SUPER GT 第5戦 鈴鹿

2023 AUTOBACS SUPER GT Round5 SUZUKA GT 450km RACE
鈴鹿サーキット 5.807km×77Laps=447.139km
GT500 class winner:ARTA MUGEN NSX-GT 福住 仁嶺/大津 弘樹
(Honda NSX-GT/ARTA)
GT300 class winner:UPGARAGE NSX GT3 小林 崇志/小出 峻
(Honda NSX GT3/TEAM UPGARAGE)

 オートバックス SUPER GTはシーズン後半となる第5戦、夏休み最後の週末は鈴鹿の長距離戦です。といっても近年はもう新学期が始まってしまっている学生さんも多いですね。鈴鹿の450kmは今年2回目ですが、6月の鈴鹿は大事故で300kmちょいしか走れませんでした。そういえば、6月末発売のオートスポーツNo.1586では『次号ではあらためてこの事故について検証したい』と文章を結んでいたのに、No.1587には特に検証というような記事が無かったんですけどどこいったんでしょう(っ ◠‿:;...,


・レース前の話題

 今年はなんか多いような印象を受けてしまいますが、8月20日に開催されたスーパーフォーミュラ第7戦でスタート直後に事故が発生。ターン2の出口でスピンしたリアム ローソンの車が運悪くコースのど真ん中に向かって巻き込んで来たので、牧野 任佑、関口 雄飛がまともにローソンの車に乗り上げて車が宙に浮いてしまい、松下 信治もガードレールにぶつかる多重事故となりました。
 この事故で牧野は数か所を負傷した上に脳震盪のような症状が出たため、この日を起点に7日間は規定により走行禁止。そのためこのレースでは土曜日に走行することができず、日曜日の決勝だけ出走すると発表されました。SUPER GTは決勝前にも走行時間が少しあるのでそこで練習できるとはいえほぼぶっつけ。チーム国光に第3ドライバーは登録されておらず、予選では山本 尚貴が仮にQ1を突破したらQ2を走らず終わりになります。

 そして、前戦で車両火災に見舞われた2台のGRスープラGT。HOPPY team TSUCHIYAが短期間で復帰できないことは明白でしたが、8月23日にMax Racingもシリーズからの撤退を表明しました。元々、オーナーでオオノ開發の社長だった大野 剛嗣が昨年3月に急逝し、チームとしてどこまで活動するのか不透明な部分があった中での活動でしたから、高額な修理費用を捻出して活動を継続するのは難しかったと思われます。

・予選

 GT300クラスは第3戦の鈴鹿に続いてまたもSUBARU BRZ R&D SPORT(33kg)・山内 英輝がポール ポジションを獲得、GT300最多となる通算14回目となりました。2位はK-tunes RC F GT3(6kg)で、ドライバーはポール記録13回で並んでいた高木 真一でした。逆だったら高木さんが更新してたわけですが、タイム差0.5秒以上でちょっとお手上げな感じ。
ポールを獲るたびに激熱な2人

 3位には前戦で雨に泣かされたグッドスマイル 初音ミク AMG(9kg)が続きました。ドライバー選手権2位のリアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(100kg)が9位でなかなか怖いですが、荒 聖治が選手権1位となっているStudie BMW M4(100kg)も13位とそれなり。こちらは開幕戦以来となるブルーノ スペングラーの登場ですが、4か月ぶり、かつ初めての鈴鹿で車が前回乗った時より100kg重いってかなり無茶苦茶な状態w

 一方GT500、Q1では1位と2位、6位と7位がそれぞれ同タイム、12位と13位も0.001秒差、というあんまり聞いたことのない僅差が発生。迎えたQ2では16号車のARTA MUGEN NSX-GT(32kg)・福住 仁嶺がポールを獲得しました。2位は0.037秒差でMOTUL AUTECH Z(50kg)・ロニー クインタレッリ。福住は最終コーナーを内側で走る鈴鹿走りでしたが、ロニーは外側の通常のラインを走って計時していたので、もしインベタで行ってたら0.037秒はどうなってたのかな、とちょっと思いました。

