SGT 第6戦 オートポリス

2021 AUTOBACS SUPER GT Round6 AUTOPOLIS GT 300km RACE
オートポリス 4.674km×65Laps=303.81km
GT500 class winner:ARTA NSX-GT 野尻 智紀/福住 仁嶺
(ARTA/Honda NSX-GT)
GT300 class winner:TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT 嵯峨 宏紀/中山 友貴
(apr/TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV)


 SUPER GT 第6戦はオートポリス、昨年は開催されなかったサーキットです。全戦出場している車両にとってはこのレースを終えるとサクセスウエイトが次戦はポイント×1kgになるのでちょっとホッとします。緊急事態宣言が全国で解除されたこともあって外国人選手に対するビザの発給が可能となり、開幕から不在だったKeeper TOM’S GR Supraのサッシャ フェネストラズがようやく参戦となりました。
 このレースではGT500のトヨタ勢3車、そのKeePer TOM'S GR SupraとENEOS X PRIME GR Supra、ZENT GR Supraの3台に3基目のエンジンが投入され、レース前からペナルティーが確定します。スープラは全車が第5戦で2基目の新しいエンジンを投入したものの、信頼性に問題があったのかトラブルが相次ぎ、この3台は2基目の継続使用を断念したようです。
 さらに、フリー走行ではGT300クラスでARTA NSX GT3・佐藤 蓮がクラッシュして前部を中破。予選までに修復は間に合ったものの、ボンネットはデカールが貼られていない素体でした。

 予選、GT300クラスのQ1・A組ではGT300マザーシャシーとGTA-GT300規定の車両が上位を独占し、TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTの中山 友貴が最速。そもそもランキングを偶数と奇数で分けた結果こちらの組に非GT3勢が固まりすぎてたので他の車はやや不運な感じがありました。
 B組ではUPGARAGE NSX GT3がトップになりますが、2台のGRスープラは2位、3位で順当にQ1を通過し、結局Q1で脱落した非GT3車両はたかのこの湯 GR Supra GTの1台だけとなりました。この車は100kgウエイトなので仕方ないところでしょう。

 Q2、100kgのウエイトを積んでなお速いSUBARU BRZ R&D SPORT・山内 英輝がコース レコードを更新するタイムを記録して暫定トップに立ちますが、これをプリウス31号車の嵯峨 宏紀が塗り替えてそのままPPとなりました。3位に埼玉トヨペットGB GR Supra GTとGT300規定車両でトップ3を独占、GT3勢のトップはLEON PYRAMID AMGの4位でした。LEONはちょっとタイヤのピークとアタックのタイミングが合ってなかったように見えました。
 B組で最速だったUPGARAGE NSXは小林 崇志が好タイムを記録していましたが、途中で頑張りすぎてはみ出してしまい、翌周の2アタック目にはもうタイヤのピークが終わったようでボロボロになって10位。本来なら3~4位を争えていたと思うので勿体ないQ2となりました。


 GT500クラス、Q1では2周連続アタックに向かったものの途中で止めた・ミスった人が複数いてセクター3でちょっと気になってしまう事案がちらほらとみられましたが、映像で確認できた範囲では引っかかった側の人がなんとかQ1を突破していた様子。Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT・大湯 都史樹がコース レコードを更新して最速、Modulo NSX-GTが続いて本日もダンロップのNSXがトップ2独占。
 Q2でもレッドブルNSXが魅せ、笹原 右京がPPを獲得しました。僅か0.007秒差という驚きの僅差でENEOSの大嶋 和也が2位、Moduloの伊沢 拓也が3位となります。ENEOSはペナルティーでレース開始後すぐにいなくなるので、実質ダンロップのNSXがトップ2です。フタ発生か、そのまま逃げ切りか。。。

