NASCAR Cup Series
Bank of America Roval 400
Charlotte Motor Speedway Road Course 2.28miles×109Laps(25/25/59)=248.52miles
winner:A.J.Allmendinger(Kaulig Racing/Celsius Chevrolet Camaro ZL1)
NASCAR カップ シリーズ、プレイオフ第2ラウンドの最終戦・シャーロット、6回目の開催となるローバルでのレースです。以前にもお伝えした通り、今回のレースではガイコ リスタート ゾーンが最終のシケインに設けられているので加速した直後に左に曲がる変な場所に変更。そして何も起きずにレースが流れるのを嫌ったか、ロード コースでは今年から廃止されたばかりのステージ間コーションがあっさりと復活しています。大事なのはもちろんプレイオフ順位、レース前の時点で順位は
こうなっており、当落線近辺にブラッド ケゼロウスキー、タイラー レディック、バッバ ウォーレス、ロス チャステインが集まっています。今回ステージ間コーションが復活していますので、優勝を狙いたい人は基本的にステージ終了2~3周前にピットに入って次のステージを前方からリスタートすることを考えるはず。そうするとステージ ポイントはステイ アウトさえすれば比較的取りやすくなるので、レース中に獲れるものは獲るのか、いやいやリスタートで集団に埋まってレース順位が悪かったら意味ないでしょ、とピットに入るのか、クルー チーフは脳みそフル回転です。
なお、陰に隠れていますがオーナー ポイントのプレイオフではチェイス エリオットのNo.9 ヘンドリック モータースポーツが進出して競っており、現在ベルと同点の4位にいるので次ラウンド進出濃厚となっています。
・レース前の話題
前戦タラデガで2位に入りながらレース後車検で失格になったケビン ハービック。NASCARのマネージング ディレクター・ブラッド モーランがこの週末に記者に対して事情を説明。彼の説明によるとハービックのフロント ウインドウをレース後に確認したら、上部にある8本のうち7本ものボルトが欠落、ないしは緩んだ状態になっていて一目で異変に気付くような状況だったとのこと。レース前には全て装着されていることが確認されており、なぜ緩んだのかは分からないものの、規則違反は明確でした。空力性能どうこう以前に危ないですね。
一方、前戦では最後に事故に巻き込まれたもののなんとかプレイオフの危険水域からは浮上したカイル ラーソン。来年アロウ マクラーレン SPからインディアナポリス 500に出場する予定となっています。インディーカーに出たことが無いラーソンは新人研修みたいなものに出ないといけませんが、これが今週のレースを終えた後の10月11日~13日に開催されます。本番はインディー500からコカ コーラ600へ急いで移動するので大変ですが、参戦前の準備段階で既にめっちゃ忙しいですね^^;
そしてレガシー モーター クラブの今週の代走ドライバーはマイク ロッケンフェラー。今季3度目の登場となりますが、来週以降の残る4戦ではふたたびカーソン ホースバーが代走を務めることが発表されました。俄然注目度が高まるホースバー、今週はクラフツマン トラック シリーズも無いので久々にお休みです。
・Xfinity Series Drive for Cure 250
プレイオフ2戦連続クラッシュで崖っぷちだったサム メイヤーがポールシッター。今季ロードコースで2勝と自信を持つメイヤーはステージポイントには目もくれずにステージ終了前にタイヤを換える王道作戦で挑みます。
レースは終盤のコーションで残り8周、かなり古いタイヤでステイアウトしたジェブ バートンと、メイヤーとは作戦が異なるジャスティン オールガイアーを1列目にリスタートしましたが、無理したバートンがターン1を曲がれずオールガイアーごと壁に突っ込むローバルあるあるを披露w
これで前の車が消えたメイヤーはコール カスターとの争いを制し、逆転でプレイオフ次ラウンド進出を決めました。メイヤーの勝利で当落線が1つ繰り下がったポイント争いは結果的に7位から10位までが僅か7点差という大混戦でしたが、惜しくもダニエル ヘムリックが2点差、パーカー クリガーマンが5点差で8位に届かず脱落となりました。ここにバートンとジョッシュ ベリーを加えた4人が脱落です。
・予選
カップシリーズの予選はレディックがブッシュ ライト ポールを獲得。0.114秒差で2位にクリストファー ベル、3位からダニエル スアレス、ウォーレス、カイル ブッシュのトップ5。ロードコースといえばこの人、A.J.アルメンディンガーが6位で続きました。ラーソンはなんと練習走行でクラッシュしてしまい、予備車両に乗り換えて最後方からのスタートになりました。前戦で安心しかけたのに、これはちょっと焦ります。
