Verison 200 at the Brickyard
Indianapolis Motor Speedway Road Course 2.439miles×82Laps(15/20/47)=199.998miles
※NASCARオーバータイムにより86周に延長
winner:Tyler Reddick(Richard Childress Racing/3CHI Chevrolet Camaro ZL1)
NASCAR Cup Series、第22戦はロード コースのインディアナポリスです。昨年初めて使用されたところ、ターン5~6の高速シケインに設置された縁石がめくれ上がってしまって大事故が起きる、というモータースポーツ史に残る珍事が起こりました。ご存知ない方のためにまずはその様子から。
今回のレース、チーム ヘイゼバーグは元F1ドライバーのダニール クビアトを起用。しかも、元々使っている27号車のマスタングではなく、26号車のカムリを新たに用意しての参戦です。クビアトはF1でも26番を付けていて、このチームは元々27も使っていたのでうまいこと連番です。これはもうクビアトが乗るために設立されたチームだと言っても過言ではない、、、いや過言ですねw
27号車にはロリス ヘイゼマンズが乗ります。また、先週のポコノ―で予選中にクラッシュ、脳震盪の疑いで欠場したカート ブッシュは今週も欠場となり、2戦連続でタイ ギブスが代役として出走します。
併催カテゴリーはエクスフィニティー シリーズ。ポール ポジションを獲得したA J アルメンディンガーが62周のレースのうち42周をリードする貫録の走りで今季3勝目を挙げました。この後カップ戦でも2連覇を目指します。
一方、一足先にプレイオフが始まったキャンピング ワールド トラック シリーズは、IMSから10kmちょっと離れた場所にあるルーカス オイル インディアナポリス レースウェイ パーク、通称IRPという場所での開催。ここはNHRAが所有している世界最高峰のドラッグ レース会場だそうで、ここに0.686マイルのオーバルが付属しています。NASCARの開催は11年ぶり。
200周のレースは9回のコーションが出るやや肉弾戦。残り2周でリスタートされてテイラー グレイが好リスタートを決めましたが、ジョン ハンター ネメチェックがちょっと強引にターン3で抜き返そうとして接触。グレイをスピンさせて10回目のコーション、オーバータイムへ。
オーバータイムではネメチェックがうまくリスタートしたはずが、内側のゼイン スミスがお構いなしにターンをせり上がってきて壁に挟まれネメチェックも脱落。そしてそのスミスを、9回目のコーション時に4輪交換していたグラント エンフィンガーがかわしてそのまま逃げ切り優勝。レギュラー シーズンでは未勝利で、プレイオフには9位で滑り込んだ37歳が貴重な通算7勝目で次ラウンド進出を決めました。
なお、シリーズの冠スポンサーであるキャンピングワールドは今季の契約満了をもってスポンサーを降りるのではないか、と以前から噂されていましたが、この週末に正式に発表されました。2008年までスポンサーを務めていたクラフツマンが新たなスポンサーになるのではないかと言われています。
そしてカップ シリーズ。ブッシュ ライト ポールはタイラー レディックが獲得。オースティン シンドリック、チェイス ブリスコー、クリストファー ベル、ジョーイ ロガーノ、ライアン ブレイニーと続きます。
続く7位にマイケル マクダウル、先週のレース後の車検で規定違反があったとしてペナルティーを受けましたが、チームはこれを不服として控訴しました。そのためクルー チーフのブレイク ハリスらの出場停止はまだ執行されておらずこのレースに出場しています。マクダウルとすると勝てる可能性が高いのはロードコース戦なので、勝ち目の無い抗議で処分を先延ばししている気がしなくもないですね。
レースを前にした木曜日にトレイラーが火災に見舞われたウイリアム バイロンは23位、ギブスは26位、クビアトは36位からのスタートです。クビアト、さすがに慣れていないので予選でヘイゼマンズに負けてしまいました^^;
決勝スタート、何せターン1はこの混雑なのでいきなり中団でジャスティン ヘイリーがスピンしました。
2周目もターン1の接触でロス チャステインが、ターン6では出口で芝を踏んだデニー ハムリンがそれぞれスピン。近年はみんなロードコースが上手くなったのでそんなにミスらなくなったNASCARですが、今日はスタートから久々にNASCARっぽい展開ですw
この後もブラッド ケゼロウスキーがターン1で全然止まれなかったり、チャステインがジョーイ ハンドにぶつけてしまったりとかなり荒れ模様、前日より高い路面温度が影響して滑りやすいのではないか?と放送席。リーダーのレディックはほとんど画面に映らない快調な走りです。