 気温12℃、路面温度20℃と予選よりも寒くなってしまった決勝。2周のフォーメーション周回を設けたのにその2周目にグランシード ランボルギーニ GT3が飛び出しており相当タイヤが冷えているようです。
 GT500はスタートで少し前との間隔を開けたENEOSの山下 健太が猛烈な攻撃、第1ヘアピンでレッドブルの大湯を抜いてトップへ。ハンデの割に妙に予選が速いし、最初からペナルティーが決まっていることを鑑みるとタイヤ選択で攻めている可能性を感じます。
 大湯はターン1の出口で思ったより曲がらずに踏むのが遅れた様子。対ENEOSは無理しなくて良い場面ですが、ちょっとタイヤをロックさせて無駄にタイヤを使ってしまった感があります。GT300は2位のBRZ・山内がダンロップの発熱特性の良さで前を狙いましたがプリウス・中山が阻止、上位7台に順位変動なくレースが始まりました。

 エンジン交換によるペナルティーは機械的に『スタート後〇周以内』ではなくペナルティーの指示が出た段階で発行されます。5秒停止ペナルティーなので複数台同時の消化ができないため、順次指示を出すしかないんですね。ENEOSにペナルティーが出たのは6周目に入るところ。ちょうどこの周の終わりでGT300の後方集団に追いついてしまい、ENEOSは築いたリードをやや吐き出してピットへ向かいました。

 GT500はペナルティー消化が順次終わってRed Bull、Modulo、そしてARTA NSX-GTとNSXがトップ3。続くのがMOTUL AUTECH GT-Rです。MOTULはいつも通りスタート直後にタイヤの発動の早さで何台か抜けるかと思いましたが今日は何も起きませんでした。
 10周目、GT300のアールキューズ AMG GT3が第2ヘアピンでクラッシュ。植毛ケーズフロンティア GT-Rに追突されたようです。車両はコース外でしたがかなりの破片を撒いたのでFCYとなり、その後SCへと切り替わりました。これでペナルティーを消化したスープラ3台は隊列後方に追いつきます。もし3台の誰かがちょっと入るのを引っ張っていたら、ZENTは消化する前にSCになって大損するところでした、危ない危ない。
一瞬ARTA NSXかと思った^^;

 17周目にリスタート、SC中にGT300のたかのこの湯スープラがピット作業を行って多少なりとも順位を上げようと戦略をいじってきました。
 リスタートは両クラスとも平穏でしたが翌周に信じられないことが起こりました。なんとターン1を出たところでレッドブルNSXの右後輪がいきなり脱輪。当然ながらこれでリタイアとなります。


 幸いにして外れたタイヤはコース内で往復した上にそれが誰にも当たらずコース外に出ていったので二次災害は起こりませんでした。今のところ原因は不明ということですが、人為的なミスなら絶対あってはならないことなので、これはSUPER GT全体で改めて注意喚起をチームにしないといけないと思います。不具合の場合はそれが他車にも起こり得るものなのか、という情報共有や再発防止策も必要ですし、終わったからなんとなく収束、ではなくて調べられる範囲の情報は積極的に開示してほしいなと思います。

 さらに事件は続き、19周目にターン3で植毛GT-Rとarto RC F GT3が接触。植毛が左のガードレールにぶつかった後跳ね返ってもう1回RC Fにぶつかりコース上を破片が横断する大惨事。植毛GT-Rは衝撃で足回りが壊れて脱輪するほどの衝撃で、当然ながらまたSCとなりました。
植毛GT-R、全身脱毛・・・

 前戦までRUNUP RIVAUX GT-Rに乗っていて、今回は植毛のドライバーだった内田 優大。50歳だった2014年にランボルギーニ スーパートロフェオ アジアでレースにデビューしたジェントルマンですが、この場面は抜きに行ったというよりもブレーキを合わせ損ねて追突しそうになったのでインに入って結果的に抜いた、という風に見えました。
 この場面の接触はレーシング インシデントに近いので、『ちょっと危ない運転だったかも』という程度に見えますが、AMGへの追突は映像が無いので詳細が分からないとはいえ、単独の事故だとしたらやはりブレーキの合わせ損ねに見えるので、ひょっとしたら集団戦でリズムをうまく合わせられなかったのでは、という気がしました。
 あるいはブレーキ等に何かしらの問題があって止まりたいけど止まれない事情があったのかもしれませんが、何にせよもう少し分かる映像に出てきてほしいところです。大半の人には興味がないかもしれないGT300後方の出来事ですが、植毛GT-Rのことですから私としては放ってはおけませんw