・ステージ1
レディックは右側・最終のターン17で外になる位置取りを選択してスタート。内側リスタートはターン1でも内側を取れる反面、旋回半径がものすごく小さいので蹴り出しが難しい様子、ベルはいきなりズルっと滑ったのでレディックが悠々とターン1を制しました。このリスタートゾーンはこの先もクセモノになりそうです。
といってもステージ1でリスタートゾーンの出番なんてそうそう無いものでレディックとベルが1秒前後の差で独走。ウォーレスもここから2~3秒離れた3位で前後に人が居ない独りぼっち走行となって健闘しています。元々ロードコースはそんなに得意な印象が無いだけに放送席からもえらく賞賛されてますね。
17周目、ケゼロウスキーが最終シケインでミスってターン17の縁石よりも4輪全てが内側を通過。走路自体は白線ではなく縁石まで認められているNASCARですが、4輪全て走路外に出た場合は近所の安全な場所か、もしくは遅くとも次のシケインで完全に一旦停止して自主的に罰を受ける必要があります。ケゼロウスキーはこれをしなかったためパス スルーのペナルティー、ほぼ最後尾まで落ちました。これは痛い。
ステージ1が終盤に向かうと多くの車はピットへ向かいますが、リーダーのレディックはステージ勝利を狙ってステイアウト。一方2位のベルは逆を行ってピットに入りました。ステージ1はレディック、ウォーレス、チャステイン、マーティン トゥルーエックス ジュニアのトップ4で、大半のドライバーがピットに入ったためにベルはタイヤを換えた上でなんとステージ5位でした。さあ、得するのはどっちだ。
・ステージ2
まだピットに入っていない人はステージ間コーションで当然ピットへ。これでリーダーはベルの手に渡り、ピットに入ったレディックは12列目からのリスタート、ステージポイントに対する代償がけっこうでかいですが全体で利益にすることができるかどうか。
リスタートではお隣さんのダニエル スアレスがふらつきベルに軽く接触しましたが、大きな影響はなくベルがリード、チェイスがスアレスを抜いて2位となります。ロードコースでマネージメントが上手いドライバーは?と聞かれたら最初に名前が上がるであろう主役2人が揃いました。
チェイスは36周目にベルをかわして本日初リード、観客席からは歓声、というか女性のもはや叫び声に近い声援が聞こえてきます、アイドルみたいですね。後続のアルメンディンガー、カイルといった顔ぶれも付いてきていることを考えるとベルのペースがあまり上がっていない様子で、チェイスはあっという間に画面に映らないぐらい離れていきました。ベルはこの後4位に後退し、アルメンディンガーとタイ ギブスが2位・3位となります。
ステージ1では中団の車が早めにピットに入りましたが、ステージ2となると上位勢も少々タイヤが古くなろうと上位でリスタートしたいので早めの動き。ステージ残り7周で4位のカイルが上位勢で最初に動き、翌周にカイルの後ろにいたスアレスもピットへ、ところがスアレスのクルーは右後輪がまだちゃんとハマってないのにジャッキを下ろしてしまい、作業が躓いて大きく後退してしまいます。
一方、同じく残り6周で入ったギブス君はピット内でアルメンディンガーを逆転、ピット組で暫定2番目の位置を確保します。アルメンディンガーはステージ1でもピットで3つ順位を下げて無線でちょっとキレており、ここも抜かれてしまったのでピットを出てすぐにギブスを攻めまくりましたが、やりすぎると最終ステージで真っ先にタイヤがハゲるのでクルー チーフからなだめられました。
ステージ残り2周、ベルに8秒以上の大差を付けたチェイスがピットに入ろうとしましたが、なんとその直前にコーション発生。コリー ラジョーイが完全にミスってジョッシュ ビリッキーを押し出しクラッシュさせてしまいました。
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| ビリッキー「おいまてやめろ何をす☆△※グシャ」 ラジョーイ「すまん、そんなつもりはなかったんだジョーイ」 |
チェイスはピットに入ろうと思った瞬間に入り口のライトが点いたので慌ててピット中止。ステージ順位を捨てて最終ステージを先頭からリスタートするはずが、これで欲しくもなかったステージ勝利を得てしまい、ベル、デニー ハムリン、レディック、ラーソン、チャステイン、ウォーレス、トゥルーエックスとプレイオフ選手が8位までを占めました。上位勢がピットに入ってくれるのでステイアウトしてポイントを、と思った人はロクにポイントがもらえないし、ラジョーイのせいで想定外に作戦が崩壊ですw
ピット組の最上位はステージ10位のカイル、チャンスが転がり込んできた!?