 セッション終了時点での3位は8号車のARTA MUGEN NSX-GT(22kg)で、大湯 都史樹はミスってデグナー2つ目ではみ出して損しながらの3位だったんですが、残念ながら得しようが損しようが走路外へはみ出したらタイム無効が規則なので記録抹消、予選結果は7位となりました。繰り上がってAstemo NSX-GT(42kg)が予選3位でした。ドライバー選手権1位のNittera MOTUL Z(48kg/-3)が10位にいるのがこれまた怖いですw

・決勝

 事前に「元プロ野球選手の川上 憲伸がJ SPORTSの放送ゲストに来る」とは告知されていましたが、なぜかいざグリッド上に登場すると糸井 嘉男もいて茶番が始まるという謎の展開。超人・糸井は7月14日にエアバスターの販売元・三友商事の顧問になったと発表されたので招かれたんでしょうね。なおマッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号は12位スタートです。
 スタートは両クラスとも落ちついたもので、GT500はARTA・大津 弘樹、モチュール・クインタレッリ、アステモ・松下 信治のトップ3。8位スタートのSTANLEY NSX-GT・山本が立て続けに4つ順位を下げた以外は変動がありませんでした。
 GT300もBRZ・山内、K-tunes・新田 守男、初音ミクAMG・片岡 龍也が続きます。片岡選手と憲伸さんはゴルフを何度か一緒にやったことがある知り合いだそうですが、元々はどこで接点できたんでしょうね、やっぱり脇阪 寿一?


 GT500の先頭車両が5周目を終えて給油が可能となるとGT300ではいつも通りさっさと1回目の義務を消化する人、いわゆるスプラッシュ作戦が現れますが、なんとGT500でニテラZ・千代 勝正が6周目を終えてピットへ。燃料流量がかなり絞られているので集団走行は不利ですから、ややギャンブル的に仕掛けたと思われます。鈴鹿は燃料的には行けるんですけどタイヤ的にあまり早く動くともたない危険性が高くなります。

 上位は先頭を行く大津がクインタレッリを3秒ほど引き離し、4位のModulo NSX-GT(32kg)・伊沢 拓也がやや苦戦しているようで後ろに集団を形成しています。GT300も山内がひとまず独走の様子。すると11周目、DOBOT Audi R8 LMS(45kg)がダンロップコーナーの先で脱輪してコース外に停止、最低でもFCY宣告は確実という中で、ちょうど良い場所にいたARTAは大津をピットに呼ぶことに成功しました。
 他に6位のリアライズコーポレーションADVAN Z(10kg)も入りましたが、こっちは完全アウトで後に60秒停止ペナルティーを課せられ、しかも給油義務未消化扱いなのでピット回数も余分になってこのレース13位でした。クインタレッリと松下は入れそうな位置にも見えたんですが、ペナルティーのリスクを避けたのか、タイヤの摩耗を考えると早すぎたのか理由は不明。個人的にはNASCARと同じように、ピット入り口に固定カメラを置いて微妙なタイミングの車のシロクロがリプレイですぐ分かるようにしてもらいたいなと思います。

 12周目の終盤にFCYは解除されてクインタレッリがひとまずは先頭ですが、現段階だけを見ると大津が圧倒的に有利な条件を呼び寄せました。なおARTAのもう1台・8号車は8周目にピットに入る変化球を投げたものの、右後輪の交換に手間取った上にアウトラップではみ出し、しかも野尻 智樹はタイヤのグリップ不足に悩まされて圏外へと消えていきました。
 GT300では序盤からやや苦戦しているように見えた新田のペースがFCY解除後も上がらず片岡が2位となると、さらにBamboo Airways ランボルギーニ GT3(12kg)・坂口 夏月、JLOC ランボルギーニ GT3(24kg)・元嶋 佑弥、リアライズGT-R・名取 鉄平とみんなS字〜逆バンクの同じ場所で抜いていきました。