 この2度目のSC中にレースは23周目に入ったので、リスタート直後にドライバー交代へ向かうことが理屈の上では可能となります。GT300では後方の車両がまたSC中に給油とタイヤ交換を行う戦略を採用するチームが出てきました。後方だと何もしないより遥かに何かを起こせる可能性がありますからね。

 25周目にリスタート、4位のDENSO KOBELCO SARD GR Supra以降の6台が早速ピットに向かいます。GT300も多くの車がピットに入ったので混雑してしまい、危うくまた惨事が起きるところでした。
 26周目には2位のARTA、27周目にMOTUL GT-Rもピットに入ります。ARTAはピット組でトップとなりますが、MOTULの方はそうはいかず実質6位まで後退しました。
 29周を終えてリーダーのModuloがGT500で最後のピット、伊沢から大津へと交代して30秒で作業を終えますが、ターン1でARTAの野尻があっさりかわしていきました。大津はなんとか2位で耐えたかったんですがタイヤに熱が入る前にDENSO・中山 雄一、そしてSTANLEY NSX-GT・山本 尚貴に続けてかわされました。え、またSTANLEY表彰台圏内ですか!?
 しかし32周目、熱の入った大津がすぐさま追い上げて山本を抜き返し3位となると、立て続けに中山もかわして2位を取り替えします。さっさと入った人は燃料とタイヤ、両方の管理が必要とは言え、タイヤが良い状態のうちに2台を一発で抜いてしまった大津は非常に素晴らしい仕事です。

 一方GT500がハゲしくて忘れられていたGT300はピット サイクルを概ね終えるとプリウスが引き続き実質のリーダーですが、K-tunesがすぐ後ろ。BRZはピットを出た直後にこの2台に抜かれて3位です。選手権トップの立場でこのレースを3位で終えられるなら大満足でしょうが、まだレースが半分以上残っています。

 予選で5位だったK-tunesは2回目のSC時点でも変わらず5位。リスタート時に前方の2台がピットに入ってちょうど前が開けたので新田 守男は飛ばしておいてピットに向かい、阪口 晴南へ繋ぎました。阪口はフェネストラズの代役として開幕からGT500にいたのでGT300のRC Fに乗るのは今年初めてとなる”復帰戦”ですが、ピット前後のドライバーとチームの頑張りで実質2位まで押し上げてきました。

 GT500、大津はすぐに野尻に追いついてNSX同士の争い。野尻は35周目、36周目と立て続けに最終コーナー出口でGT300に引っかかって真後ろにつかれますが大津に決定打を与えません。3位のDENSO・中山は10秒後方で3位争いをしているので当面この2台の一騎打ちとなりますが、GT300との絡みもあったかこの後徐々に離されてしまいました。一方GT300はプリウスが後続を千切っていって10秒以上の大差となり久々の優勝が見えてきます。
 
 40周目、GT300で最後までピットに入っていなかったGAINER TANAX GT-Rがピットに入ると5位でコースに復帰。22位スタート、2回目のリスタート時点でも13位でしたから大躍進です。一方BRZの井口 卓人はさすがにいつまでも前についていくというわけにはいかず、逆に後ろから埼玉トヨペットGB GR Supra GTの吉田 広樹が接近。井口は福岡、吉田は熊本の出身でいずれも九州の地元ドライバーです。

 一方GT500は1位と2位がすっかり大差になりました。大津はペースが落ちて来たようで、ハゲしい3位争いをしている人たちがバトルしながら追いついてきます。その3位争いはMOTUL AUTECH GT-R・松田 次生がSTANLEYの山本を抜いて4位となり3位のDENSO・中山に迫りますが、最大燃料流量に1段階の差があるので抜けそうで抜けません。
 山本はおそらく単独のペースなら負けているんですが、GT300の処理やらバトルやらがあると追いつけるので、自分のレースをしてひたすら機会が訪れるのを待っている感じです。機会が来ないのなら、後ろに追いつかれたくないからさっさと遠くへ行ってくれ、という状態です。

