NCS 第10戦 タラデガ

NASCAR Cup Series
GEICO 500
Talladega Super Speedway 2.66miles×188Laps(60/60/68)=500.08miles
winner:Ross Chastain(Trackhouse Racing/Moose Fraternity Chevrolet Camaro ZL1)

 NASCAR Cup Series、なんだか寒い気象条件が多かったここ数週から一転、日本で言う夏日になっているタラデガへとやってきました。今季2度目のスーパー スピードウェイとなるタラデガ、最も危険なトラックです。


 雲一つなくてガレージ上ではもろに日差しが当たるので、車検の前には車両を傘で守る光景が見られたそうです。これは、熱で窓などが膨張すると車両規定から寸法がはみ出してしまい、ちゃんとしているはずなのに規定違反になってしまう可能性があるためです。

 併催カテゴリーはエクスフィニティ― シリーズ。ポールはジェフリー アーンハートで、このレースで彼のクルー チーフを担当するのは、なんとFOXの解説者としてお馴染みのラリー マクレイノルズ。ラリーは2000年に引退したので、なんと約22年ぶりにクルーチーフ業です。
 レースは複数回の多重事故もあってオーバータイムへ突入。オーバータイムでもクラッシュが続いてトリプル オーバータイムとなり、このリスタートではリーダーのジャスティン オールガイアーがガス欠して加速しないという事件まで発生しました。
 幸いオールガイアーを起点とした事故は起こらずにレースはそのまま継続され、ノア グレッグソンがアーンハートを退けて今季2勝目を挙げました。グレッグソンはJRモータースポーツのドライバーで、オーナーは言わずもがなデイル アーンハート ジュニアなので、ジェフリーの2位とともに『アーンハート家バンザイ』な結果となりました。事故多発で15台がリタイアしました。
 そして、今回カップシリーズのレースでゲスト解説を担当するのはそのジュニアさん。NBCの解説者である彼がFOXのゲストという珍しい体制です。ちなみに来週のゲストは、ラリーが別室ではなく実況ブースに来るそうです。

 そしてカップ シリーズ、ポールはクリストファー ベル。以下マーティン トゥルーエックス ジュニア、ダニエル ヘムリック、ダニエル スアレス、カイル ラーソン、カート ブッシュのトップ6。今季はやや影の薄いトヨタ カムリですが、予選では全6台が12位以内に入りました。
 タラデガの予選なんて参考にもならない気はしますが、台数の少ないトヨタユーザーはなかなか固まって走りにくいですし、他の陣営のドライバーから「この人速いから一緒に走ろう」と思ってもらえることは勝つために必要な要素なので予選で速いのは悪いことではありませんね。

 決勝がスタート、まずは内側をベル、外側をスアレスがリードしたダブル ファイルで静かに展開しますが、8周目に早くも3列目を作る動きが出てきます。スアレスを筆頭にシボレーのユーザーでリバース スキューがけっこう強烈に設定されているように見える・・・w

 この動きでスアレスは3列目の勢いを貰った上でベルの前に下りることに成功。最前列が2列ではなくなったことで上位10台ほどはシングル ファイルへまとまっていき、以降はまだ2列の状態です。うまく展開を利用したウイリアム バイロンが2位で追従。デニー ハムリンとカイル ブッシュはなんか危なそうなので後方待機作戦に切り替え。

