NCS プレイオフ 第8戦 ホームステッド

NASCAR Cup Series
Dixie Vodka 400
Homestead-Miami Speedway 1.5miles×267Laps(80/85/102)=400.5miles
winner:Kyle Larson(Hendrick Motorsports/Valvoline Chevrolet Camaro ZL1)

 NASCAR Cup Series、プレイオフ ラウンド オブ 8の2戦目はかつての最終戦の舞台・ホームステッド。2019年限りで最終戦を外れた後は一昨年が第12戦、昨年は開幕早々の第3戦での開催で、3年ぶりにプレイオフのレースとしての開催です。
 ホームステッドはバンク角が外側の方が高く、一般的なDシェイプではなく2本の直線とやや鋭角なターンで構成されたペーパークリップ型なのが特徴で、大外の壁すれすれを走ることができるとかなり速く走れます。がら空きの内側から抜こうとすると入り口で先行してもバンクが低いので出口までに外の人に逆転され、ライン選択が難しいのが特徴、タイヤの消耗もやや激しめです。レース前のプレイオフ スタンディングスは以下の通り。

・レース前の話題

 有力チームのドライバーは複数年契約だったり、早々に契約延長が発表されたりするのでたいてい秋口までには決まっていますが、中小チームも動きが出始めたようです。スパイアー モータースポーツはコリー ラジョーイが2023年も残留し7番のドライバーとなることを発表しました。また、もう1台の77番のドライバーとしてタイ ディロンがフル参戦することも発表されました。弟ディロン、来季は無職かと思ってたんですがフルのシートがあって良かったですね。
 そして、前戦で故意にカイル ラーソンにぶつけて事故を起こしたバッバ ウォーレスは1戦の出場停止でこのレース不在。代役としてジョン ハンター ネメチェックが45番のドライバーとなります。引き続き23番はタイ ギブス、アレックス ボウマンも欠場で48番はノア グレッグソンとなって、フル参戦ドライバーが3人も代役になるというよく考えたらわりと異例の状態です。

・キャンピング ワールド トラック シリーズ

 今週は3カテゴリー揃い踏み。トラックシリーズは一足早くラウンドオブ8の最終戦です。ステージ1では勝つしかない状況のネメチェックが攻めすぎたか2度も壁にぶつけてタイヤを傷め早々に優勝争いから脱落。
 優勝は既にブリストルで勝ってチャンピオンシップ進出を決めているタイ マジェスキー。これにより残りの3枠はポイントの争いとなり、ゼイン スミス、チャンドラー スミス、そして最後の1枠は昨年のチャンピオン・ベン ローズがスチュワート フリーズンを1点差で下して滑り込みました。ローズは今回、日本の農機メーカーであるクボタがスポンサーでした。
 ローズとフリーズンはレース前の段階で3点差。フリーズンはステージ1から順に3位、4位、3位とまとめて49点を得ましたが、ローズも1位、5位、5位で47点を獲得。ただの1点すら失えないギリギリの争いを制して連覇の望みを繋ぎました。


・エクスフィニティ― シリーズ

 一方のエクスフィニティ―、スタートからの序盤はトレバー ベイン、ステージ2ではオースティン ヒルが速さを見せる場面があったものの、ロング ランで強かったのはお馴染みグレッグソン。結局ステージ1、2、そしてレースと全部勝って今季8勝目を挙げチャンピオンシップ進出を決めました。

 グレッグソンと先週の勝者・ジョッシュ ベリーが権利を手にしており残る枠は2つ。ポイントではギブスが当落線から30点も上にいるので確実に走れば有利な状況、最後の1枠はA.J.アルメンディンガーとジャスティン オールガイアーが5点差、ヒルも7点差で続いています。

・予選

 そしてカップ シリーズ、ブッシュ ライト ポール アワードはウイリアム バイロンが獲得しました。先週ウォーレスの暴挙に巻き込まれてリタイアしたクリストファー ベルが2位、3位にチェイス エリオット、そしてなんとネメチェックが4位に入りました。速さなら確実に即戦力級のドライバーです。
 コンテンダーは全員20位以内に入り、最後方はロス チャステインの20位となっています。トラックハウス レーシングはこの週末を前にクボタと公式トレイラー契約を結んだと発表しており、トラックシリーズでのローズと同様にクボタのオレンジ色の車で走ります。実家がスイカ農家のチャステインだけに、農業用機械との関りという点でこれほどうってつけのドライバーは他にいないでしょう。