 山内は16周を終えてピットへ、SC警戒のやや早めピット作戦でこれが一番ベターなやり方だろうと思います。18周目には片岡もピットに入りますが当然ながらいずれもスプラッシュ組の後ろへ回り、1回目の義務終了組では14位スタートのmuta Racing GR86 GT(90kg)・堤 優威が先頭。このパターンで着実にポイントを稼ぐムータ レーシング、今日もハマるか。
 一方GT500は18周目にクインタレッリがピットに入ったものの、以降は動きがパタッと途絶え、暫くの間は松下が先頭となりました。次にピットが忙しくなったのは26周を超えてからで、松下は27周目にピットへ、塚越広大へ交代してピットを出ます。均等割りに近いタイミングですが、この場合どうしても先に動いた組に先行されてひとまずはコース上で順位を失いました。

 GT500は1回目のサイクルを終えてARTA16号車・大津、FCYで得したのもあってなんと40秒近い大差。モチュールZ・クインタレッリ、ニテラZ・千代となりますが、千代は条件が悪いのでここからは防戦。まずは32周目にDENSO KOBELCO SARD GR Supra(16kg)・関口 雄飛に抜かれると、その後もレース時間重視で譲るのではなく鬼ブロックを見せますが、さすがに限度があって34周目から35周目にかけて一気に5台に抜かれて10位まで転がり落ちました。
 放送席では野球人・川上憲伸を通してレーシングドライバーというアスリートを読み解くような会話が続きますが、千代は何と言うか『打たれてるけど投手が足りないから6回まで投げさせられた先発投手』みたいなことになって39周目にヨレヨレで2回目のピットへ。ここでようやく高星 明誠にマウンドを譲りましたが、さすがにこうなるとお手上げでこのレース12位でした。まあ普通に正面から勝負してもおそらく似た順位にしかなれなかったので、良い挑戦だったと思います。
 逆にデンソーサードは12位スタートから15周目の早めのピットが効いて3位に大きく順位を上げており、しかも後続を千代がけっこう抑えてくれたのでしばらくは単独で走れる環境を作ることに成功。逆にアステモリアルレーシングはこの渋滞の背後に回ってしまい、計算上は早くなる均等割りでもこれだと実損が多くてなかなか苦しい状況です。
3ワイドで左右から抜かれる千代選手、もう限界


 同じ頃、GT300ではスプラッシュ組の2回目のピットサイクルとなっており、ムータレーシングも37周目にピットへ。堤から平良 響へ繋ぎ義務終了組の先頭を維持します。

 GT500の上位勢は2回目のサイクルが早く訪れ、42周目にクインタレッリと塚越が同時にピットへ、ニスモは松田 次夫へ交代。1回目を18周目に行ったニスモはわかりますが、リアルレーシングは27→15→35というずいぶん不思議な組み立て、たぶん抜けないので予定を変えたんだろうなと思いました。チームからのレース後情報によると、やはり前に詰まってしまったので予定を変更したそうでかなり勿体ないスティントになりました。後ろが動いたので43周目にARTA無限16号車もピットへ入り大津から福住へ繋ぎます。
 事後情報では1回目で給油量を間違えてしまって燃料不足だったそうで、大津は燃費走行で耐えて帰ってきました。タンクがすっからかんなので給油時間でニスモより10秒以上余分に要してしまいましたが、元々が大差だったのでまだじゅうぶんな余裕があります。最近のJ SPORTS中継は1回目のサイクルが始まるとテロップにあんまりタイム差を出さなくなるので、第2スティントで差がどう推移しているかよく分からないので不便ですね、改善希望・・・

 GT300は41周目にBRZがピットへ、山内から井口 卓人へ繋ぎ、給油時間がそこまで長くないので平良の近くでコースに合流しました。さすがに平良には抜かれましたが、後ろにいたスプラッシュ組の2位・apr LC500h GT(27kg)・根本 悠生を冷えたタイヤで必死に抑え込んで実質2位を確保、正面からGR86との勝負になります。ただ、BRZはピットに入る直前には88号車ウラカンに並ばれるところまで追われており、こちらが均等割りに近い戦略のライバルになっています。

 と、GT500の50周目にバックストレートでリアライズGT-Rが脱輪、タイヤは転がるし車は130Rの壁に刺さるしで2度目のFCYになってしまいました。最近やたらと脱輪事故が多くて何か対策が必要な気がしますので、今度から脱輪した車はエントリー車名を強制的に脱毛に変更するペナルティーを課したらちょっとは抑止力があるんじゃないかと思います。脱毛OT R8 LMS、リアライズ脱毛メカニックチャレンジGT-R…

