FE 第15戦 ソウル

ABB FIA Formula E 2022 Hana Bank Seoul E-Prix
Seoul Street Cuircuit 2.618km
45munutes+1Lap(規定により45秒延長)
winner:Mitch Evans(Jaguar TCS Racing/Jaguar I-Type 5)

 ABBフォーミュラEのシーズン8はいよいよ最終ラウンド。初開催の韓国・ソウルでの2連戦です。グランツーリスモ4にはソウル市街地コースが収録されていましたがもちろん全然関係無く、ソウル中心部から見て南東側にあるチャムシルという場所が開催地。1988年夏季オリンピックで使用された競技場とその外周道路を使うという典型的な市街地レースです。チャムシルには有名なロッテワールドもあります。
 地下鉄のソウル駅からだと、4号線に乗って東大門運動場で2号線に乗り換え、総合運動場で降りるのが便利だそうで40分ぐらいで着くみたいですね。オリンピック競技場の隣にあるのがチャムシル野球場で、ここはLGツインズと斗山ベアーズ、2チームの本拠地となっています。
 アタックモードのアクティベーションは競技場内のターン11と12の間、内側に設けられました。メキシコで野球場の区間に設けられているのと似た感じですが、メキシコよりはこちらの方がまだ入りやすくてロスや事故も少なそうです。外周道路部分は壁を挟んだお隣で普通に道路を車が走っているので結構面白い映像ですね。

 この週末でスパークSRT-05e(Gen2)とはいよいよお別れ、メルセデスEQとベンチュリーにとっても最後のレース、カスタマー供給で残っていたアウディーとBMW i のパワートレイン、そしてタイヤ供給社のミシュランも今季限りですので最後のレースとなります。ミシュランさん、ここまで8シーズンありがとう。
 また、ポルシェは特別スキームで普段の白とは真逆の黒基調のスキームとなっており、メルセデスが1年目に投入した黒い仕様のSilver Arrow 01とちょっと見た目が似ています。
 
 でもそれよりも、ハリソン バートンのFREIGHTLINERスキームの方がなんかもっと似てる気が個人的にしました。

 さて、前戦でサム バードが手を負傷してしまい(怪我した状態で入賞していた)、このレースに出場できないのでノーマン ナトが代役で出場することになりました。フォーミュラEは最終戦がシリーズ通算100戦目、一度も休まず出ているのはバードとルーカス ディ グラッシの2人だけだったんですが、バードがまさかの離脱でディグラッシだけが100戦連続出場の権利を有しています。
 また来季のドライバーの動向も動きが見られ、そのディグラッシは来季はマヒンドラ レーシングに加入することが正式に発表されました。オリバー ローランドとのコンビとなります。また、現在はジャガーのリザーブとして名を連ねているサッシャ フェネストラズが日産に加入するのではないか、という情報がThe Raceによって伝えられています。

 現在ドライバー選手権ではストフェル バンドーンが2位のミッチ エバンスに36点の大量リード。3位のエドアルド モルターラは41点、ジャン エリック ベルニュはここ4戦連続無得点で57点差です。ベルニュは数字上の権利はありますが、このレースの予選でポール ポジションを獲れなかったらその瞬間に権利が消滅します。

 土曜日は天候が悪く予選セッション開始後もすぐに雨が降ってくる状態。とりわけ特設の競技場内の舗装と雨の相性が大変悪いようで、表面に水が浮くので難しそうです。Q1のA組は前半に出したタイムを誰も更新できなくなり、モルターラが1位、バンドーンも4位で通過。バンドーンは早々にタイムを出してピットで待ってたら4位まで落ちたのでちょっと冷や冷やしたことでしょう。
 B組は路面水量が増えたのでA組の最速タイムから113%ほどの遅いタイムから始まって徐々に乾いてペースが上がる展開、しかし5分30秒経過したところでアレクサンダー シムズがクラッシュし赤旗になってしまいます。
 セッション再開後は濡れた路面でなんとかタイムを出そうとアタック合戦となり、エバンスはうっかり1回スピンしたせいで最後のアタックでギリギリ4位に滑り込み。これでベルニュを5位に押し出して、この時点でベルニュのタイトルの可能性が完全に消滅しました。
 エバンスは赤旗の際、ピットに戻って来たと思ったらセッション再開のお知らせが来たのですぐにまた出ていき、これがピット内最低滞在時間の規則に違反ではないかとして審議になりましたが、赤旗中は関係無かったようで命拾いしました。

 デュエルスになるとまた路面水量が増加。A組のドライバーは路面水量が少ない状態しか知らないので明らかに不利になり、想像通りA組のドライバーは準々決勝で全滅しました。デュエルスの決勝はローランドとディグラッシ、奇しくも来季のチームメイトの戦い。路面はもう水たまりだらけでザバザバかき分けながらのアタックとなりますが、準決勝の段階からリスク許容度が全然違う走り方をしているローランドが0.6秒以上ディグラッシを突き放してポール ポジションを獲得しました。
 2位からディグラッシ、エバンス、パスカル ベアライン、ジェイク デニス、モルターラ、バンドーンの順となりました。


 決勝は幸いにして予選の最後の酷い路面状態からはいくぶんかマシになりました。アタックモードは4分×2回の標準設定。ダミー グリッドは競技場内に設置されていますが、こんな場所からはスタートできないので実際のスタート位置は半周ほど先にある最終コーナー・ターン22の手前です。スタンドにあんまりお客が入っていない^^;

