えてなかったのかもしれませんが、ドライバーと同様に最初は暗めの色の捨てバイザーを貼っておいて夜に剥がす、とかメットの下にゴーグルする、とかちょっとお金と手間がかかりますけどちゃんとしないといけませんね。今回は許してもらえましたけどたぶん次やったら罰則があることでしょう。


・1年を振り返って

 最初にも書きましたけどちょっとイベント数が多くてシーズンが長いですね。そんな中でフェルスタッペンのフェルスタッペンによるフェルスタッペンのためのF1でしたが、シーズン中盤からマクラーレンがアップデートで大躍進したことで『それ以外』の争いが面白くなり、時々フェルスタッペンにちょっかいをかけられるようになったので最後まで楽しめました。
 来年はここをスタート地点にして混戦になるのか、とっくに来年に向けて新しい道具を仕込んでいるレッド ブルが突き放してまた今年の開幕の状態に戻るのか、どっちに転ぶか分かりませんが前者だと信じて待ちたいと思います。角田はアルファタウリ、から違う名前になるチームでもう4年目ですからさすがにこの中堅チームで5年目は無いと思うので、F1選手としての分岐点になると思います。こっちも車がどの水準から開幕できるのか気になるところですが、リカードが開発の良い仕事をしてくれていると思いたいです。あの鬼ブレーキをまた見たいですしね。
 
 メルセデスはゼロ ポッド思想からの脱却に遅れて自分たちでもまだ自分たちの車をきちんと理解できていない感じでしたが、ドライバー2人の総合力ならたぶん1番だと思うので、あの2人が優勝争いで喧嘩する姿を来年こそは見てみたいです。フェラーリはルクレールがあまりに気の毒だったのでちゃんと壊れずに走ってちゃんと作戦を立ててあげて欲しいですが、ちゃんと走ったらフェラーリじゃない気もするので、結局どっちに転んでも美味しいということになります(謎)
 マクラーレンはピアストリがなかなかの大物感を出していたのが印象に残りました。レースでまだまだ負けているピアストリが2年目になってレースのやり方を習得したらノリス的にはかなりの脅威になりますから、チーム内の争いがいちばん楽しみなチームです。でもノリスにはぜひ1勝してもらいらいですね、『優勝していないドライバーとして史上最多表彰台記録』ばっかり伸びるのもこれまた面白いけど気の毒なのでw

 下位チームではやはりアレクサンダー アルボンが27点も獲ってドライバー選手権13位、チームをコンストラクターズ7位に導いたのが印象的でした。過去5年で4度がコンストラクターズ10位で、7位以上になるのは2017年以来。もちろんチームとして財政面も開発面も立て直しを進めた成果ですが、時に異様に長い周回数をタイヤを換えずに走って、あとは直線番長を活かして抑え込んでどうにかする、というこの車で入賞するために必要な走りをアルボンが体現してくれたおかげでもあると思います。こういうドライバーは大事にしたいですね。

 そして今年からさらにややこしく大掛かりになったのがスプリント、お客さんが毎日イベントを見れて良いじゃないか、という賛成意見も多いと思いますが、私は色々盛りすぎてF1という規模の興行に見合っておらず、選手もスタッフさんも負担が大きすぎて運営がただ肥大化して儲かるだけの仕組みに映るのでやっぱり反対ですね。
 とりあえず『スプリント シュートアウト』『スプリント』という名称からしてややこしくて、昔のフォーミュラニッポンで2ヒート制レースをわざわざ『ファースト スプリント』『ファイナル スプリント』とか大げさな名前で呼んでたぐらいにちょっと滑ってる気がするので、もうちょっとすっきりした名前にしてはもらいたいですw

 F1GPニュースの放送が12月1日ですがあまりに勿体ないので11月末でフジテレビNEXTを一旦解約しましたが、解約したら『来年2月からまたF1放送やるけど今から2月の再契約にサインせんか?』みたいな確認画面が出て来たので「誰が今するか~い」ともちろんお断りしました。そもそも2月ってテストちゃうん?と思ったら開幕戦バーレーンのフリー走行が2月29日なんですね。で、最終戦のアブダビ決勝は12月8日。もうシーズンの長さもNASCAR超えてるやん・・・
(っ ◠‿:;...,

コメント

Cherry さんのコメント…
なんだかんだ結末はわかってるのにみてしまった最終戦、角田くん頑張りましたね〜
取り敢えず来シーズンはリカルドフルボッコにしてランドに折られたメンタルもう一回へし折るくらいの走りを見せて欲しいですw
で、問題のここ数年シーズン開幕戦に振り出しに戻るのを繰り返してるマクラーレンが振り出しに戻らずにRBにどれだけ噛み付いてあわよくば噛みちぎれるかが気になりますねw取り敢えずランドとオスカーには来年だけでもエゴよりチームワークを優先していただきたいところです笑
SCfromLA さんの投稿…
>Cherryさん

 マクラーレンにはもう振り出しには戻らないでほしいですねw 予算制限とコンストラクターズ上位ほど風洞実験の時間が制限される規則がどの程度レッドブルの重しになるのかが来年蓋を開けた時のテーマだと思いますが、最強メルセデスが堕ちるのにかかった時間を考えるとそうそう簡単には崩せないのが現実でしょうかねえ。オリジナリティーを出そうと変なことして大失敗するようなことも彼らには無いでしょうしw