 アホな話は置いといて、このFCYを拾ったのがちょうど脱毛GT-Rの真後ろを走っていたバンブー航空ウラカンとUPGARAGE NSX GT3(60kg)でした。目の前で起きた状況を見てピットに飛びこみ、映像が無いですがおそらくは2台とも4輪交換して燃費の悪いウラカンをNSXが逆転したとみられます。さっきまで実質1位を争っていた平良、井口の遥か前方で合流してこちらが実質のトップ2になってしまいました。アップガレージは新人の小出 峻、ウラカンは松浦 孝亮が後半担当です。
気づいたら前に出れた

 さらに、FCY解除後の47周目まで引っ張ってピットに入った88号車のウラカンも、2回連続の後輪のみ2輪交換で作業時間を短縮、後半担当の小暮 卓史は平良と井口よりも前で合流して実質3位となり、BRZをオーバーカットした形です。でも使い古した前輪と新品の後輪をうまく使うという難度の高い仕事が必要です。
 ずっと平良に抑えられて決め手を欠いていた井口でしたが、50周目のスプーンで平良が周回遅れを抜こうとして少し絡んでしまい、その隙にようやくかわすことに成功、平良はこのあと根本にも抜かれてしまいました。あそこはタイヤ汚れますからねえ。

 61周目、ARTA8号車の大湯がヘアピンでDeroitte TOM'S GR Supra(16kg)・ジュリアーノ アレジを抜こうとして接触、これで8号車が右前輪をパンクしたようで白煙を上げ、そのまま走ってたら130Rを曲がれず飛び出してバリアに接触。大湯はハマらずに現場を通過したものの、バリアにかすって修復が必要だったのかFCYが出てしまい他のドライバーは一時休戦です。まだピットに入っていなかったPACIFIC ぶいすぽっ NAC AMGが絶好の機会を得てピットに入ったものの、残念ながらこのレース11位でした。

 翌周にFCYが解除されますが、GT300の3位争いでは小暮の加速が完全に遅れて井口が楽々とかわしていきました。小暮さん、ボタンの押し間違いじゃないですよね。。。一方チームメイトの松浦はずっと小出を追いかけ回しますが拮抗した争い。しかも、たまたまアップガレージのピットを映したら小林 崇志が「これ、最悪2位でも良しとするか、絶対優勝するのか(走り方を決めて決断しないといけない)」と喋りはじめたところだったので、何か苦しいんじゃないかという想像が膨らんでしまいます。さらにこれよりちょっとだけ早いペースで3位の井口が追いついてくるので結末が全く分かりません。

 GT500は福住が次夫との差を11秒前後でずっと維持してそのまま最後まで走り切り、ようやくNSX-GTは今季初勝利。ARTAと無限が連携したこの体制ではもちろん初優勝で、NSX-GTとして最後の鈴鹿を優勝で締めました。福住はGT500通算5勝目、一方の大津は初勝利です。

 2位はモチュールZで最終的に10秒差、給油量ミスでARTAの中盤が遅かったこととタイヤ摩耗でずいぶんと貯金を吐き出すんだな、と思わされましたが、なんとレース後車検でスキッド ブロックが規定以上に削れてしまったために不合格で失格となってしまいました。次夫選手、2か月半前に大クラッシュした鈴鹿で、50kgのウエイトを積んでの会心のリベンジだったはずがまさかの無得点、内容は充実してたのに何も手元に残らなくなってしまいました。
 これで繰り上がった2位はデンソースープラ、3位はENEOS X PRIME GR Supra(42kg)。それぞれ12位、11位からのスタートでしたが、最初のピットを15周目、17周目といずれも早めにしてコース上で順位を稼ぎそのまま走り切った形です。アステモはこれに続く4位で、逆に最初のピットで後ろに回ったらそのまま戻れなくなりました。