・ステージ1

 まずはバイロンが順当にリード、ミスターミニ四駆走り・ラーソンが早々に2位に浮上しました。もう1台のミニ四駆・タイラー レディックは攻めすぎていきなり壁にこすってますが、今日はこういう場面は多いだろう、と放送席。
 レディックは25周目には3位に浮上、そしてラーソンが27周目にバイロンをかわしてリーダーとなりました。事前の予想通りミニ四駆が速さを見せています。ラーソンもレディックもコンテンダーではないのでリスクを多くとれる、というのも有利な点ですね。
 
 30周目、国際映像でネメチェックのインタビュー映像が流れているまさにそのタイミングで本人がスピン。久々にジェシー砲が発動しました。ここまで4位とスタートの順位を守っていましたが、やはりそんなに甘くなかったですね。このコーションで全車ピットへ。
 1番ピットを活かしたバイロンが先頭を取り返し、36周目にリスタートされました。デニー ハムリンは右前輪の交換で失敗し、元々の13位から19位へ後退、さらにリスタートでも混戦に入って苦戦しています。トラック内側の池では水上自転車の1台がコースを外れて草地にハマっているのでこっちはコーション発生の模様。
で、出れない~

 再びバイロンを抜かないといけなくなったラーソンですが、37周目のターン4をうまく立ち上がるとそのまま翌周のターン1で内側に飛び込んで、リスタートからたった2周でリードを奪い返しました。45周目にはレディックもバイロンをかわしてミニ四駆がワンツー。ラーソンは赤白なのでソニックセイバーだとして、レディックみたいな白黒のフルカウルミニ四駆ってあんまり記憶にないですね。
 このスティントでのラーソンは圧倒的、レディックはペースで負けており、無理したせいかスピンしかけてさらに差が開く状況。60周目には6秒以上の差が開いたのでラーソンはもう全く無理をする必要がありません。
陰に見えているのが実はローラーじゃないだろうか

 そのままステージは残り5周、バイロンがレディックから2位を奪い返しました。ちょっと最初にタイヤを酷使しすぎたっぽい感じのレディックはお手上げ状態で、続けてマーティン トゥルーエックス ジュニアにも抜かれます。
 ステージ1はラーソンが制し、バイロン、トゥルーエックス、レディック、オースティン ディロン、そして6位にアルメンディンガーの順でした。ハムリンは13位、ベルはスタートからバランスが良くない様子で16位まで落っこちてしまいました。ベルはステージ ポイントが獲れないとなるともう勝つしか生き残る手段がありません。

・ステージ2

 ラーソンとバイロンの1列目、ピット作業でレディックはジャッキ上げに失敗して後退してしまいステージ2開始。リスタートから少しの間しばらくやり合った上位勢ですが、ラーソン、バイロン、MTJのトップ3はそのまま落ち着きます。その後ろではライアン ブレイニーがチェイスをかわして4位へ。この2台はステージ1終了間際のターン4でも接触スレスレで争ってました。
 99周目にトゥルーエックスがバイロンを抜いて2位となりますが、既にラーソンは1.3秒も前方。レディックはまだ12位なので当分はラーソン無双です。MTJは速いのにベルもハムリンも苦戦気味で、カイル ブッシュもその近辺でチームメイトで争ってる様子が見られるので、なんかジョー ギブス レーシングとするともったいない感じの展開です。
 