 スタート、ローランドの蹴りだしが不発だったようでエバンスがこれをかわすと、さらにターン1でディグラッシもかわしていきなりリーダーとなりました。一旦3位に落ちたローランドですが競技場内でディグラッシから2位を奪い返します。
 上位はうまいことスタートした様子で無事に1周目を切り抜けたかと思いきや、ターン21で合計8台がそれぞれブレーキで止まれず相次いで壁に突っ込む大惨事が発生して即座に赤旗になりました。このうちナトとニック キャシディーだけは自走してピットに帰ったのでレース再開に間に合い、6台はリタイアとなりました。あと1日で使用が終わる車なのに翌日に向けて修理しないといけないですね^^;



 40分ほどの中断を経てSC下でレース再開、この間も雨は降っているのでまた路面状況が分からなくなります。1周だけでSCは退出してエバンスを先頭にリスタートされました。アントニオ ジョビナッツィーがこの時点で9位なので入賞のチャンス( ̄▽ ̄)
 2周目、スタートで順位を上げて6位にいたベルニュが5位のモルターラに追突。これでモルターラがターン22を真っすぐ行ってしまい7位後退、バンドーンが繰り上がって6位に上がります。モルターラはブレーキングしながらラインを変えていたので追突は自らが招いた結果、進路変更に対して5秒加算のペナルティーが課せられました。
 5周目、4位のデニスが最初にアタックモードに入ると、ここから1周ごとに前のドライバーが入っていくところてん式サイクル。何の変動も無く上位4台のサイクルが終了しました。出力が上がってもスロットルを踏めないし、雨でペースが落ちるとエナジー管理の面では楽になるので追い抜きが起こりません。
 
 14周目・残り22分、今度はエバンスが先にアタックモードに入りました。これで2回の義務終了。このころには陽射しが出てきて路面状況はどんどん改善している様子です。バンドーンの方は6位を堅持、後ろからモルターラが来ているのでちょっと危ない気配を感じますが、ちょうど目の前でベルニュがミスったので、これを抜いて5位となり壁を1枚作りました。
 この後しばらく特に動きもなくレースが進みましたが残り12分、はしゃぎすぎたモルターラが右後輪をパンクさせてしまい競技場内で自ら退避路へ出てしまいました。序盤にベルニュと絡んだせいでタイヤを傷めていた可能性がありそうです。これで完全にチャンピオン争いから脱落しました。

 エバンスは残りが5分となったところで、エナジー残量には余裕があるのでファステストを記録すべく飛ばしにかかりました。ところがそんな時に限って、一度ピットに入っていたジョビナッツィーが前方にいてなんだか視界の前方に入って邪魔そうに見えます。ジョビナッツィーはそのまままたピットに引き上げてしまいますが、エバンスは最終のターン22で突っ込みすぎて大失敗。むしろローランドに追いつかれてしまいました。
 ジョビナッツィー、映像には無かったですが7周目にアントニオ フェリックス ダ コスタとの接触があって13位に下がり、2周後にはシムズとの接触でさらに15位に転落。最初のダコスタとの接触の際に手を怪我してこれをシムズとの接触で悪化させてしまい、もうレースどころではなくなってしまったようです。

 レースは赤旗後のSC走行に対して45秒の延長が確定、エバンスがもう一度タイムを狙うのかどうか注目でしたが、その矢先にシムズが競技場内で単独でクラッシュしてしまいました。狭い競技場内では無視も回収も不可能なのでFCY・SCとなってしまい、隊列走行中にもう残り時間が全て無くなりました。
 SCのまま最終周となり、いつもは0.0%でチェッカーに辿り着くみなさんが10%近く残した状態でチェッカー。今季4勝目を挙げました。しかしバンドーンもきっちりと5位を確保し、ドライバー選手権でエバンスに対して21点の差を持っていよいよ最終戦に向かうことになりました。

 2位からローランド、ディグラッシ、デニス、バンドーン、ベルニュのトップ6。ローランドとマヒンドラは今季初の表彰台となりました。

 このレースは予選から決勝の1周目までが大荒れで、以降は特に何も起きませんでしたね。もうちょっと誰かバンドーンにちょっかいを出してくれたら選手権が盛り上がったんですけど(。∀°)
 エバンスがファステストを狙いに行って現実的に出せたどうかを記録されているセクター タイムや自己最速タイムから軽く想像してみましたが、デニスが出した1分25秒497を超えるにはどのみち少し足りないかな、という印象です。塗り替えようとして事故ったら元も子もないですし。
 チャンピオン争いはさすがに決まったようなものではありますが、いよいよ最後のレースですので大逆転とか考えずに最終戦を楽しもうと思います。次戦は最終戦・ソウルです。

コメント

okayplayer さんの投稿…
ロンドンとソウル4戦も貯めてしまってるのに自ら先にブログ読んじゃった笑笑
ナッツィ…やはり悪役は滅ぶ運命…
SCfromLA さんの投稿…
>okayplayerさん

 なんで自爆するんですか笑 悪役はずいぶんと地味に滅びましたね、ひょっとしたらテチーターとかシート空いてるかもしれませんけど。