ステージが残り3周となったところから多くの車はお約束のロードコース戦略になりますが、クリス ブッシャーの車はなんとピット内で出火。トラック上ではチェイス エリオットが古いタイヤで単独スピン、とアクシデントが止まりません。ブッシャーのクルーは車内から煙が出ているのに普通に4輪交換の作業を開始していて、これぞ平常時バイアスかな、と思いました^^;
残り2周でレディック、シンドリックのトップ2もピットに入りましたが、ブリスコーがステイ アウトを選択。そのままステージ1を制してプレイオフ ポイントを1点稼ぎました。基本的にロードコースのステージ1を獲るとレースを捨てるも同然なので、ブリスコーとすると勝てるかわからん優勝よりも目先の1点、という感じですね。ブレイニー、バイロン、ロガーノ、エリオットのトップ5でした。
ステージ間コーションでブリスコーはピットに入りましたが、ブレイニーなど4人はここもステイアウト。徹底してトラック ポジション重視の2ストップ戦略です。この作戦ってあんまりうまく行かない気が・・・
ステージ2のリスタートはまたもやターン1に6ワイドぐらいで突っ込んでいるので「それ絶対無理やろ」と思ったら中団でケビン ハービックがスピン。さらにアレックス ボウマンは左前輪のパンクで緊急ピット。現地コマーシャル中にもエリック アルミローラとカイル ラーソンが接触していずれもパンク。リスタートのたびに大騒ぎです。
この間もリーダーはブレイニーでバイロン、レディックが続きます。レディックはリスタート後にシンドリックに一度抜かれてしまったせいもあって順位を戻すのに少し時間をかけてしまい、ブレイニーから2秒ほど置いて行かれてしまいました。
27周目には日日不穏日記さん期待のアルメンディンガーも単独でターン3~4の外側へ飛び出す珍しいミス。ハリソン バートンはコール カスターにミサイルを撃っていて、この段階で既に無傷の車が皆無になってきた気がします。
30周目、2位のバイロンが1回目のピットへ。一方のブレイニーは引っ張るだけ引っ張って、33周目・ステージ残り2周でようやくピットに入りました。レディックもロードコース戦略なので同時に入り、給油時間の差でレディックが先にピットを出ました。ブレイニーとすれば、できればここでレディックの前で復帰しておきたいところでしたがさすがに無理でした。
ステージ2の勝者はベルで、カイル ブッシュ、バッバ ウォーレス、エリオット、タイ ディロンが続きました。コディー ウェアーが10位で1点獲りました。
ステージ間コーションではベル、ウォーレスなど数台はステイアウトを選択。彼らはステージ1終了前にピットに入った上で、そこから連続ステイアウトする 12/40/30 の変則2ストップ狙いと考えられます。今日はタイヤの劣化がそこまで酷くないようで、とにかく前を走ることが最優先、ブレイニーのやっている戦略よりさらに攻めた発想です。
というわけで最終ステージのリスタート順位はベル、ウォーレス、弟ディロン、ハムリン、ブリスコー、カスター、ジョーンズ、レディック、バイロン、チャステイン、ブレイニー。リスタートを決めたベルは2周で後続に2秒の差をつけて、とにかくピットまでに差を広げに行きます。同じ作戦の車が数台いて壁になっていますが、レディックは42周目を終えるころには全員抜いて2位へ浮上。ブレイニーはまだ数枚の壁に阻まれています。
48周目にレディックはベルに追いつきました。普通に考えればベルの方が先にピットに入る必要があり、レース終盤はタイヤで苦しむことになります。レディックは引っ張れば引っ張るほど終盤が楽ですが、ピット後に一時的にベルに差を付けられますし、コーションが出ると大損しますから、単純に自分が理論上速く走れる作戦に固執しすぎてもいけません。リスクとリターンの見極めが大事です。もしイタリアにある馬のエンブレムで有名な高級自動車メーカーが参戦していたらきっと戦略m、ゲフンゲフン。
50周目、ターン12からの低速区間でレディックがベルをかわしました。続く51周目にベルにはピットの指示。するとレディックもこれに戦略を合わせて同時にピットに入りました。ここから31周の長い持久戦ということになります。
実質3位のブレイニーは彼らから2周後にピットへ。ここでブレイニー陣営はなんと給油のみという奇策に出ました。肝心の発進時にエンジンがストールするという問題に見舞われて時間を失いはしたものの、ベルの目前・2位で合流して順位を上げることに成功。ピット前にあった4秒ほどの差を一瞬でひっくり返しました。