 34周目、後方に固まっていたフォード勢がピットに入ると、翌周はトヨタ5台とアレックス ボウマンがピットへ。トヨタはライバルと一緒には動かず少ない台数での行動です。ボウマンは走っている位置取り的にこれが優位と考えたんでしょうが、あまり得策ではない気が。
 さらに翌周にレースをリードするスアレスを筆頭としたシボレー勢が一斉にピットへ。スアレスは先頭を走ったせいか給油量が多かったようでこのグループの後方へ。そして36周目を終えて残る数台・上位のフォード勢とカイルがピットに入ってサイクルが一巡しました。
 サイクルを終えると、最も大勢で入ったシボレー勢の中で作業が早かったカイル ラーソンがリーダー、引き続きバイロンが2位、さらにチェイス エリオットが3位でヘンドリックが1-2-3(;・∀・)
 ヘンドリック無双に待ったをかけるべく外側から上がってきたのは4台のカムリ。バッバ ウォーレスを先頭に猛烈な勢いで追い上げてステージ残り9周というところで先頭まで到達しました。さっきトヨタと行動をともにしたボウマンもこの4台の後ろに付いて引き続き行動をともにしています。
 リード パックでは思わぬ形でもう1つのバトルも勃発。いずれもピットの速度違反でペナルティーを受けたブラッド ケゼロウスキーとロス チャステインが周回遅れとなりこのリードパック内へ。なんとしてもフリー パスを得たいケゼロウスキーは目の前にいるジョーイ ロガーノを押しまくってチャステインを抜こうとします。ロガーノは押されすぎてスピン寸前^^;
 しかし長い隊列の中では目の前の車を押したぐらいでそうそう順位を上げられるものでもなく、最終的にケゼロウスキーはチャステインを抜けなかった上に、隊列から外れたロガーノは捨て置かれました。ただ周回遅れに押された上に順位を下げたロガーノには何の得もありませんでした。たぶんロガーノのアンチは笑ってたことでしょうw

 ステージ残り4周、内側の5列目にいたダニエル ヘムリックの車にエンジン故障が発生したとみられ、ターン3に入った途端に急失速。避けられるはずもなくオースティン ディロンが追突して玉突き事故になり、ヘムリック、チェイス ブリスコー、クリス ブッシャーが巻き添え。3人ともここでリタイアとなりました。
 ECRエンジンは既にタイラー レディックが31周で故障のためにガレージ行きとなってリタイアしており、このレース2台目の問題発生です。これでステージ1はコーション下での終了となり、ウォーレスがステージ1の勝者となりました。

 ピットではヘンドリックが早くてステージ2はラーソンとバイロンの1列目でリスタート。すぐにラーソンが内側に下りて隊列を組みました。ちょうど2列目の内側がエリオットだったので一瞬で内側にヘンドリック編隊完成。ところが、2輪交換で順位を上げて来たエリック ジョーンズが思わぬ速さを見せて、外側の先頭となったことでハンドリック勢にちょっかいを出します。
 うろちょろしていたジョーンズは結局70周目に内側に下りてラーソンを抑えリーダーに。外側の先頭はさっきまでジョーンズを押してあげていたウォーレスで、きれいなダブル ファイルが出来上がりました。

 82周目、その2周ほど前から低速走行になっていたグレッグ ビッフルが自力でピットにたどり着けずターン4出口付近で止まりそうになったのでコーションとなりました。ECRエンジンに本日3台目の故障の疑い、こちらは燃料ポンプの問題だったそうですが、誰か燃料にスイカ汁でも混ぜてるんじゃないだろうか。今季5度目の出場となったビッフルですが3度目のトラブルによるリタイアで、うち2回が燃料ポンプの問題です。このコーションでケゼロウスキーはフリーパスを得ました。

 ここは給油のしどきなので全車ピットへ。大半が給油のみでピットを後にし、86周目にリスタート。しかしターン2でB J マクラウドがスピンしてまたコーション。交換したばかりの右後輪がスピンした時点で既に変な方向を向いており、その後に脱輪したのでおそらく締め損ねです。チームはこれにより大きなペナルティーを受けることになります。

 90周目にリスタート、ところが、

 リスタート直後、外側の2列目以降があまりに近接走行をしすぎてしまい、結果5列目のウォーレスが前にいるロガーノを引っかけて回す形になりました。ロガーノは壁に当たって跳ね返ってきたので後続は避けようがなく、8台が巻き込まれる多重事故になりました。


 混乱が起きた要因の1つは2列目にいたトゥルーエックスの動きでした。先頭のバイロンはすぐに内側に下りてヘンドリック同士で組むことが確実だったので、トゥルーエックスは軽くブレーキを引きずってわざと加速を鈍らせておいて、後続に押してもらうことで勢いよく前に出ることを考えたようです。
 結果、トゥルーエックスの後ろにいたジョーンズはリスタートで全開にしたらすぐに前に追いつき、玉突きで急に車間距離がお互いに詰まって、前後を挟まれたロガーノが回ってしまいました。まだレース折り返しにも到達していない中でちょっとリスクの高い走りをしすぎたような気がします。