 53周目、とうとう3位争いが2位争いになってしまいダンロップ渋滞発生。ターン1~2で並んだ大津と中山の2台のそのさらに内側に松田が入ったら道幅が無くてダートを滑走、危うく大事故になりかけます。松田はどうしても隙間に無理に入ってしまう癖があるので時々危ないですね。
 しかし争いは続き、その先の第2ヘアピンで大津はとうとうお手上げ。中山に内側に入られてしまうと、松田、山本と後続車全員に抜かれ、その先でZENTの石浦 宏明にも抜かれて、コーナー2つで4つも順位を下げてしまいました。ちょっとスティント序盤に攻めすぎてタイヤを酷使したでしょうか、結局ModuloはGT400クラスと化してまさかの12位で終えました。

 翌周、石浦は何かトラブルが出たらしい松田と抜くと、中山もあっさり抜いてなんと2位。ペナルティーを完全に吹っ飛ばしてお釣りが来たぐらいの状態で3基目のエンジンがゴキゲンです。なおトップのARTA・野尻は30秒前方でテレビに映りません。GT300の方も残り10周でプリウスが22秒の大量リード。3位の九州男児争いがまだ続いています。
 
 残り8周、松田が第2ヘアピンで中山をかわし、クロスを狙った中山でしたがさすがに諦めてこれでMOTUL GT-Rが3位となります。


 残り3周、引き続き4位の中山を追っていた山本でしたが、後ろからCRAFTSPORTS MOTUL GT-Rの平手 晃平が登場。第2ヘアピンで仕掛けられると無理せず前に出します。平手もありがとうハザードで応え、中山を残り少ない時間で攻撃。GT300の方も九州対決にタイヤの新しいGAINER GT-Rの平中 克幸が追い付いて最終盤で3台の争いになりました。平中は北海道出身。

 最終周、平手がターン1で仕掛けると中山はブロックを試みたものの止まり切れずに滑ってしまい、クロスで平手が前に出ました。お見事!これでミシュランのGT-Rが3位、4位です。

 結局GT500はARTA NSXが2位に28秒差と大差での優勝、そもそも今シーズンのチャンピオン候補と言われ、毎戦のように優勝候補に挙げられながら噛み合いませんでしたがようやくの1勝で前戦SUGOでの大失敗をいくらか取り返しました。ZENTスープラ、MOTUL GT-R、CRAFTSPORTS GT-R、DENSOスープラのトップ5。STANLEYは6位でしたがそもそも13位スタートで入賞も難しい100kgハンデなので100点に近い結果でしょう。
 ZENTはペナルティー消化で当然ながら1回目のSC時には後方、ピットを最後まで引っ張ったので第2スティントもGT500で最後尾の14位だったんですが、コース上で1位のクルマ以外全部を30周ちょっとで抜いてきたということになります。どんだけ~。

 野尻はこの前週に開催されたスーパーフォーミュラで最終戦を待たずして初のチャンピオンを獲得しました。この翌週もまたスーパーフォーミュラが開催されるので、持ち越していたり、万一ライバルに迫られていたらなかなか精神的にも大変なところでしたが、チャンピオンを決めた上でここに乗り込み、そしてSUPER GTでも結果を出した。完璧に近い2週間ですね。


 そしてGT300はプリウスが最後は何かしらペースが落ちて追いつかれていましたが優勝。K-tunes RC F、BRZ、埼玉トヨペットGBスープラ、GAINER GT-Rとなり、3位争いは変動がありませんでした。井口と吉田はレースの半分以上をずーーーーっと一緒に走行。途中第2ヘアピンの出口でミスった井口に吉田が追突して、スープラにBRZの空力部品が刺さったっぽいですが、ずっと緊張感のあるレースをミスなく戦ったと思われます。もし車載が公開されたら一見の価値がありそうです。

