リックウェアーがRFKと提携、他NASCAR情報

 NASCAR Cup Series、今日はなんと2022年のオーナー順位で下位2チームの話題です。毎レース後方争いしている上に、たまに後方で身内同士でぶつかって揉めていることでお馴染みのリック ウェアー レーシングが、2023年に向けてRFKレーシングと提携すると発表しました。
偏頭痛薬・NurtecODTの紫色のスキームでお馴染み
No.51 コディー ウェアー


 元々色んなチャーターをかき集めてくっついたせいもあって複数メーカーの車両を併用していたところから、2022年の新規定車両投入に合わせて車両をフォードに絞り、フォード パフォーマンスと契約したRWR。加えてラウシュ-イェイツ エンジンの供給契約、そしてスチュワート-ハース レーシングと提携して臨んだ2022年のシリーズには2台体制で参戦し、オーナー順位ではNo.15が34位、No.51が35位でした。
 No.51はオーナーの息子であるコディー ウェアーが怪我の影響で1戦欠場したのを除いてフル参戦しドライバー選手権で32位。No.15は6人のドライバーを起用し、ロード コース専用としてジョーイ ハンドが出場したり、提携先であるSHRの控えドライバー・ライアン プリースも2戦に出場しましたね。デイトナの産物ですが、チームとして3度のトップ10フィニッシュを記録しています。
 そんなRWRは1年でSHRとの提携を終了し、今度はRFKレーシングと技術提携。今回はより本腰を入れたものとなるようで、RFKの施設をRWRが借りて使用することになりました。
 
 RFKはラウシュ フェンウェイ レーシングに、2022年から新たにブラッド ケゼロウスキーが共同オーナー兼ドライバーとして加入して体制を新たにしたチームですが、RFK側もこの提携に期待しているようです。RFKの社長・スティーブ ニューマークは

「核心は、おそらくひねりの効いた技術提携です。私たちのキャンパスに来れば、その近さと、ロビー ベントン(RWRの社長)、ジェレミー トンプソン(RFKの競技部門責任者)、そしてスタッフたちが対話しているという事実によって、さらに緊密に交流できるでしょう。双方の組織にとって有益なので、かなり期待しています。」

 今回の発表を示唆していたのかどうか分かりませんが、ケゼロウスキーは11月のフェニックスのレースの際に

「会社全体としては、レースでの勝利とチャンピオンを争える4台体制に戻りたいね」

と話していたそうで、やはり強豪になるには台数を揃えるメリットが必要だと感じているようです。リック ウェアーは

「ブラッドの展望と、ブラッドを呼び寄せたRFKのおかげだと思っています。ブラッドとは長い付き合いです。2000年に、彼と彼の父とトラック シリーズでレースしたことがあります。我々は彼らの隣のピットで、当時は非常に苦労していました。明らかに、彼は私よりもここまでのキャリアを成功させました。しかし、私は彼が持っていたあの死に物狂いの精神力と『決してあきらめない』という気持ちを手にしたいですし、RFKはそれを持っていると信じています。」

と、ケゼロウスキーとの"共闘"に期待している様子。RWRの社長・ベントンも

「RFKが2台のチームであり、RWRが2台のチームであることは重要です。より直接的に協力する機会が増えます。 Next Gen Carは、組織へのアプローチ方法とチームの組織的側面で、いわばモデルを変更しました。チームの競争面は言うまでもありません。つまり、我々が今見つめているのは、非常に堅実で確固たる将来の計画、ブラッドの将来の計画が、チームと複数年にわたる関係を築く機会です。 いくつかの会話を通じて、私たちは物事にアプローチする方法と多くの相乗効果を見つけました。」

 RFKも近年は低迷し、2022年もクリス ブッシャーが1勝したとはいえドライバー選手権で21位、ケゼロウスキーは24位でした。2016年から技術提携しているフロント ロウ モータースポーツと比較しても、どっちが主役なんだか分からないレースも多々ありましたね。
 RFKはレース後車検で引っかかるなど管理運営体制としてもどこか詰めの甘さ、課題を感じるものでしたが、情報量の増加、規模の拡大によるメリットをRFK側がいかに受けられるかも重要な点となりそうです。RFKのファンとしたらリックウェアーだろうがなんだろうが復活の役に立ってくれるなら歓迎でしょうし、弱小RWRがせめてフロントロウ並みの20位前後、たまに上位を伺うチームになるのであればファンとしても歓迎です。社交辞令ではなく本当にお互いに意味のある提携になれば良いですね、あまり期待せずに期待しておきますw

そういえばRFKは2台揃って紫だったことが・・・w

・ライブ ファストはシボレーへ

 一方こちら、2022年のオーナー順位で最下位、B.J.マクラウド率いるライブ ファスト モータースポーツ。フォードを使用して参戦していましたが、2023年にシボレーへと変更することを発表しました。マクラウドは

「私たちのチームはシボレーへの変更にワクワクしています。シボレー カマロはサーキットで大きな成功を収めており、ライブファストモータースポーツはこの前進の一翼を担うことを楽しみにしています。」

とコメント。また、共同オーナーのマット ティフトは

「NASCARで最も勝利しているメーカーであるシボレーでレースをすることを楽しみにしています。また、ECRエンジンからのエンジンの支援も受けることになり、私たちのプログラムは彼らの技術とパワーによる恩恵をボンネットの下から受けることになると思います。」

ティフトはカップシリーズでは2019年にフォード勢であるフロントロウからフル参戦しましたのでなんとなくフォードの印象でしたが、それ以前のドライバー人生の多くはトヨタかシボレーの車両に乗っていることが多かったみたいですね。まあ今回の話には関係ないですけどw
シャーロット・ローバルでのNo.78