 98周目のリスタートからようやくレースが流れました。相変わらず内側でバイロン、エリオット、ラーソンのヘンドリック勢が主導権を握っている様子。この後FOXが私の大好物・Crank it Upに入ってタラデガのサウンドを満喫していたら、106周目にコディー ウェアーがクラッシュしてしまいコーション、至福の時間が急に終わりました(´・ω・`) このコーションでは中団以降のドライバーがピットに入りました。

 111周目、ステージ残り10周でリスタートされるとここでとうとう内側にヘンドリック4台が揃いました。規定によりこの段階でヘンドリックの優勝が決まりました(大嘘)

 一旦シングルファイルになったところからステージ残り3周で何か起こそうという動きが出ましたが、結局トゥルーエックスが4位に割って入ってヘンドリックの上位4台独占を阻止しただけで全くバイロンには届きませんでした。ステージ2はバイロン、エリオット、ラーソン、MTJ、ボウマンの順でした。

 ステージ間コーションではタイヤ交換の有無で順位が変動し、ファイナル ステージはジョーンズとカイルの1列目でリスタート。ジョーンズはここまで右側のタイヤを2回交換しましたが左は一度も換えていません。
 リスタート後まずはカイルがリードしますが、その後ウォーレスの助けを借りたライアン ブレイニーがリードを奪います。ブレイニーが抜けた外ラインではレース序盤に事故に巻き込まれて外装が壊れているオースティン シンドリックが先頭へ。しかし空気抵抗が大きくて単独では遅いので後続が渋滞。これで外側がもたついたせいもあって、隊列はあっという間にシングルファイルになってしまいました。
 
 完全に全車が1列という状態で10周以上走行したのち、再度動きがあったのは残り40周あたり。最後のピットが待っていますので、できれば仲間同士で集まっていきたいところです。すると残り37周、ここまでブレイニーの後ろに張り付いていたウォーレスが突然不意打ち。無防備なブレイニーをかわしてリードを奪いました。カイルがこれに続いて行くはずでしたが、うまく後ろに続けなかった上に、この後滑って隊列からも外れてしまう痛恨のミス。
 
 残り29周、後方のフォード勢が最初にピットへ。翌周にリーダーのウォーレスを筆頭に上位勢の多くがピットに入り、ウォーレスは給油時間が長かったか順位を下げてピットを出ました。翌周も残る車がピットに入りますが、ピット出口でグレッグソン、カイル、クリストファー ベルが3ワイドになってしまい、カイルと接触したベルが接触。ベルは弾かれてスピンしましたが、コーションは出ませんでした。大損したベルはこのレース22位でした。

 サイクルが一巡してリーダーになったのはハムリン。ピット前は3位にいました。これをラーソン、ジョーンズ、バイロン、チャステインが追うシングルファイルです。6位にジャスティン ヘイリー。残りは25周ほど。こうなると残り周回数が少なくなるまでは下手に動かないにらみ合いとなるのが恒例です。

 残り18周、周回遅れに遭遇して隊列が動いたタイミングでラーソンがハムリンの隙を衝いて仲間外れにすることに成功、ハムリンは隊列最後尾まで落ちる危機でしたが、7位にいたカート ブッシュが少しアクセルを戻して間に入れてあげたので事なきを得ました。ここはオーナーとドライバーの関係が生きましたねw

 これで上位5台がシボレー、後ろに3台のトヨタ、そしてまた2台のシボレーを挟んでようやくフォード勢最上位のブレイニー。本格的な動きがあったのは残り14周で、隊列の後方の人はそろそろ何かしないと間に合わないので2列目を作ろうと外へ動きます。こういう時、その前にいるドライバーは瞬時に選択肢から決断を下すことになります。たとえばこんな感じ