・ポイントの状況
ステージ2を終えた段階でハムリンはポイントによる次ラウンド進出が確定。当落線近辺はというと
| 5 | Martin Truex.Jr | 3085 | +21 |
|---|---|---|---|
| 6 | Kyle Larson | 3079 | +15 |
| 7 | Chris Buescher | 3077 | +13 |
| 8 | Tyler Reddick | 3075 | +11 |
| 9 | Babba Wallace | 3064 | -11 |
| 10 | Ross Chastain | 3063 | -12 |
| 11 | Brad Keselowski | 3060 | -15 |
| 12 | Kyle Busch | 3038 | -37 |
ステージポイントを全然取れていないRFKレーシングの2人が相対的に順位低下、レディックは17点稼いだおかげで当落線よりかなり上になり、ウォーレスはステージ1で9点獲ったものの、ステージ2で埋もれた上にエンジンの不調も訴えておりスタート前と差し引きゼロな感じ。ケゼロウスキーが点数も無ければ順位も無くて速さも無いかなり苦しい状況です。当落線の上にいる人はどちらかというと順位を下げないリスク管理に考えが割かれそうです。
・ファイナル ステージ
幸運を手にしたカイルがリーダーとなって始まった最終ステージ、アルメンディンガーがギブスを抜いて2位となってそのままギャンギャンにカイルを攻め込み、リスタートから4周後の58周目、バックストレッチでようやくかわすことに成功。カイルは少し車がルース気味な様子です。ステージ1でも滑って軽く壁にぶつけていたので、車の出来栄えとしては70点ぐらいでしょうか。
一方ステージ間コーションでピットに入ったチェイスは13列目あたりからのリスタート、映っていないところでレディックの方が前に出たらしくこちらがピット組の先頭になっています。60周目の段階でラーソンは21位とこちらも埋まり気味ですが、競争相手のウォーレス、チャステインがやはり下位なのである意味安心。トゥルーエックスも26位で埋まっていますが状況は同じです。ケゼロウスキーはこの頃10位にはいたものの、これ以上上げる余地が限られており見た目上の点差よりも立場は苦しくなっています。
このままではマズいケゼロウスキーは残り42周で真っ先にピットへ。燃料ウインドウギリギリでの先手ですが、戻った場所はえらく混雑したところ。これだとアンダーカットにはあまり役に立たないのでコーション期待という意味合いの方が強そうです。なお、この前の周にはチェイスもピットに入りましたが、こちらは作戦ではなくパンクが原因でこのままだと最後まで走る燃料がありません。
70周目・残り39周、AJから3秒以上離されたカイルがピットへ。するとその横のシケインでマイケル マクダウルが縁石に乗った拍子にパンクしたらしく急失速、マクダウルを避けようとしたハムリンがスピン。このスピン自体はすぐ復帰したので問題なかったものの、マクダウル自身はそもそもパワステが壊れている上にパンクした車で丸々1周しないといけないので、これはコーションがいつ出てもおかしくない!と一斉に各車がピットに飛び込みました。SUPER GTで近年よく見る光景ですねw
結果的にこの心配は杞憂に終わり大山鳴動して鼠一匹、といったやつでした。ブレイニーだけは今日むちゃくちゃ調子が悪いし、先週既に勝っているのでみんなと逆をやってステイアウト、見た目上は先頭を走ります。2位に実質リーダーのアルメンディンガー、続いてカイル、ギブス。カイルは去年まで自分が乗っていたインターステイト バッテリーズのカムリに追い回されます。