 鈴鹿はタイヤに厳しいのでできれば均等割りにしてタイヤを良い状態で、軽い車で走らせたいんですが、一方で特にGT500の鈴鹿は後ろに付いたらダウンフォースが抜けるせいもあってなかなか追い抜きはできないし、燃費走行も富士よりはごまかしが効くので前に出た方が有利になりやすいです。あとはチーム側がタイヤを何周なら大丈夫と判断し、実際にドライバーがそれを実行できるか、それとチームが持ち込んだタイヤがそういう想定になっているかというチーム力です。
 リアルレーシングは本来なら2位になれていたのが後手に回ってしまったと結果で見れば思いますが、手持ちのタイヤの具合とかが分からないので1回目を17周目あたりで済ませてしまう判断ができない材料がどこかにあったのかもしれません。第2スティントを15周で切り捨てた時点で、予定通りでないことだけはよく分かりました。

 GT300の方はタイヤがかなり厳しかったという小出でしたが、なんとか松浦を振り切りました。松浦が下手なちょっかいを出さなかったのか出せなかったのか分かりませんが、結果的に2台で良いペースで走ったので井口は上位2台を視界に入れたところでチェッカーが振られてしまいました。小林、小出組は開幕戦に続く今季2勝目。ドライバー選手権でもこの2勝による40点だけですが1位になりました。選手権1位だったM4は車がさすがに重すぎたか16位、リアライズGT-Rは脱輪リタイアでいずれも無得点でした。


 元々予選ではQ2で車に不具合が出て出走ができずに16位という不本意な位置からスタートしたアップガレージ。本来なら早めにピットに入りたい順位でしたが、手持ちのタイヤの制約で長距離はもたないかもしれないので均等割りにしたら、たまたまFCYがハマりました。FCYがなくてもペース自体は速かったので5位、6位あたりまでは来れたかなと思いますが、タイヤの制約が逆に幸運を呼びましたね。
 一方のバンブー航空ウラカン、1回目のピット作業では後輪交換だったのに、画面の端に見切れたその作業を見ると一度締めたナットをもう1回締めなおしているように見えます。レース後のコメントだとナットを落としてしまったようで、12秒ほど失ったそうなのでもし普通に行ったら勝ってたのでは、と思いますが、単純に12秒前方にいたらリアライズGT-Rの脱輪が自分の後ろで起きていてFCYでピットに入れていないので、これはこれでタラレバがきかない絶妙な出来事だったと思われます。

 今回は両クラスとも別々のタイミングのFCYが勝敗に直結しました。こういう結果になると『不公平だ』という声が散見されますが、大前提として完全に公平な制度は無理です。セミ耐久レースでは多少こうした運もレースの要素なのでそれを受け入れた上で見ないといけないでしょうし、現行制度もそういう意見を見ながら可能な限りSCによる極端な有利不利を無くすために導入された、という経緯があることは理解してもらいたいなと思います。
 最近のファンの方はご存じないでしょうが、かつてはSCが入ってもクラスごとの隊列整理は無かったので、SCがGT500の1位を抑えた時にその後ろにたまたまGT300の2位がいたら、GT300の1位だけぐるっと1周して隊列の最後尾に付くので再開時には『2位以降ほぼ全員1周遅れ』という絶望的なことが簡単に起こる仕組みだったんですよ、それから思えばどれだけマシになったことかw

 ただ、多くのファンが見ている競技ですので、運営側にはできるだけ説明をしてもらいたいなとは思います。3回目のFCYは車そのものは事故ってないので「どうして出たのか」と感じた方は多いでしょう、私も想像でバリアの確認かな、と好意的に解釈しているだけで実際は分かりません。
 台数の多い長距離レースのわりに中継映像が捉えられている場面も限られていて見えていない場面での物事も多いですし、こういう理由でFCYを出しました、こういう理由だったのでSCが必要ないと判断しました、こういう出来事でペナルティーを課しました、こういう事情があったので出しませんでした、そういった説明はできるだけ早い段階で、よく見える形で発信していただいた方がよりファンが納得感を持って観戦できるのではないかと思います。このあたりNASCARはけっこう優秀です。

 次戦は9月16日・17日にスポーツランドSUGOでの300kmレースです。マモノさん、今年はいるんでしょうか。

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