A 俺がその前に入ってトップを狙うぜ!
B まだ仕掛けるには早過ぎる、ここは待機だ
C えーっとどうしようかな、あ、抜かれた・・・

 台数が増えるほど隊列が速くなるので自分が参加することで前を追う機会がさらに増えますが、かといってみんながAを選んだら、早めに動いた人は結局埋もれます。誰がその列にいて、どのぐらいの速さで、あとは自分の前で誰がどう動きそうか、ドライバーもスポッターもクルー チーフも常に全体の流れを考えながら瞬時に考える、走りながら数学の問題を解いてるような世界です。

 10位のエリオット、11位のブレイニーはほぼ同時に決断して動き、この2台がタンデムで走って一気に上位に進んで行きますが、シボレー勢の壁を破って前に行きたいはずのハムリンとカートはここでは無反応。おかげでエリオットは6位あたりまで追い上げたところで誰も前に来なくなってしまいます。
 それでも、かなりの台数がこっちについたためにそれなりの速さを得た外側の下剋上組。徐々に前方へと迫って行き、これを見て残り12周で3位のバイロン、2位のジョーンズがこちらへ転属。これで内外が完全に並んだ2列の争いとなりました。これはお客さん大興奮。
 しかし、左側のタイヤが古いジョーンズはどうも押されると不安定で、そのせいでここから外ラインのペースが伸び切りません。上手く押されて先頭に出ることもありますが、やや不安定な動きで下がる時もあります。こういう不安定な流れではアコーディオンが伸び縮みするようになってしまい、隊列の中団以降は安定して前の人を押し続けられないので、どうしても隊列全体のペースが乱高下します。
 
 そして大きな節目が残り4周から3周というフロントストレッチでした。突然内側の5台目にいたカートが目の前にいるハムリンオーナー様を抜きにかかり、ここだけいきなり3ワイドになります。何をいきなりそんな強引な、と思ったらハムリンに燃圧の問題が出たようで、急に失速したから避けたようです。この後ハムリンは失速して18位でレースを終えました。
 この急な動きで5列目以降の隊列が大きく乱れてしまい、さらに内側の3台目にいたヘイリーもこれとは別にトライ オーバル部分でちょっとミスったらしく失速。カートはハムリンを驚いて避けたら、今度は目の前に妙に遅いヘイリーが現れたので慌ててこれも回避、左側のタイヤが白線まで行ったのでスピンするんじゃないかと思いましたが見事に耐えます。43歳のおじさん、まだまだ反射神経は一流です。

 カートは一連の動きで偶然4位へ、一方その後ろは隊列がぐちゃぐちゃになってしまって追いかける速さと結束を完全に失ってしまい、優勝争いは前方の数台に絞られました。リーダーはこの混乱のタイミングでちょうどバイロンに大きく押してもらい内側に降りていたジョーンズ。バイロンからすると、押したら後続がグダグダになっているので自分への助けが期待できない最悪のタイミングでした。

 最終周、ジョーンズ、ラーソン、チャステイン、カート、トゥルーエックスのトップ5でバックストレッチに入ると、ターン3の入り口でカートが動きます。当然トゥルーエックスもセット。
 一方ジョーンズはターン3でラーソンに押してもらいますが、どうもラーソンは最後に逆転すべくあえて距離をとった様子で、ジョーンズは孤立無援。そしてターン4を立ち上がって最後の勝負。ラーソンは狙い通りジョーンズのドラフトを使い、ブロックしようとするジョーンズを避けながら外へ振りました。これは同時に後ろから来ていたカートのブロックにもなりましたが、対カートとしては動くのが遅すぎてほとんど真横からパンチしたような状態になります。カート撃沈。
 しかし、ラーソンもカートに当たったことで少し勢いを失ってしまいました。ジョーンズは孤立したまま。じゃあ一番有利だったのは?