しかし鼠さん1匹で終わったと油断した76周目、さっきのスピンで後方にいたハムリンがターン16の進入でタイ ディロンを抜こうとして全く止まれずスピン、ここにロッケンフェラーが突っ込んで多重事故になり3回目のコーションとなりました。既にステージ2を終えた段階で次ラウンド進出が決まっていたからいいものの、右リアのトー リンクを折ってしまいリタイアです。うむ、さっき急いでピットに入ったのはある意味正解であったw
ブレイニーはちょっとがっかり、当然ピットへ入って後方に下がり、79周目にアルメンディンガーとギブスの1列目でリスタート。ここでギブスがリスタートを決めてリードを奪いますが、バックストレッチに向けてAJも逆襲しシケインでリードを奪い返します。
中団はリスタート直後から格闘戦で、この周は中団でオースティン ディロンとラジョーイがターン4でスピンを喫すると、続く80周目もターン2で3ワイドの争い発生。外側にいたエリック ジョーンズが弾き出されてスピンし、壁に跳ね返ったきたところにマクダウルがまともに突っ込みまたまたコーションとなります。トゥルーエックスはこの2件の事故がいずれも目の前で起きましたがなんとか避けました。タイヤと心臓には良くないですね。なお、パワステは壊れるしパンクするし、挙句の果てに貰い事故でボンネットもへしゃげたマクダウルですがそれでもレースを続行し、きちんと109周走り切って32位でした。
ローバルらしいコーションがコーションを呼ぶ展開、なんかLAコロシアムっぽいな、とかちょっと思ったりしつつ83周目にリスタート、今回はアルメンディンガーがリスタートをきっちり決めましたが、2周後にアンディー ラリーがターン1で単独クラッシュ。ラリーは逆走してピット側へ逃げたものの、残念ながらピット出口でそれ以上動けなくなったのでコーションとなりました。ここでケゼロウスキーはピットへ、コーション連発で新しいタイヤが活躍してくれることに望みを託します。
88周目にリスタート、ここもAJが好発進し、3位のカイルがギブスに対してどけやオラ運転を見せますがギブス君も全く動じずに2位に居座ります。するとバックストレッチで悲劇、3ワイドで争っていたスアレスがブレーキで突っ込みすぎて、前にいたオースティン シンドリックに追突。スピンしたシンドリックが今度はウォーレスを撃墜する連鎖反応で、ウォーレスはスピンさせられた上にシケイン不通過なのでフロントストレッチでペナルティー消化も強いられほぼ最後尾へ、この後タイヤを換えにピットに入りましたがもう生き残りは絶望的。
さらに92周目にはケゼロウスキーがターン16でチャステインを抜こうとして完全にミサイル。チャステインはよくミラーを見ていてこれを回避したものの、シケインを通過していないのでそのまま自主ペナルティーへ、ケゼロウスキーも自主ペナルティーです。脱落圏でもがくドライバーに損失が膨らみ、上にいる選手に楽をさせてしまいました。
チャステインもどうせこのままでは無理だしタイヤを傷めたのでピットに入りますが、なんとこれとほぼ同時にターン8でチームメイトのスアレスがクラッシュ。後ろにいたベルが車間距離を詰めすぎてしまい、ちょっと雑に吹っ飛ばしたような感じでした。チャステイン、もしこのコーションで誰かピットに入ってくれたら順位がいくらか帰ってきます。最後の奇跡を起こせるか。
97周目・残り13周でリスタート、どうもコーションでタイヤ内圧が下がると苦労するらしいギブスが大失敗しカイルがターン1で2位を奪取、すると直後にリッキー ステンハウス ジュニアの車からえらい火が出ており即座にコーションとなりました。あっという間に車内にも煙が充満していたようなので、ステンハウスが無事に素早く脱出できてよかったです。右側はさっきジョーンズにぶつけた箇所なので、排気管出口付近で何か壊れて内部に熱がこもったとかでしょうか?