 aprのプリウスは2019年から規則によりエンジン搭載位置をベース車両から変更できなくなったために、それまでのMRからFRに変更したプリウス PHV GR SPORTになりました。aprは長年GTに自社制作の車両で出場し続けていますがずっとMRばかりでFRは初めて。(かつて一度だけ、メルセデス ベンツを取り扱う外国車ディーラー系チームとの繋がりでFRを作る構想があり図面も引かれたが、作成はされなかった)
 そのせいもあったでしょうし、もちろんBoPの設定などの側面もあったでしょうが、デビュー以来苦戦続きでMR時代にはチャンピオンを争うこともあった彼らが表彰台すら無し。今季もハイブリッド非搭載の30号車が2度入賞しただけで、こちら31号車はなんと無得点でした。
 元々このコースはGTA-GT300に向いているコースですし、高地でのレースでは内燃機関、特に自然吸気エンジンでは出力が低下する一方、電気モーターは空気密度が関係無い(冷却系には影響があるが)のでその点でも相性が良いはずのコースでした。
 aprは埼玉トヨペット グリーンブレイブが製作しているGRスープラ GTも設計に協力していて言うなればプリウスとは親戚みたいな車なので、aprがFRを作ったら遅い、というはずはなく本来ならもっと速くてもよかったんですが、やはりベース車両のサイズや、31号車の場合ハイブリッドという余分な仕組みがあることが、重量物が前にあることで上手く行かない壁になっていた部分はあったんだろうと思います。
 このレベルのチーム・車両がまさかウエイトを1kgたりとも詰まずにこのレースを迎えるなんてことがある種の想定外ですが、その追い風にも助けられてようやくの結果でした。プリウスを応援している私としても、やっと勝ったのでホッとしました。

 しかしBRZの3位の方がよほど驚きで、BRZはここと相性が良いし、ダンロップも比較的強いコースではあるんですが、じゃあウエイト乗せてなかったらどんだけ速いんだ、というところです。


 さて、シーズンは残り2戦となりましたが、ドライバー選手権は




 GT500は山本が事実上16点差を付けています。2位の牧野はチームメイトなのでこれを上回ることは通常ありませんが、万一山本がCOVID-19の検査で陽性となるなど欠場を余儀なくされる事情が起きてしまった場合でも、彼にはチャンピオン獲得の可能性がかなりあるという状態です。
 残る2戦はもてぎと富士ですが、NSXはいずれのコースも比較的得意にしています。なにせSTANLEY NSXはセッティングを外さないし、徹底的なドライバーの役割分担とその役割をこなす精度の高さがあります。スープラ勢としては最終戦の富士でスープラが上位を占め、かつ最多得点車両が1位になるような環境を作らないと逆転は簡単ではないでしょう。
 山本は残る2戦で26点以上を獲得すると自力でチャンピオンが確定します。仮に2戦で15点獲れれば、塚越/バゲット組は31点が必要になりますから、1勝してなおかつ連続表彰台が必須と言えます。
 ホンダ内でもAstemoはなかなかSTANLEYに対して圧倒的に勝るレースがない、というかSTANLEYが高値安定しすぎてカイル ラーソン状態なので、Astemoが上位にいる≒STANLEYもだいたいその近くにいることになっており、自分たちが高得点で相手が獲れない、ということになかなかなりません。第7戦を終えてホンダ内で最上位でないと、メーカー内での優先権、主導権も取れないですしね。

 GT300はBRZが100kgで3位になったためにこちらも大きなリード、ただGT500と違って残る2戦は苦手コースです。しかも寒い時期はあまり得意ではない傾向がありますね。逆にリアライズGT-Rはその2戦が得意分野なので、見た目の点差ほど大きな差ではないように感じます。
 BoPの状況や今季のGT300規定車両の速さを考えるとLEON AMGはちょっと厳しそうです。なんというか、GRスープラがAMGの上位互換みたいになっていて、スープラより前でゴールできるイメージが沸かないんですよね。どこでも速いGRスープラはタイヤとのマッチング次第で残りの2戦で荒稼ぎもあるので、GT300は最終戦の予選を終えるぐらいまで全然方向性が見えてこないような気がします。

 次戦は間隔が短くて11月6~7日にツインリンクもてぎです。

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