チャステインでした。CoTAでは最後に2台を同時に撃墜して初勝利を手にしたチャステイン、今日はまさかの何もせず真っすぐ走ったら優勝、今季2勝目を挙げました。タラデガでスイカ割り炸裂。売り物にならない規格外品とかを持ってきてるんでしょうかね?ダートだと絶対拾って食べられないので彼はダートで勝たない方が良いと思いますw
 
割ったスイカ片手にインタビューに答えるスイカ男

 今回のスポンサー・Mooseはちょっと言葉では説明しにくいんですが、日本で言うとライオンズクラブみたいなものでしょうか。交流だったり互助だったりを目的とした団体だと思いますが、縁がないのと何かの企業ではないのでちょっとよく分からなかったです^^;
 それはさておき、最後の場面を少し振り返って反省会をしてみましょう。 


 まず、ハムリンのトラブルがレースに大きく影響したのは間違いありません。ここからの混乱で外側の人は全員勝負権を失いました。振り返ると、残り12周でエリオットの前に上位勢が乗っかっていたタイミングでチャステインが動かなかった、というのが彼にとってはポイントでした。
 チャステインはレースのここまでの展開で、何度も急に進路を変えて後ろの車の頭を抑えに行っていたので、ここで無反応だったのは放送席も驚いていました。映像を見返すとエリオットがターン1入り口あたりで急に迫って来たのでラインを変える時間が無くて間に合わなかったようにも見えますが、結果的に正解でした。これでチャステインはラーソンの後ろ、内側の2位となり、ジョーンズが残り3周で下りてきたことで3位となります。外に行ってたら勝負権は無かったかもしれません。

 そして最終周、ジョーンズはまんまとラーソンに孤立させられたので、よほど完璧なブロックをしない限り勝ち目はありませんでした。ラーソンは最後の最後にひっくり返せるように距離を調整しましたが、調整した結果カートに追いつかれてしまったため、ジョーンズを抜こうとしてカートと接触。カートからすると、

 この位置関係になった時点でラーソンの身動きを封じたようにはなりましたが、ラーソンがお構いなしにいきなり右に動いたので吹っ飛ばされました。後ろにトゥルーエックスがいたので、もっと右側へ行って遠く離れた位置でタンデムで攻めても良かったかなあと思いますが、全ては一瞬の出来事、紙一重です。
 チャステインの後ろにも複数の車が連なっていましたが、ラーソンが待ったことで全員詰まり、特にオースティン ディロンは絶妙な距離からすごい勢いで追いついてきましたが、チャステインにごっつんするしかなくて、ここから再度ドラフトを使って抜き返せる人がチャステイン以降に誰もいませんでした。ゆえにラーソンが動いた後は特に無理な動きをする必要もなく、チャステインは真っすぐ走るだけでした。

 カートはこの直前のターン3入り口でチャステインをかわしにかかりました。チャステインがブロックしてくるのを避けるためにギリギリまで待ったんだと思いますが、チャステインが一瞬寄せたのに反応してステアリングを戻したと思われ、大回りすることになりました。
 トゥルーエックスはそのカートの動きを見てから急に合わせたからか、単にライン取りが窮屈だったのか、カート以上に大回りでターン3に入ってしまい、そのせいでカートを初めて押せたのはターン4を立ち上がって短い直線に入ってからでした。ターン3の回り方次第ではカートが勝っていてもおかしくなかったので、そういう点で非常に惜しかったと思います。

 チャステインにとっては全てがうまく自分に流れてきました。速さと戦略と、ちょっとした運が全て重なった時にしか勝てないのがスーパー スピードウェイですが、チャステインは全てを持っていました。もしまだ未勝利だったら、もう少しどこかでがっついていたかもしれないので、既に1勝したというのは見えない部分でこの2勝目に貢献したのではないかと感じます。

 で、このスクリーンショットで右下に見切れてるのがウォーレスですが、この後クラッシュしたカートの車が跳ね返ってきて右リアに引っかかり、かなり激しく壁に当たりました。23XIレーシングは一瞬で2台ともクラッシュしました。これを不愉快に思ったのが共同オーナーのハムリン。自身もまたトラブルで結果が出せずかなりイラついたんだと思いますが、翌日に問題行動を起こしてしまいました。
 Twitterに最終周のクラッシュ映像と、Family Guyというアニメの一場面、アジア系女性が拙い英語をしゃべりながら無謀運転している場面を組み合わせた動画を「何も言わずこれだけ置いとく」というコメントとともに投稿。
 軽く調べたところ、このアニメはブラック ジョークが多い、というかたぶんちょっとお下品なアニメじゃないかと思うんですが、ちょくちょく差別的表現をすることのあるアニメだそうです。ご存知の通りラーソンは日系4世のドライバーであり、この場面を持ってくるというのはアジア人差別と解釈されて然るべきものでした。ハムリンはその後ツイートを削除して謝罪しましたが、NASCARから感受性訓練を受けることを命じられたようです。