いよいよカイルが2位となって嫌な予感しかしない残り10周のリスタート、カイルは一か八か的な踏み方をして滑ってしまい、逆にウイリアム バイロンにかわされます。2位に上がったバイロンはそのままアルメンディンガーを追走、リスタート連発でタイヤを使わされたAJはややルースなのに対し、バイロンはずっと4位で様子を見ていたのでまだタイヤが残っている、という印象を受けます。AJはミラーを見て走ることを強いられ、カイルとするとここに最後の希望がありそうですが残念ながら付いていくことができず、むしろ去年の自分の車にまた追い回されています。
アルメンディンガーは時折ブレーキで後ろの設置感が薄れてふらついており、シケインも全力で縁石ノリノリ走法といっぱいいっぱいなのは明らかでした。それでもギリギリの線で車をラインにきっちりとどめて最終周へ。もし相手が勝利を必要とするプレイオフ選手なら最後にどうなったか分かりませんが、既に次ラウンド進出を決めているバイロンなので怪しげな雰囲気は無し。
アンソニー ジェイムス アルメンディンガー、41歳のベテランが最後まで集中力を切らさずに逃げ切り、2021年インディアナポリス以来となるカップシリーズ通算3度目の優勝を果たしました。
「またいつできるか分からないからさ。コウリッグ レーシングのみんなをとても愛している。まずは美しい妻と生まれたばかりの息子へ、いつもはこのチェッカー フラッグは手放してしまうんだけど、これは巻いて帰らないとね。」
「母、父、家族、友人たち、彼らは私たちが苦しんでいるとき、私がどれだけ苦悩し、どれだけ肩に力が入っているかを見てくれてた。そして、それこそまさに世界を意味するんだ。こんな風に泣くのは嫌なんだけど、カップレースは大変なんだ。またいつ何が起こるかわからない。よっしゃ行くぞ!」
その苦悩がこの優勝の瞬間に価値をもたらすのか?と聞かれると
「それ以上さ、だからやるんだ、これこそ唯一の理由さ。戦うんだ。血と汗と涙と、コウリッグレーシングのみんなと。うまく行かない年、浮き沈みの激しい年だった。カップシリーズに参戦して2年目なんだ。一緒に戦ってくれているセルシウス、ニュートリエント アグ ソリューションズ、アクション インダストリーズ、リーフ フィルターズ、全てのパートナー、シボレー、ECR、とりわけマット コウリッグとクリス ライスには、自分たちに尽力してくれた全てのことに対して感謝しきれないよ。スパルコ、アライ ヘルメット、コービー コンセプツ、みんなそうだけど、特にマットとクリス、みんな愛してるよ。」
思い浮かぶパートナー全ての名前を挙げて興奮気味に感謝を述べたアルメンディンガー、ただこれとは別に厳しい現実もあります。どうやら彼はスポンサー資金で苦戦をしているようで、チームは来季に彼をエクスフィニティーへ戻すことを基本線にしている模様。コウリッグはエクスフィニティーで走らせているチャンドラー スミスと3年契約を結んでいるので、じゃあスミスが昇格か?というとスミスはどうやらジョー ギブス レーシングからお声がかかっているらしく、JGRがコウリッグとの契約を買い取ってしまって移籍する可能性もある模様。
現在リチャード チルドレス レーシングからエクスフィニティーに参戦しているオースティン ヒルが加入するという噂も出ていましたが、彼はリチャード チルドレス レーシングと複数年契約したと8月に発表したばかりなのでそう簡単に話が変わるのか謎。結局のところあまり財政が盤石ではないコウリッグにとってお金が重要なようなので、勝ったことで企業が興味を示してくれればまたアルメンディンガーに違う未来も訪れる可能性がゼロではないようです。
