NASCAR Cup Series、次戦は第4戦のフェニックス。今季のNASCARはショート トラックとロード コース向けに新しい空力パッケージを投入することにしており、このレースが初戦となります。この話題を含めていくつか話題をお送りします。
現時点で何か違反があったというわけではないので、チームはただちに使用を禁止されたわけではなく金曜日の練習走行ではヘンドリックの4台はそのまま走行したようです。もちろん、予選前の車検の段階で違うものに交換することも可能です。もし使用した上で後にこのルーバーに違反が見つかった場合、何らかの制裁が加えられる可能性があります。
2022年に投入されたGeneration7車両は高速のオーバルにおいて非常に魅力的なレースを生み出したと評価されており、初期の投入目的をある程度達成しました。一方で、ショートトラックでの評価があまりよろしくなかったようで、今季に向けて改善すべくNASCARはオフにいくつかの異なる仕様を性能評価しました。その結果、今年に使用する新たな仕様が決定されました。
リアのスポイラーは通常の4インチからさらに下げられて2インチへ、さらに外観からは分からないですが、車体裏側にある空気の整流部品・ストレーキとディフューザーの一部も取り除かれます。これによって大幅にダウンフォースが削減され、より扱いにくい車となります。
これによってドライバーはより繊細な運転、タイヤの管理を求められるようになり、これがレースでの様々な不確定要素を生むことを期待されています。このパッケージはショートトラックとロードコースで採用されますが、高速のブリストルとドーバーは対象外となりました。雨天用のタイヤとワイパーが装備されるレースと同じ基準ということになります。
ではついでに他の話題をいくつか。
・チェイスの代役はベリーとテイラー
スノーボードで脛骨を骨折してしまい長期離脱を強いられたチェイス エリオット。前戦ラスベガスではジョッシュ ベリーが代役を務めましたが、この先もベリーがオーバル戦では引き続き担当することがヘンドリック モータースポーツから発表されました。一方で、サーキット オブ ジ アメリカズで開催される第6戦にはジョーダン テイラーが起用されます。
テイラーは主に耐久レースで活躍している31歳、IMSAスポーツカー選手権ではDPiクラスで1度、GTLMクラスで2度チャンピオンを獲得し、2015年のル マン24時間ではオリバー ギャビン、トミー ミルナーと組んだ3人でコルベットをクラス優勝に導いています。チェイスは現時点で復帰まで6週間はかかるとのことです。
・ライコネンが再び登場
そのCOTAのレースにはアイスマンが帰ってきます。トラックハウス レーシングはキミ ライコネンが再び参戦すると発表。昨年のワトキンスグレンと同様、通称プロジェクト91と呼ばれるNo.91 シボレー カマロ ZL1を運転します。グレンでのデビュー戦では初走行と思えば以走りを披露したものの、結果的にチームメイトのロス チャステインが関係した接触事故の煽りを受けてクラッシュしリタイア、不完全燃焼という感じでした。今回も実走テストの機会は無く現場合わせということになりますが、COTAはF1でも走った知っているコースなので、やはり期待してしまいますね。
The Iceman RETURNS!@F1’s Kimi Raikkonen will be back behind the wheel at @COTA!
— PROJECT91 (@THProject91) March 8, 2023
DETAILS: https://t.co/9EfH1UowiQ pic.twitter.com/NJJ3weuhjC
・バトンも登場
そしてもう1人の世界王者も登場です。スチュワート-ハース レーシングは、COTAを含む3戦でジェンソン バトンがリック ウェアー レーシングのNo.15からNASCAR Cup Seriesに出場すると発表しました。RWRは今季からRFKレーシングと提携し関係を強化しましたが、複数のドライバーを起用するNo.15の運用に関して引き続きSHRとも協力しており、今回も『SHRからRWRの車に乗るドライバーが発表される』形になっているようです。
SHRは長年にわたってMobil1の支援を受けていますが、バトンもまたMobil1の支援を受けて来たドライバーであること、またNASCARがルマン24時間にガレージ56枠で参戦するドライバーとしてバトンが起用されていることなどが今回の参戦に繋がったようです。ルマンではシボレーを使うことになりますが、SHR/RWRはフォードなので今回乗るのはマスタング。
COTAの他にシカゴ市街地とインディアナポリスにも出場します。SHRから発表されたと言ってもこの時だけSHRが万全の車とメンテナンス体制をRWRに持ってきてくれるわけではないでしょうからライコネンと比べるとチーム力が…ですが、F1の世界チャンピオンでSUPER GTのチャンピオンでもありますから、何か驚くような力の片りんぐらい見られるといいなと思います。
なお、No.15のドライバーに関してはJ.J.イェリーがこの先もいくつかのレースに出場すべく活動している様子です。
・全レースでチューズを採用
F1ドライバー参戦で注目のCOTAですが、NASCARは開幕前に発表していた規則に変更を加え、チューズ ルールを全てのトラックで適用すると発表しました。パンデミック後の2020年8月から急きょ採用されたチューズルール、当初はダート、スーパー スピードウェイ、ロードコースが適用対象外となっており、今季からダートとSSWも対象となったのでロードコースだけが対象外になっていましたが、3月10日にNASCARは新しい声明を出し、これによって全てのレースがチューズの対象となりました。
外側にいるとターン1で際限なく外へ押し出されたりするCOTAはレーンを選びたい人も多いと思うので、早速一発目から最後に鍵を握ることになる可能性もあります。
・ヘンドリック、ルーバーを没収される
そして最後に最新の情報ですが、フェニックスでの最初の車検の際、ヘンドリックの4台が使用していたボンネットのルーバーがNASCARによって回収されたようです。ルーバーというのはフロントから取り込んだ空気をボンネット上から排出する吹き出し口ですが、NASCARは何か気になる部分を見つけたようで、研究開発センターに持ち帰ってさらに調査を進めるとしています。
現時点で何か違反があったというわけではないので、チームはただちに使用を禁止されたわけではなく金曜日の練習走行ではヘンドリックの4台はそのまま走行したようです。もちろん、予選前の車検の段階で違うものに交換することも可能です。もし使用した上で後にこのルーバーに違反が見つかった場合、何らかの制裁が加えられる可能性があります。
今回はこんなところです。最初にライコネンとバトンの話題を持って来ないひねくれ具合がうちのブログらしいですね!(自画自賛)
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