 ステージの折り返しが迫り121周目あたりからピット サイクル到来。それぞれ後続と4秒ほど差のあったラーソンとトゥルーエックスは特に問題ありませんでしたが、レディックはナットを締める前に発進してしまい、締めに戻ったのでなんと周回遅れに。そういえばミニ四駆はホイールの着脱をあんまり繰り返すと、取り付け穴がだんだん広がって緩くなってしまい、走行中にホイールが脱落した記憶があります。あ、最初の頃に間違ってグリスを付けてしまったこともあったなあw
 サイクルを終えてもラーソンのリードは5秒以上、コンテンダーではバイロン、ブレイニー、チェイス、チャステインがトップ10圏内、ブレイニーからすると自分は上位でも他も似た順位なので点差が詰まらない状況です。先週は周回遅れから驚異的挽回を見せたチェイス ブリスコーですが、今日も20位で周回遅れになる寸前。先週のような奇跡を起こせる雰囲気は今のところありません。
 ブリスコーは170周目にとうとうラーソンに追いつかれてしまい、抵抗したものの2周後に周回遅れ。決して遅いわけではないんですが、ラーソンのペースが図抜けて速い状態です。そしてそのままレースは進んでステージ残り5周、何度かスピンしかけてかなり危うい動きだったブリスコーがそこそこの強さで壁にぶつけてしまいました。右側のサスペンションを前後とも壊してそうななかなかの破損具合です。

 ピットで10分の修理作業が始まる、と思ったのですが、ブリスコーはガレージに行きそうになって、一旦はコースに戻り、そして1周してやっぱりダメでガレージに戻りました。実は修理に関する規則が変更になっていたそうで、公式な規則改定ではなくF1で言うところのTD(技術指令)にあたるものだと思うんですが、FOXスポーツのボブ ポクラスによればテキサスでのレース前にNASCARからチームに対して通達があり、その内容として

『"NASCAR によって指定されたすべての主要な機械的修理はピット ウォールの裏側、ないしはガレージで行わなければならない"という規則に、サスペンションのコントロール アームは該当する』

 というものだったそうで、テキサス以降ピット ボックス内でコントロールアームの修復作業ができなくなっていました。よく壊れるトー リンクは対象外なので従来通り10分で必死に交換できますが、車体とハブを繋ぐ重要部品であるコントロールアームは交換できなくなりました。
 交換するならガレージへ行かないといけませんが、事故による損傷はピットボックス内での修理しか認められず、ガレージへ行く=リタイアというのがNASCARの規則。つまり、事故でコントロールアームが壊れて走れなくなったらそれは即座にリタイアということになります。
 理由は作業員の安全確保で、確かにサスペンション部品の交換は他の車がピットを出入りしている間もずっと一心不乱に行われていますので、万一他の車が接触事故等で飛んで来たら、全く避けられず撥ねられる可能性があります。ギブスがピット内で故意に他者にぶつけて、危うく飛ばされた車がクルーを撥ねかけた、という事件があったのは少なからず影響しているかもしれません。
 一方で、事故った車があっさりとレースに戻ってきて何食わぬ顔で走っているのをNASCARがあまり快く思っていない、というのもおそらくあると思われます。仮にこの規則が無くてもどのみち無理だった気はしますが、ブリスコーはこれでリタイアとなって最下位となってしまいました。

 これでステージ2はコーション下での終了となり、ラーソンがステージ2も制しました。トゥルーエックス、バイロン、ブレイニー、ブラッド ケゼロウスキーのトップ5。ブリスコーはどのみち下位では生き残れる可能性が低く、なんとかリードラップに残ろうと攻めた結果ですから責められないかなと思います。これも経験ですね。

・ステージ3

 ステージ間コーションのピットで上位の顔ぶれに大きな変化はなく171周目にリスタート。トゥルーエックスがラーソンに内側から仕掛けたもののかわせずに上位が混戦となり、ラーソンは抜け出しますがバイロン、ブレイニー、そしてピットで順位を上げたハムリンが上がってきました。トゥルーエックスは居場所が悪くて5位に後退。
 バイロンはこの後タイト気味な車に苦しんで順位を下げ始め、これでハムリンは3位。さらに2位のブレイニーも捉えていましたが182周目にルースになって軽く壁に接触。大きな損傷はないものの5位へ逆戻りとなります。ラーソンとすると追ってくる相手が勝手に崩れてくれてさらに楽な展開で、リスタートから20周で2位との差がもう5秒以上です。