残り22周、ジョーイ ハンドだけがまだ最後のピットに入らず引っ張っていて暫定リーダー、というところでコーション発生。ブレーキが壊れたラーソンがターン1で全く止まらず、ターンに入っていたタイディロンに真横から突っ込みました。かなりの速度での衝突でディロンは痛そうでしたがとりあえず無事な模様。すぐにラーソンはディロンに駆け寄って言葉をかけました。ディロンも「トラブルやろ?かまへんかまへん」みたいに応じてました。
ステージ間以外では本日初のコーションですが、今さら順位を捨てられないので上位勢はステイアウト。上位勢では5位のアルメンディンガーが最も新しいタイヤで、対レディックで5周履歴の浅いタイヤを履いています。
残り18周でリスタート、上位3台がターン1で3ワイドになりブレイニーが2位へ。さらにアルメンディンガーがこれを待っていたとばかりに混戦を制して3位に浮上します。ベルはターン1で大外に行ったことがきっかけで次々と車に入られてしまい一気に後退、ハービックとボウマンは後方でまたクラッシュ^^;
ブレイニーは2位になったもののタイヤが誰よりも古いので前を追うのが現実的ではありません。レディックとするとこれは好都合で、3位にはAJをかわしたエリオットが来ていますが3秒ほど後方です。あ、コマーシャル中にまたカスターがスピンしてる・・・
残り9周、タイヤで苦しむブレイニーをかわしてエリオットが2位となりますが、ペースはレディックと同じで全然追いつく気配がありません。このままレディックが逃げ切って平穏に終わる、と思ったらだいたい何か起きるNASCAR。残り6周、ベルの右前タイヤがバーストし、フロントストレッチにでっかい部品を落っことしたのでコーションとなりました。リスタート時にもみくちゃにされた影響でしょうかね(^-^;
残り3周でリスタート、エリオットは直線で一瞬レディックの前に出ましたが、レディックもブレーキで粘ってターン1で先頭を維持しました。そして2位以降は我先に頭を突っ込んでくる人でごった返し、あろうことかエリオットが接触されてスピン。他にも接触事故が多発してオースティン ディロンが砂場にハマり、出れなくなったのでコーションとなりました。
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これでレースはオーバータイム、レディックとアルメンディンガーの1列目。2列目はブレイニーとチャステイン。3列目にダニエル スアレスとマクダウル。ターン1はやはり大混雑になり、チャステインがターン1を全く止まれずシケインをまっすぐ通過して画面外へ消えていきました(;・∀・)
ブレイニーは混戦で押されてスピンし撃沈、アルメンディンガーも横を向いたブレイニーに完全に道を塞がれて撃沈。もうワケが分からない状態です。リーダー争いはどうなった!?
なぜそこにいるチャステイン。どうやらチャステインはターン1で事故るのを避けるために真っすぐシケインを通過し、アクセス ロードを通って2位で合流した模様。そのままレディックと争い、1500kgの車をまるでカートのように操ってリードを奪いました。しかしレディックもこれで負けるわけにはいかず、最終コーナーで逆転。
そもそもチャステインの走り方は合法なのか?とは思いつつ最終周に入り、レディックは再逆転を狙うチャステインを近寄らせませんでした。レディックがロードアメリカに続く通算2勝目を挙げました。
チャステインはやっぱりシケイン不通過でレース結果に30秒の加算ペナルティー、笑いをとって27位という結果でした。2位以降が繰り上がって、シンドリック、バートン、トッド ギリランド、ウォーレスのトップ5。2位から4位が全員新人というのがかなりカオスです。もしチャステインとレディックが熱くなりすぎて絡んでたら、ハリソン君の優勝というとんでもないオチが待っていたかもしれません。
アルメンディンガーは7位、マクダウルが8位、デビュー2戦目のギブスは17位、クビアトはサスペンションが壊れて43周でリタイアし36位でした。プレイオフ争いは新たな勝者が出なかったので情勢に大きな変化はありません。このまま勝者14人であれば、ポイントでの15、16位の枠ももう当選確実な状態です。
今回はロードコースにしては珍しくタイヤがかなり長持ちする設定だったので、2種類の2ストップ作戦があった上にタイヤ無交換まで出てきて戦略的には豊富でした。しかしレースそのものは、リスタート直後がとにかく荒れる、ただそれだけ、という感じでしたね。絶対無理だと分かりつつ、自分が引いたところで後ろから誰か突っ込んでくるので、だったら突っ込んでしまえ、という感じの連鎖反応。