・ヘンドリック、来季もエクスフィニティ―へ数戦だけ出場

 今度は強豪の話題。ヘンドリック モータースポーツは2008年以降エクスフィニティ―シリーズの活動を基本的にJRモータースポーツに任せて参戦していませんでしたが、2022年に4戦だけNo.17を参戦させました。来季も同様にロードコースを中心に数戦だけ出場する見通しです。

「私はJRMに関わっていますので、一部ではありますが、多くはありません。それが私たちの焦点です。しかし、私たちは数戦のロードコースを走るのが好きで、何人かの選手はオーバルを走りたがっています。私たちは全戦で戦うわけではなく、数戦だけです。 あの色が戻ってくるのを見るのはとても楽しかったです。それはリッキーの数と色のようなもの。それは本当に私が楽しんだことであり、さらにいくつかのことを行うつもりです。」

 No.17と、青/白/赤のペイント スキームは彼の息子、2004年の飛行機事故で亡くなったリッキー ヘンドリックが現役時代に使用していたスキームを模したものであり、エクスフィニティ―のレースにその車両を走らせることについてヘンドリックは前向きなようです。ワトキンスグレンでは、自チームのNo.17とJRMのNo.88が同じリッキー復刻スキームで争ってましたね。

・カストロネベス、デイトナ500へ参戦か

 インディアナポリス500で4度優勝、インディーカーシリーズ通算25勝を誇る人気ドライバー・エリオ カストロネベスが2023年のデイトナ500へ出場する方向で調整が続いているとの噂。
 スポーツ ビジネス ジャーナルのアダム スターンによれば、トラックハウスのプロジェクト91枠としてNo.91から出場するか、あるいはNo.50 ザ マネー チーム レーシングから出場するのではないか、としています。ただ、いずれにしてもチャーターが無いので予選レースで上位に入らないと本戦に出場できず、参戦台数にもよりますが本戦を走るのは簡単ではないかもしれません。トラックハウスの車ならとりあえず置いてけぼりにはならないと思うんですけどね。


・今年も人気ナンバーワンはチェイス

 全米モータースポーツ記者協会は2022年のNASCARで最も人気のあるドライバーにチェイス エリオットを選出しました。受賞は5年連続です。エクスフィニティ―シリーズのドライバーではノア グレッグソン、キャンピング ワールド トラック シリーズはヘイリー ディーガンが選ばれました。


・ハービック、デイトナまでに進退を表明か

 フル参戦ドライバーでは最年長・12月8日に誕生日を迎えると47歳になるケビン ハービック。SHRとの契約は来季までとなっており、2024年も現役を続けるのかは嫌でも注目される点ですが、彼は来季の開幕戦・デイトナ500までに進退を明らかにする可能性を示唆しました。

「現時点ではどちらの方向にも進む可能性がある。デイトナに行けば、自分が何をするかがわかるだろうさ。」とハービック
「みんなが、私がどうするか知りたい段階に来ている。関連することが多岐に渡るんだ。レース チームであろうと、ドライバーのマネージメント会社であろうと、全ての要素を知る必要がある。知らないうちにシーズンを始めなければならないのは、誰にとっても公平じゃない。」

 ハービックは既にKHIマネージメントという会社を設立しており、ハリソン バートン、リッキー ステンハウス ジュニア、ライアン プリース、ライリー ハーブストといったドライバーはKHIと契約しているお客さんです。息子のキーランもまたKHIがマネージメントするドライバーであり、順調に成長しています。ハービックについて、2022年のチャンピオン・ジョーイ ロガーノはこう評しています。

「ケビンはおそらくドライバーの中でナンバーワンのリーダーだと思うよ。彼は最も長くやっている。熟練していて、とても賢く、浮き沈みを経験して、生き残っている。その経験には知恵があり、自分たちがスポーツとしてどういう位置にいるのか、彼の意見に耳を傾けるのは素晴らしいことさ。」

 2023年が最後のシーズンとなるのか、デイトナに向けて注目が集まりそうです。でも、SHRのチームメイトであるエリック アルミローラは、開幕前の早々に引退を発表したのに結局撤回して2年契約したので、言ってもあんまり信じてもらえない可能性もありそうですね^^;


コメント

カイル・プッシュ さんのコメント…
ハービックのことが一番気になります。決して好きなドライバーではありませんが、NASCARの重要な顔ではありますから。
50手前になってNASCARのドライブは相当キツそうですよね。ピークが過ぎた感は否めませんから、そろそろなのかも。
SCfromLA さんの投稿…
>カイル・プッシュさん

 規定が変わったところでうまく適応できないベテランはどのカテゴリーでも多いですし、ジョンソンですら去ったのに、まだ勝てるハービックはかなり特異ですらありますね。さすがに来年を引退シーズンにするだろうとは思うんですが、50超えてまだ走ってても驚かない、と思ってしまう自分もいます。
こーら さんのコメント…
RWRで思い出しましたけどコーディウェアーって2021年に一酸化炭素中毒(名前間違えてたらすみません)2022年に足骨折とアクシデント(?)に2年連続で見舞われているので2023年はアクシデントに見舞れるのか?という感じですね。(見舞われてほしいわけではないです)
SCfromLA さんの投稿…
>こーらさん

 確かに2年続けて負傷欠場していますね。運が無いというよりはぶつけてる、スピンしてる頻度が高いことが問題なので責任のいくらかは自分にあるわけですが、車が改善されて事故が減ればそういう確率も下がるので、コディーもその辺は期待したいと思ってる、かもしれないですね。お父さんも息子が大けがするのは見たくないでしょうし^^;