正直チームとすると、ロードコースのどこかで勝ってプレイオフに進出し、オーナー順位16位以内を決めて分配金を多く貰えるようにすることがAJに期待していたことでしょうから、その点で必ずしも彼の今季の成績に満足はしてないと思います。ただ今回こうしてカップで勝てる力があることを改めて見せましたから、他のドライバーの動向次第ではひょっとしたら『もう1回AJに託してみよう』という結論が出るようなこともひょっとして起きたりしないかなあ、とついつい肩入れして思ってしまいます。
現実問題として、車の基本的な仕上がりの差も込みで今のカップにはAJと同等以上にロードコースで走れる人がたくさん出てきてしまっているので、10年前のようにロードコースで速ければチーム差を覆せる時代では無くなっているんですが、まだまだ負けてはいないと思います。
レース結果に話を戻すと、2位にバイロン、3位カイル、4位にギブス。ギブスの4位は自己最高位で今季4度目のトップ5フィニッシュ、いずれもここ12戦の間に記録されています。プレイオフ選手ではレディックが6位、ブッシャーが7位、チャステインが10位でした。最終ステージになった安全策で道を譲りまくっていたラーソンは13位、トゥルーエックスは20位とちょっとしょっぱい結果^^;
このラウンドで脱落したのはチャステイン、ウォーレス、ケゼロウスキー、カイルの4人。トゥルーエックスとチャステインの間には結局12点の差がついており、ステージ2までの段階でほぼ決着が付いてしまった形です。今季抜群の安定感だったケゼロウスキーがここで落ちてしまったのは個人的にけっこう意外、タラデガでの一瞬の判断が当落を大きく分けましたね。カイルはやれることは全部やったのでこの日に関してはもう仕方ないです。
レースとしては、復活したステージ間コーションがお馴染みのロードコース作戦を呼んで、と思ったらそこにまさかの落とし穴があったので結果的に盛り上がりました、チェイス応援団はがっかりだったでしょうけど、オーナー選手権では無事に次ラウンドに進んだので『隠れチャンピオン』の可能性はまだあります。ただしプレイオフ ポイントが殆ど無いので4002点の8位スタートとなっており、最終戦に残るにはけっこう頑張るか勝たないといけません。
一番良い車を持っていたのは中団リスタートでも自力で順位を上がられるだけの力があったレディックだったかなあと思いますが、結果としてはステージ1から1位、4位、6位でこのレース最多の48点を稼いでうまく勝ち抜けることに成功。対照的にウォーレスはステージ1で9点を獲りにいったことでその後がガタガタになってしまったので、作戦の難しさを感じました。結果論で言えばステージ1で先にピットに入ってもステージポイントは獲れたので、突っ切ったのは失敗だったかもしれません。ステージ間コーションが無ければ、と一番思ったのは彼じゃないかと思います。
さあ、いよいよ次戦からの3戦は最後の4人を決めるための最後の関門。高速1.5マイルのラスベガス、大外ライン大好きクラブとタイヤ摩耗管理の上手い人が強いホームステッド、そして最後はひたすら殴り合い・0.5マイルのマーティンズビルです。ふなっしーはまだちゃんと生き残っているので、脱落したケゼロウスキーにも手伝ってもらいながら最後の4人に残ってほしいなっしー!