トラック ポジションが大事だ、というのはこのレースではリスタート後の事故率という点で非常に大きな意味を持ち、レディックは常に前方でリスタートして事故と無縁でした。2列目ですら5列目ぐらいの人がミサイルした影響が波及して撃墜されてしまうので、不条理と言えば不条理、NASCARでわざわざロードコース戦をやるからにはそういうものだ、と言ったらそういうもので、運営としたら狙い通りといったところでしょう。ターン1に近いスタンドがいちばんお客さんが入っていた気がしましたしね。ただシケインを無視する人がいるのは想定外だったと思いますw
個人的には、せっかくGen7に車両が変わったし一旦オーバルに戻しては?というのはポコノ―の際にも書きましたが、この件に関してちょうど報道が出ていました。The Athleticの記者・ジョーダン ビアンキは、インディアナポリスのオーナー・ロジャー ペンスキーの話として「2023年はロードコースで開催するが、2024年はオーバルに戻すかどうかを評価している。オーバルとロードを交互に開催する案もある」と伝えています。ちょっと安心しましたw
レディックは1つ勝って自信を付けたなというのを感じましたし、もはやカイル、ハムリン、ハービックあたりの、数年前には『NASCARドライバーの中ではロードコースで速い部類』という印象だった人たちが、もはや若手のレディック、ベル、エリオットといった世代とは正面から争えなくなってきたな、とも感じます。
今年の段階では『ロードコースがあるから色んな人が勝てる』という感じですが、おそらくあと少し回数を重ねると『ロードコースはいつも同じ顔ぶれのうちの誰かしか勝たない』という見え方になってくるのではないかと思います。ロードコース戦全体が飽きられたら共倒れになるので、個人的にはインディーとシャーロットをオーバルに戻すぐらいでちょうど良い数ではないかと思いますね。
レギュラーシーズンは残り4戦、次戦はミシガン。その後はリッチモンド、ワトキンス グレン、そしてデイトナです。











コメント
コメントを読んでいて良いことを思い付きました。インディーでオーバルをやる年はシャーロットをローバル、インディーがロードならシャーロットはオーバル、と相互交互開催にするというのはどうでしょう!(マジでそれがよい気もしてきたw)
って思ってたら、あんなルートがあったんですね。
ローバル、最初はいいなって思ってたんですが、オーバルの要素はほとんどないですよね。使ってるってゆうだけで、オーバル部分はただのストレートになってる感じがします。
オーバルはオーバル、ロードはロードに戻せばいい気がします。
インディアナポリスの場合、ロードコースはF1開催に向けてFIAグレード1認定を受けるコースとして設計されて2000年に誕生したものを基本的にそのまま使っているので、シャーロットやデイトナのようなレイアウトとは元々設計思想が異なるのが大きな理由ですね。
ここは低バンクの直角コーナーなのでオーバル部分を多く使ってもあんまり旨味が無い、というのもありますし、ここは完全なロードコースです。最終区間のシケインを使わなければ追い抜きが増えそうなんですが、ラーソンの事故を見るとターン1にこれ以上高速で進入するのも危険ですしね。。。
トラックリミットが緩いNASCARでもレース中に新ルート開拓は違反と勉強になりました✌︎('ω'✌︎ )
インカット以外ゆるーく自由にバトルさせると盛り上がるんですよ〜 聞いてます? F1さん、SGTさんw
あ、2位でお届けされたスイカはペナルティ前に美味しく頂きましたw
あぁ、なんでNASCARってこんな素敵なんでしょう。
桃田さん、今回の解説よろっ!
そういえば、今季のアルミローラの戦績を調べて気付いたのですが、第21戦のポコノ終了時点では(フル参戦組の中で)唯一リタイア0回だったようです。かなり堅実な走りをするドライバーなだけに、こちらの方にも完走して頂きたかった...
新ルート開拓といえばライコネンが大先輩なので、ワトキンスグレンが非常に楽しみになりましたw
アルミローラの完走記録は全然気づいてませんでしたw 開幕直後は堅実に上位にいる感じがありましたけど、今年は堅実では全然プレイオフに届かないので、デイトナの一発に懸けるしかなさそうですね~。
さて、本題です。リタイアの周回ですが、61周でクラッシュしたラーソンが57周、ディロン弟が60周の走行と言うのが分かりません。純粋に走行周回数だと思うんですけど。2台ともアウトでなんで違うんでしょう。
AJもドライバーの冷却がうまくいってなくて暑さでぐったりしていたみたいですね。クラッシュした2台の周回数が異なるのは、ラーソンが既にトラブルであの時点で3周遅れになってしまってたからですね。3周遅れで勝負権が無かった上にブレーキが壊れてミサイルになったので、ペティーGMSからしたら修理代払ってほしいと思ってることでしょう^^;