 全体としては多重事故は2件、ファイナルステージはコーション無しと比較的落ち着いた(?)レースでしたが、そのわりに見どころがあって結構楽しかったです。スーパースピードウェイは単純に見えて、むしろ見た目が単純すぎて、どう難しくて何が起きて誰が何をどうしたのかが分からなくて初心者の方は案外面白くなかったりするので、今回は一部を細切れにしてその一端を私なりに考えてみました。
 全体を眺めながら「この人はこうしたいんじゃないかな」「こうなると次はこういうことが起きるな」と俯瞰して予想しながら観戦すると面白いレースなので、クラッシュや追い抜きという『点』ではなく、走行している車両全体の『面』でレースを見てみることをおススメします。これにハマるともう他のカテゴリーには戻れませんw

 さて、次戦はドーバーです。なお、次回のスーパースピードウェイは8月末のデイトナ、『なんちゃって』スーパースピードウェイのアトランタは7月です。


コメント

ChaseFun9 さんのコメント…
正直最高のレースでしたね!やっぱスーパースピードウェイはオーバータイム無しでターン4を越えてその先まで駆け抜けるのが一番です!
最終結果こそは伴いませんでしたがHMSは強いぞおおおおおお
まっさ さんのコメント…
ひゃっっっっっっっっっっっっっっっっっっっほーい♪( ´θ`)ノ 🍉🍉🍉🍉
特大スイカ割りズラ〜〜〜!!!!!!!!
特大スイカ割りズラ〜〜〜!!!!!!!!

ちゃんと燃料を濾してタネを除去して詰まらせなかったのが勝因だとか、そうでないとか。
地味にスーパースピードウェイでシングルフィニッシュしてたりするので初勝利はデイトナかタラデガかなぁとも思いつつ、まさかの2勝目!

とりあえずシリーズ最終戦がダートにならない限り、もしかしたらのもしかしたらがあるかもですよ!
プレーオフを戦ったことが無いのがちょっぴり不安。

1勝してるかしてないかはデカいんですねぇ(スイカもデカい)
カート師匠とチームメイトになった時に色々技を覚えたのでしょう。
医者様神様カート様!
ラーソンとの元42号車対決で勝ったので去年の借りは返させて頂きました。


ひゃっっっっっっっっっっっっっっほーい♪( ´θ`)ノ

スパイアー時代でも地味にリードラップ取れる実力あったんでその時に目をつけれたあなたはセンスありますよ〜。
それにゼッケン1番はなんだかんだ速い方が面白いですよぉぉぉぉ。
ハットリレーシング時代も1号車だったなああ

あああああああああああああああああああああ
今シーズンあと何回おかしくなればいいのでしょうか。。。。
ZURA様ご提供ミニカーが増える増える(((o(*゚▽゚*)o)))
ご馳走様ですぅ
日日不穏日記 さんの投稿…
「クラッシュや追い抜きという『点』ではなく、走行している車両全体の『面』でレースを見てみる」・・・確かに僕はレースを『点』で観てますね。スーパースピードウェイがイマイチ面白く感じなかったのは、そういう点があったかも。解説面白かったです。
チャステインにはおめでとうを言いたいですが、カート惜しかった。スーパースピードウェイ以外で、勝てるチームとは思えないので、デイトナ、タラデガ、アトランタしかチャンスないし・・・。ま、ケセロウスキーも同じなんですけどね。ハムリンの後日談は置いといて、僕はラーソンが嫌いになりました。レーシングアクシデントと割り切ってはいるんですけどね。
首跡 さんの投稿…
ジョーンズは惜しかったですが、チャステインの雄叫びが聞けて良かったです!
今季はトラックハウスだけでなく、ペティーGMSも調子良さげで正直驚いてます。
23XIはカートがかなり奮闘してますが、バッバもガンバレ!
SCfromLA さんの投稿…
>ChaseFun9さん