 206周目、14位まで転がり落ちたバイロンがピットへ。1.5マイルのトラックで100周ほどの距離なら50周×2が常識ですが、ターンのきついホームステッドはペースの落ち幅が大きいので、珍しく2ストップ戦略が使えます。ところがここでバイロンのクルーは左前輪のナットを締めきらないうちにジャッキを落とす致命的ミス!ここからピットサイクルとなります。
 3位のブレイニー、4位エリオットもピットに入り、2位のトゥルーエックスも入ったので、こうなるとラーソンがわざわざ違うことをする必要もないので入るだろう、と思った211周目、ブレイニーがピットを出てアクセス ロードで単独スピンしてコーションが出てしまいました。ホームステッドのアクセスロードは結構難しい箇所ですが、やってはいけないミスでした。ラーソンはピットを目前にしていたようですが、コーションが出て入り口が閉まった模様。

 これで残りの車もピットへ。ピットを出たのはラーソン、ハムリンの順でしたが、先ほどコーション直前にピットに入っていたトゥルーエックスとチャステインが『ピットに入った上にコーション発生時にリードラップにいた』車だったので、ステイ アウトしてそのまま最前列へ。
 残り51周、トゥルーエックスとチャステインの1列目でリスタート、しかし空気を読まない男・ハムリンがいきなりターン1で2台の内側に飛び込んで3ワイド。そのまま勢いよくターンを抜けてリードを奪いました。ラーソンはスタート以来久々のダーティー エアーの中です。


 しかし今日のトゥルーエックスは車の仕上がりが良く、残り47周でハムリンを抜き返して再びリーダーへ、チャステインも続きます。もう因縁も一旦チャラになったか、揉め事なくすっとチャステインが前に出ました。ハムリンは今日は勝てる車ではない様子。
 この2台はとりあえず逃げますが、ラーソンがようやく3位に戻ってくるとここから猛追。まずは残り32周でチャステインを捉えました。先週に続いてポイント重視で無理していないと思われるチャステイン、どうぞどうぞの姿勢でラーソンをすんなり前に出しました。ラーソンであれトゥルーエックスであれ、コンテンダーではない人が勝てばポイントでのチャンピオンシップ進出枠は最低でも2枠残るので、ポイントを多く稼いでいるチャステインとすると無理する場面ではありません。
 ラーソンに対してはクリフ ダニエルズから
「今日はずっと外側を使えている、他の誰にもできない。スムーズとリズムだ。」
「19番は既に君のことを気にしている、君を恐れてるんだ。残り30周、じゅうぶん時間はある」等々激励の声をかけます。昨年も"名演説"があったダニエルズ、ラーソンとの相性はすごく良さそうですね。クルー チーフはドライバーを応援するのも大事な仕事です。
 しかし残り22周、今日はもう流れが完全に途切れたレディックがスピンしてクラッシュ。リタイア第2号となりました。コーションとなって戦いは次の局面へ。

 リードラップ車両がピットに入りますが、ここで信じられない事態が起きました。


 ボックスに入ろうとしたトゥルーエックスにラーソンが追突。トゥルーエックスは180度ターンして逆向きにボックスに入りました。どうもトゥルーエックスが自分のボックスを見落としそうになり、慌ててブレーキを踏んだことが主因の様子。クルーが瞬時の動きで回避して誰も轢かれなかったのが幸いでした。さっきピット作業の話を書きましたけど、こういう時にたまたまサスペンション修理をしている車両に突っ込んだら本当にクルーが死んでしまうので、理由としては間違ってないんですよね。だったらトーリンクも換えちゃダメだろ、というあたりが曖昧なんですけど。

 これでトゥルーエックスは当然ピットを最後に出ることになって戦わずして後退といった感じ。ピットを最初に出たのはラーソンで、ハムリン、チャステイン、兄ディロンが続きました。
 残り17周でリスタート、複数のドライバーが2位を争ったのでラーソンは抜け出しました。多少ラーソンもバランスが変わったのか、先ほどまでよりちょっとミニ四駆感が薄れて一時チャステインが背後に迫って重圧をかけましたが、その後にアルメンディンガーが2位を狙ってチャステインと争ったので、ラーソンは安全圏まで退避しました。