コメント
2021年のインディロードの時みたいにスポットで勝てるんだから
フル参戦に戻った今年は複数勝利も狙えるかと思ったらまさか今シーズン最後のロードコースまでかかるとは思いませんでした。
来年のシートがまだはっきりしていない状態なので、なんか複雑な気持ちもあります。
カップ戦でのオーバル初勝利も見たかったのもありますが、
ペンスキー時代にドーピング問題を起こしたのがやっぱり勿体なかったのかなと。
アンブローズ、モントーヤ、AJと3人もロードコーススペシャリストがフル参戦していた時の頃を思い出しました。
それが今はベル、スイカ、スアレス、レディック、SVGとカップ戦初勝利をロードコースで飾るドライバーがこんなにも増える事が驚きです。
レディックに至ってはもうロードコース3勝ですし。
カウリッグも来シーズンは、ヘイリーのリックウェアレーシングの移籍が決まっているのもあってドライバー一新?になりそうな感じがあるのでヘムリックともう1台は誰になるか?と言うところが楽しみです。
シーズン終了のお知らせ.....。( ´•ω•` )
ご想像の通りタラデガはスーパー早送りでした..。
また来年パワーアップして戻ってきてくださいな。
アルメンディンガーの優勝は、嬉しいけども、カップで来年は厳しいか。あれだけ喜んでたので、残って欲しい気はするけれども、やっぱりロードで強いドライバーが多いので、簡単には勝てませんね。
ラーソンがプラクティスでクラッシュして、予選36位だったので、ラーソンが上にいたら、勝てなかったという気がします。去年のエクスフィニティでのロードコースの全勝を阻止したのは、ラーソンだったから、ラッキーだった、と思ってます。
レディックやらSVGやらロードコースの強者はいるけど、
これからもカップシリーズに出続けて欲しい所ではあります。
ただ、その裏で資金面云々で苦戦してるとは知りませんでした。
AJも好きなドライバーの1人なので、スポンサー様どうか来年もAJをよろしくお願いします!!!
p.s. そりゃ7本も外れてたらアカンですわw
レディックに関してはマーティンズビルで上位を走る姿が想像できないので、Round of 8はラスベガスとホームステッドで点稼ぎ、あるいは優勝できるかが鍵になると思っています。
ドーピングとかあるとスポンサーも付きにくくなるので、今の状況になる遠因といえるかもしれませんね。来年はインディーがオーバルに戻ってグレンはプレイオフに入ったので、勝ってプレイオフに入るための門は少し狭まったのもAJには逆風と言えそうです。加えて2025年以降のNASCARとチーム間の協定も定まってないから来年16位以内に入ったとしても、いくら分配金が入るのかすら決まってないですから、タイミングも絶妙にAJには不利な状態です。
「放映権料が増えたからオーナー16位でもこんなに分配金あります!」というのが先に決まってたら話は全然違ってくるので、タイミング的にもAJはすごく運が無いですね^^;
早送りしたタラデガは音速の戦いでさぞかし迫力があったことでしょう()。でも浮き沈みがあったシーズンの中でようやくほどほどの攻め具合に光明が見えてきた印象もあるので、来年はまっささんも強くなって戻ってきてください、今回はタラデガの運の無さが全てでしたし🍉
ラーソンは埋まりすぎて本当のところこの日どのぐらい速かったのか全く掴めませんでしたが、AJは必要な場所で攻めて勝つべくして勝ったと思いますよ。たぶんラーソンはレディックほど速くは無かったと思うので、前から出てたら最悪ギブス君あたりと競り合って、結局危ないので安全運転してた可能性はそこそこあると思いますw
優勝したことで興味を示してくれる会社があるかどうかですよね。まだ最終決定はしていないと思われるのと、なんかスポンサーは多いのか後継候補の1人がタイ ディロンという噂なので、天秤にかけてチーム側が「やっぱりお金が多少かかっても使いたい」と思ってもらえるように残りのレースで少しでも上位で終えることが重要だと思います。
スアレスが事故った瞬間にチャステイン大逆転を一瞬想像しましたが、オーバータイムにもつれこんでたら実現してたかもなあと思いました、スイカは最後まで目を離してはいけないw
レディックはきっとホームステッドでラーソンとのミニ四駆対決になるはずなので、最後はレディックがリード、ラーソンが無茶して最後は軽く壁走りしながら帰ってくる決着になることでしょう。そしてラーソンの走りがNGなのかマーティンズビルの前に一悶着起きて・・・w(←ゲス)
今年はハムリンにチャンピオンになってもらいましょう!
リスタートでスピンしてもいいわぐらいの感じで踏んでいった(あわよくば「うっかり軽接触でAJ飛んでもいいわ」ぐらい思ったかもしれませんが)心意気は伝わってきましたね~。カイルもロードコース速いんですけど今の若い面々からすると一段下がって旧世代のドライバーかなあという印象なので、最後までよく戦ったと思います。ハムリン、とりあえずファイナルにちゃんと残ってもらいたいですね。