 真っ向勝負の潔い感じがいいですね!常に3~4台集まっていたHMSの強さは見事でした!
SCfromLA さんの投稿…
>まっささん

 既に今季何度目かのハイテンションw 実際経験のあるベテランと組んで得たものって大きいと思いますね。もうプレイオフ決まってるので、次のデイトナではぜひカート師匠にスイカ奢ってあげてくださいw
SCfromLA さんの投稿…
>日日不穏日記さん

 ありがとうございますm(_ _)m 最後はなんでもありになるとはいえ、クリアになっていない状態でいきなり横に動いて吹っ飛ばしたのは事実なので、ラーソンが非難されるのは仕方ないかなと思いますね。ちょっと自分vsジョーンズのシナリオだけに捉われすぎて周りが見えてなかったかなとも感じました。
SCfromLA さんの投稿…
>首跡さん

 今年の流れを見てると、もうちょっとで勝てそうな人がちゃんと勝ってるので、ジョーンズも期待したいですね。ウォーレスは逆にスーパースピードウェイ以外で勝てそうな雰囲気が出てこないのが気がかりです。やっぱりカートはすごいんだなと思わされますね。
カイル・プッシュ さんのコメント…
ブリスコーが押してあげる間もなく、レディックはリタイヤしちゃいましたね。仕事を失ったので、ブリスコーも早々にリタイヤしたのでしょうか。
冗談はさておき、面白いレースでしたね!シングルファイルでダラダラ走るシーンも少なかったですし、ラストのダブルファイルになってからは見応えがありました!ジョーンズかウォーレスが勝つのかなって思って見てましたが、あんなラストが待ち構えていたとは!
スーパースピードウェイ、ボクは好きです!

SCfromLA さんの投稿…
>カイル・プッシュさん

 個人的にレディックがダートの借りを返すシナリオにそこそこ期待していたのでションボリでした。たしかに多くの時間は2列で走ってたので何も起きないわりには緊張感があって映像的にカッコよかったですね~
Cherry さんのコメント…
タラデガ前日にNASCAR HEAT5で100%レースをしたのですが、僕と同じムーブを最後にして優勝をかっさらわれたジョーンズの気持ちが凄くわかりますw僕はBJに負けました...
ロスが絶好調な一方先輩としての面目がピンチなスアレズが心配です。地道にコツコツポイントは稼いでいるようですが16位にいるシンドリックに、最早16位以内にすらいないハムリンが彼のプレイオフ行きには邪魔そうですね。やはり勝つしかないのか...
そして晩年のJJ(死んでない)並に低迷するハムリン。まあまあ強いウッドブラザーズのシートを奪った割に活躍しないハリソンも心配ですね。特にハリソンに関しては下手したらヘムリックの二の舞いの可能性も!?w
最後に我が推しチェイスEも早く優勝してほしいですね。ポイントではリードしているところは流石だなと思いますがファンからしたら全くもって安心できません。
久しぶりにコメントするので言いたいことを書き殴らせていただきましたw
SCfromLA さんの投稿…
>Cherryさん

 ゲームでもやっぱり先頭に押し上げられると優勝をかっさらわれますねw
ハムリンは車の故障に泣いている面が大きいのでまだ良いとして、ハリソンは存在感が無さ過ぎて私もかなり気になっています。いくら若手の伸びしろに対する期待値があるとはいえ、たぶんMattDならここまで低迷はしてないと思うんですよね。
ただ、ぱっと見エクスフィニティ―にフォード系の若手で「こいつだ!」ってのがあんまり見えてこないところを見るとやや人材難な感じがあるので、ハリソンを仮に手放してもまた他陣営でシートが無い人の引き抜きになるのかなあ、とか早くも来年が気になって来たり^^;