 そのままラーソンが逃げ切って、終盤に色々起きたものの結果としては3ステージをスイープしての勝利。圧倒的に速いのに途中であれこれあって順位を下げ、そこから鬼の追い上げでやっぱり勝つ、って裏でやってたF1と同じですねw
 2位からチャステイン、アルメンディンガー、ディロン、ケゼロウスキー、トゥルーエックス、ハムリンと続きました。序盤ダメだったベルは11位、序盤良かったのにバイロンは12位、気づいたらチェイスは14位、ブレイニーはスピンしたせいで17位でした。

「間違いなく、今年一番の走りだったよ。今までも何度もこのような走りができたと思うけど、うまくまとまらなかっただけなんだ。今朝はクリフが素晴らしいスピーチをしてくれて、みんな準備万端で集中することができた。何度か壁にぶつかったけど、それでもスピードを出すことができたんだ。信じられない車だったよ。」

 ダニエルズ、レース前も演説してたんですねw

「そして2週間後のフェニックスでオーナーズタイトルを獲得するためにレースに参加できる。厳密にはまだ脱落していないんだ。(ドライバーズ)チャンピオンを獲得することはできないけど、チームとして獲得することにもっと意味がある。フェニックスに行って、またチャンピオンを狙うよ。」

 そう、ドライバー選手権としてはラウンド オブ 12でポイント9位だったので脱落したラーソンですが、オーナー ポイントで見るとブレイニーの12番がそもそもプレイオフに進出できていないため8位でギリギリ通過しており、この勝利でチャンピオンシップ進出が決まりました。最終戦の結果次第ではドライバーとオーナーのチャンピオンが違うという珍しいことが起きるかもしれません。そしてトゥルーエックスとのピットでの接触については

「彼の後ろを走っていたら、彼が左に急に進入して、同時にブレーキを強く踏んだので、僕は彼の右後部に当たったんだ。チームからは『彼がストールにに入るのが遅かった』と言われたけど、僕にはわからない。もし僕のせいだったら申し訳ないけど、そうではないと思う。でも、ここのピットロードはすごく見辛いんだ、ファンや観客のみんなは気付いているか分からないけど、フロントガラスにゴミが付いてるし陽射しも顔に当たって、自分のストールが見えないんだ。」

 どこまでも冷静に全部説明してくれたミヤタさんでした。こんだけ全部喋られるとトゥルーエックスもあんまり言えることが無い様子で

「フロントガラスが太陽に照らされ、いろいろなもので覆われていて、見るのが難しいんだ。自分のボックスは確かに遅れて見えた、だから5番の邪魔にならないようにスピードを落としたんだ。スピンするとは思わなかったけど、誰も怪我をしなくてよかった。全体的にはただ厳しい、あのように良い一日を過ごして勝利のチャンスがあったのに、それをまとめることができなかったことに失望している。チームにとっても残念なことだ。」

 みんな綺麗にストールに入る前提で車間距離を詰めて走行レーンを走っていますので、失敗して急ブレーキを踏んだら追突してしまう、というのはお互い様ですね。ラーソンがインタビューを受けている姿を見てもターン1方向からかなりの陽射しが届いているのはよく分かりますが、基本的にみんなこのやり方で走っている以上、『後ろでぶつけた方が悪い』とは誰も言えません。ラーソンは勝つべくして勝ち、トゥルーエックスは1つ足りなかった、という以外に何も言いようがありません。

 正直このレースは途中で「たまには本命がただただぶっちぎりのレースでもいいかな」なんて思っていて、ラーソンがどれだけ大差をつけて勝つのかに興味が沸いていたぐらいなので、終盤の争いは私にとってはご褒美的な状態でした。

 非常に印象に残ったのは3位のアルメンディンガーで、リスタートで内側を攻めて、バンクが低いところできっちり車を止めて曲げて順位を上げ、ロング ランでも速さを見せての3位。彼が1.5マイルのトラックで5位以内に入ったのは2010年のホームステッドと2011年のシャーロット600マイルの2回しかなく、3位は1.5マイルでの自己最高位です。

