NASCAR オールスター戦の概要発表

　5月22日にテキサス モーター スピードウェイで開催されるNASCAR Cup Seriesのエキシビション戦・NASCAR All-Star Race、毎年ルールが変わるのでついていくのが大変ですが、2022年の内容が発表されました。忘れそうなのでメモしておきます。

〇出場資格

　まず出場するための資格ですが、

・2021年、2022年のカップ シリーズ優勝者

・今年のフル参戦ドライバーのうち、過去のオールスター勝者

・今年のフル参戦ドライバーのうち、過去のカップシリーズチャンピオン

のいずれかに該当する必要があります。ここ2年は非常に優勝者が多く生み出されたシーズンになっているため、既に多くのドライバーが出場権を得ていて第10戦タラデガを終えた時点で

  1 ロス チャステイン

  2 オースティン シンドリック

  4 ケビン ハービック

  5 カイル ラーソン

  6 ブラッド ケゼロウスキー

  9 チェイス エリオット

10 エリック アルミローラ

11 デニー ハムリン

12 ライアン ブレイニー

14 チェイス ブリスコー

16 A J アルメンディンガー

18 カイル ブッシュ 

19 マーティン トゥルーエックス ジュニア

20 クリストファー ベル

22 ジョーイ ロガーノ

23 バッバ ウォーレス

24 ウイリアム バイロン

34 マイケル マクダウル

45 カート ブッシュ

48 アレックス ボウマン

と合計20人が出場権を得ています。オールスターまであと3レースあるので、最大であと3人増えます。ここに、後述するNASCAR All-Star Openからの勝ち抜けとファン投票によって開催日にあと4人追加されます。

〇予選

　決勝前日の5月21日に、オールスター オープン、オールスターレース、双方の予選が行われます。オープンの予選は単純なもので1台ずつのアタックを行ってタイム順にグリッドが決定します。出走順はオーナー ポイントで下位からです。

　そしてオールスターの予選、こちらもまずはオーナーポイント下位から順に出走して1台ずつのアタックを行います。そして、タイム上位8台が第2ラウンドに進みます。

　第2ラウンドは1対1の勝ち上がり方式で、ピット出口付近に特設のピット ボックスが設置され、2台が並べられます。合図が鳴ったらまずはピット クルーが4輪のタイヤ交換を実施、交換を終えてジャッキが落ちたらドライバーは速度制限関係無しで一目散にピットから発進し、そのままトラックをぐるっと1周。先にスタート/フィニッシュに到達した方が勝者となり、準々決勝、準決勝、決勝と全部勝ち抜いたらオールスターのポール ポジションです。フォーミュラEをパクった気がしなくもありませんw

〇オールスター オープン

　22日の夕方5時からオールスターオープンが行われます。レースは20/20/10の3ステージ制。各ステージの勝者がオールスター本戦への出場権を獲得します。ステージ1/2の勝者はいずれもその段階でレースを抜けます。ファイナル ステージの10周だけは『10グリーン フラッグ ラップ』となっており、コーション中は周回数が増えません。

　そして、ここまででまだオールスターの出場資格を得られなかったドライバーの中で、ファン投票で最多得票だった1名が最後の出場枠を獲得します。ファン投票はこちらから行えます。

　参考までに、過去10年のファン投票での選出ドライバーは、2012年から順に、ボビー ラボンテ、ダニカ パトリック、ジョッシュ ワイズ、ダニカ、エリオット、エリオット、エリオット、ボウマン、クリント ボイヤー、マット ディベネデトー、となっています。超人気物が実力で出場権を得ていないと他の人にはファン投票選出の芽が無いので、人気者が相応に既に出場権を得ている方がファン投票は面白いですw

2021年はオープンでのステージ勝利で出場資格を得たチャステイン

〇オールスター レース

　オープンから2時間後の午後7時、オールスターの本戦が開催されます。レースは25/25/25/50の4ステージ制・計125周。ステージ2と3の間には"スペシャル ステージ ブレイク"があり、ここではピットに入って4輪交換することが義務付けられます。また、以下の特別ルールがあります。

・ステージ1の勝者は、ステージ2・3でいずれも15位以内であればファイナルステージで1位からスタート

・ステージ2の勝者は、ステージ3で15位以内であればファイナルステージで2位からスタート

・ステージ3の勝者は、ファイナルステージで3位からスタート

・スペシャルステージブレイクでピット内の滞在時間が最短だったドライバーは、ステージ3を15位以内であればファイナルステージで4位からスタート

・ファイナルステージの15～25周目の間にコーションが出なかった場合、NASCARが"オールスター コンペティション コーション"を宣言する

　これまでに、各ステージの平均順位だとかポイントだとか、とにかくレース途中で手抜きをしないような設計でファイナルステージをスタートさせようとしてわけのわからん規則が作られてきたオールスター。今年は、単純に各ステージの勝者がファイナルステージで上位からスタートできるように設計されました。

　ただ、ステージで勝った後に手抜きされたら困るので15位以内にはなりなさい、というハードルが設けられています。今年は既に24人の出場が確定していてこれは2008年以来の多さなので、うっかりすると権利を失う可能性はありそうです。

　同じ人がステージを連勝した場合には2位の人が権利を得るのか、あるいは誰も権利を得られないのか、とか、ピットで最速だった人がステージ勝者だった場合はどうするのか、といった細かい規則の文言が公表されていないので、そうなった場合は見ながら理解するしかなさそうですw

　

　そして、ファイナルステージでは中盤にコーションが出なかったら運営側で強制的にコーションを出すように設定されています。まだタイヤを何セット使えるようにするかは分かりませんが、ちょうど折り返し地点にあたるので、ピットに入るか入らないかを迷わせる考えだと思われます。そして、オールスターで優勝すると賞金100万ドルが手に入ります。

　オールスターはレース以外にもイベントが多くありますが、今年はオープンが始まる前の午後3時からブレイク シェルトンによるコンサートが行われます。シェルトンは以前にNASCAR on NBCのオープニング曲・Bringing Back The Sunshineを歌っていたカントリー ミュージックの歌手です。個人的にちょっとデイル アーンハート ジュニアと似てる気がします。

　余談ですが、テキサスモータースピードウェイのオールスター戦の記事に貼られた、既に出場権を獲得しているドライバーの一覧

　トラック側とNASCAR側のどっちが作った画像なのか分かりませんが、19人しかいません。私の間違いでなければ1人足りていないのですが、さてクイズです、誰が足りないでしょうか？w