 来年にフル参戦へ戻って来ることが決まっていることに加え、本来なら今季の16番を共有するはずのグレッグソンが48番の代走に駆り出されているために、おそらく本来よりも多くのレースでカップシリーズにも出場できていることがまた好循環を生んでいるのではないかと思います。2位を争ったチャステインとはエクスフィニティ―で2020年にチームメイトだったので、レース後には健闘をたたえ合う姿が見られました。

 いいですねえ(っ ◠‿◠ c)

 で、すっかり忘れていましたがプレイオフ スタンディングスはこうなりました。

 チャステインは少し安心できる領域、コンテンダーが勝つ可能性を考慮するとバイロン以下は安心してレース出来そうにありません。チェイスもプレイオフの8戦中1位と2位が1回で、あとは全て11位以下とちょっと持ち込みセットも運も向いていないところがあるので、ステージ1で15位以下だと要注意です。

 次戦はマーティンズビル、昨年はハムリンとボウマンの因縁が生まれた地で、今年も最後の最後に1点を争う殴り合いが勃発するのか、おそらく放送する側も煽りまくると思いますが最後まで目が離せません。シーズンあと2戦で終わっちゃうのかあ。

コメント

ChaseFun9 さんのコメント…
Chaseがポイントを削り続けているのは気になりますがショートオーバルにフォーカスしているのだと信じて残り二週応援します!
こーら さんのコメント…
トヨタ今のところ全滅しそうな感じですね (ハムリンはまだ可能性ありますが、ベルは勝つしかない状態ですね)
チャステインは次回ヤバいミスをしなければいけそうですね!
日日不穏日記 さんの投稿…
ラーソンがぶっちぎり。アルメンディンガーの3位に歓喜です。さて、トラックのライアン・プリース、エクスフィニティのトレバー・ベインとポールを取ったドライバーが、各カテゴリーでスポット参戦。2人ともまだ若いのに、どこかのカテゴリーで定着してフル参戦すれば、カップで走れるチャンスが来るのに・・・って思います。
アルメンディンガーは、エクスフィニティでフル参戦して、来年、カップ戦に復帰、ネメチェックも、トラックシリーズでフル参戦して、今回カップで走っていたし。スポット参戦を続けるドライバーは何か理由があるんでしょうか。彼らも、どこかでシートを取れると僕は思うんだけども。
Cherry さんのコメント…
そろそろチェイスには調子戻してもらわなくては......
SCfromLA さんの投稿…
>ChaseFun9さん、Cherryさん

 あくまで過去のデータですが、チェイスは一昨年のマーティンズビルで勝っている一方で、それ以外の秋のレースは5戦でトップ10が1回だけと春のレースよりなぜか成績が悪いのがちょっとだけ気になってます。カイル・プッシュさんの言霊でベルが勝つとするとギリギリの戦いになるかもしれません。
SCfromLA さんの投稿…
>こーらさん

 私が「苗字がBで始まる4人がファイナルだ」と書いたら恐ろしいことに4人中3人が脱落の危機なので、せめてベルには勝っていただいてもらいたいな、と思う次第です。でなければいっそのことバイロンも落ちて全滅で^^;
チャステインはかなり雰囲気が出て来たのでひょっとしたら、と思いつつ油断すると怖いので今のところは「アレ」と言っておきます(分かる人にだけ分かるネタ)
SCfromLA さんの投稿…
>日日不穏日記さん

 ドライバーのシートには、各チームが今抱えている人の契約とか、年俸とかスポンサーとか色々な絡みがあるので事情はそれぞれだと思いますが、ベインの場合はカップでそこそこ走ってチームメイトとの比較で実力の限度が見えてしまっているので、メーカーとして育成枠に充てたいシートには乗せられないし、一方で元カップドライバーは安いお金では雇えない、というあたりがネックなのかなと感じます。
 プリースの場合SHRの契約ドライバーとしてリザーブとたぶんシミュレータードライバーなんかをファクトリーでやってると思うので、スポット参戦もSHR主導で手配してもらっている感じではないかと思います。その点、たぶんカイルが速さを見込んで声をかけたであろうネメチェックは良い立場にいるんじゃないかなと思いますね。トヨタに残るか、カイルに付いて行ってシボレーへ行くかの岐路になりましたけどw