Formula 1 Heineken Dutch Grand Prix 2021
Circuit Zandvoort 4.259km×72Laps=306.648km
winner:Max Verstappen(Red Bull Racing Honda/Red Bull RB16B-Honda)
F1第13戦はオランダ、1985年以来36年ぶりの開催です。私が生まれる前の話ですね(;・∀・)。開催地は当時と同じザンドフォールト、DTM好きにはお馴染みのあの狭くて中盤はうねうねしたレイアウトですが、F1開催のために改修工事が行われました。
従来はピットを出るとすぐターン1に差し掛かって、白線は実線ですらなく点線でしたが、改修で合流地点はターン1の先へ。ターン3はブリストルのようなバリアブルのバンク角がつき、最大19°とオーバルを除けば現代では異例の高さ。レコード ラインが大外という異例の光景が見られます。
最終のターン14も18°のバンク角、どうしてもここはDTMで2004年にピーター ダンブレックがクラッシュして大破した印象があるのでちょっと怖いんですが^^; シケイン状のターン12の内側は改修前は車体の1/3ぐらいは内側をカットできるような緑色の舗装+ランブル ストリップスでしたが改修で取り除かれ、カットすると砂を搔き出すようになってますね。
この週末に向けては、キミ ライコネンが今季限りで引退することが発表されました。ところが、金曜日のフリー走行まできちんとこなした後になんとCOVID-19の検査で陽性となってしまいこのレースに出ることができない、という思わぬ事態が発生しました。ロバート クビサが代役として出場しましたが、土曜日からのいきなりではどうしようもなく、予選18位決勝15位でした。
新しいコースな上に特殊なコーナーもあるので金曜日からの3回のフリー走行で赤旗4度、セバスチャン ベッテルはトラブルで止まった車を自ら消火、なんてことも起こりつつ迎えた予選。Q1では路面がセッション中にものすごくよくなって1秒ほどタイムが向上。当然最後にみんなタイムを出そうとしますが1周が短いので大渋滞になってしまい、結局セルヒオ ペレスがアタックできずにうっかりQ1で脱落してしまいました。ペレスはこの結果を受けてPU交換を行いピット レーンからスタートすることにしました。
Q2では今回もジョージ ラッセルが魅せてくれますが、追い風の影響か、ちょっと調子が良すぎて攻めすぎたかターン13で単独クラッシュし赤旗を招いてしまいます。さらに再開後にはニコラス ラティフィーがターン8の進入で僅かに左後輪を砂に乗せてしまって自爆。これでまた赤旗となってQ2が終わってしまい、2回目のアタックをし損ねたランド ノリスが脱落してしまいました。
Q3、マックス フェルスタッペンが1'08.923という他を凌駕する速さを見せ、見ていて「もう2回目のアタックいらんのんちゃうん?」とか思いました。ただこれでもミスをしたタイムなので2回目に臨み、これを僅かに更新して1'08.885。なんと最後の直線ではDRSが不具合で開かず、途中手が滑ってシフト操作もミスしていましたそれでも更新してきました。
ただそれ以上に驚いたのは、さっきまでフェルスタッペンに0.3秒は届いていなかったルイス ハミルトンがなんと2回目のアタックで1'08.923を記録したことでした。もしフェルスタッペンが更新できていなかったら完全同タイム、ハミルトン恐るべし(;・∀・)バルテリ ボッタス、ピエール ガスリー、シャルル ルクレールのトップ5。ペレスが後ろに行ったのでガスリーが代わりにメルセデスを揺さぶるしかない!たぶん無理やけど!
スタート前からお客さんがオレンジ色の発煙筒を発動させてしまって最終コーナーあたりが若干視界不良の中でレース開始、フェルスタッペンはきっちりスタートを決めると早々に混戦を脱出。上位6台は予選順位通りにレースが流れます。ミック シューマッハーは1周目の終わりにニキータ マゼピンを抜こうと近寄ったらウイングを踏まれました(´・ω・`)
後方から出たペレスはハードで長く走って戦略で何かしらやりたかったはずですが、マゼピンを抜こうとして思いっきりロックさせてしまいタイヤが死亡。ミディアムに早々に交換する羽目になってしまいました。結局このレースを8位で終えてドライバー オブ ザ デイももらえましたが、なんかちょっと違う気が・・・w ガスリーが益々切れ味を増してるから気を付けないと思い付きである日交替させられないかまたこのチーム特有のゴタゴタが起こりそうでフアン パブロ モントーヤ、じゃなくて不安になってきました。
DTMですら追い抜けないコースなので追い抜きが起きるはずもなく、フェルスタッペンは少しずつハミルトンを引き離していきます。ハミルトンは必死過ぎるのか、無線の調子が悪いのか、時々無線の内容を聞き取れず聞き返している模様。
そんなハミルトンは20周を終えてピットへ、ソフトからミディアムへ繋ぎます。既に3位のガスリーは大きく離されていて入って出ても上位3位の中でしか変動がないため、1ストップで行けたら行くし、無理ならもう1回入れば良く、そして普通にやってもフェルスタッペンを倒せそうもないのでのである意味やりたい放題です。
これを受けて翌周にフェルスタッペンもミディアムへ。事前の戦略がどうであれ、フェルスタッペンとすれば相手と同じ事をしていれば危険性は特にありません。ピット前より1.5秒ほど差が縮まったのでアンダーカットの効き目は強そうですが、それでもまだ2秒差なので問題無し。ただ、ラーメン屋さんがまだ入っていないので、ひょっとしたら壁にされるかもしれません。
24周目、フェラーリが動く構えを見せたからか4位のガスリーがピットへ。序盤は2秒ほど引き離していたルクレールがじわじわと追い上げてきていたので、アンダーカットされないためには動くしかない、という感じです。フェラーリは2台連なっているのでこれをどう使うか、というところですが、カルロス サインツがルクレールの7秒以上後方とずいぶん差がついてしまったのでここをどうするかが考えどころです。
29周目、フェルスタッペンはボッタスにとうとう追いつきました。おそらくボッタスは1ストップ、フェルスタッペンは2ストップなので一応はこの争いは優勝争い、ということになりますが、実態はハミルトンの援護射撃です。
しかしあまりにヘロヘロすぎて30周目の最終コーナーでもう完全に後ろにつかれてしまい成すすべなくインに入られました。このあと微妙にハミルトンの邪魔になった後に道をお譲りしてボッタスは3位となり、ピットへ向かいました。ソフトからミディアムへ。鉄の屑作戦あまり機能せず。
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| ここだけ切り取ったらオーバルに見えますね |
このあたりの周回は1ストップ組のピット サイクルでほとんどの車がピットを完了、中団グループはとにかく相手の前に居座ることを重視するので1ストップの意地の張り合いといういつもの展開です。サイクルを終えて見た目上4位に戻ったガスリーですが、早めのピットにより2ストップの可能性があるため、その場合ピット後は6位でサインツを追いかけ回す状況と予想されます。
一方ボッタスの方は新しいタイヤでフェルスタッペンのピット ストップ ウインドウの中に入っておき、フェルスタッペンが2回目のピットを行った場合にまた壁になれるようにしたいところ。ですが、ベッテルに危うく突っ込みそうになって貴重な1.5秒ほどを失ってしまいました。謎の援護射撃をしたベッテルはこのレース13位でした。
39周目、ボッタスがコケてウインドウ外に出ていることからフェルスタッペンに対して今ここで攻めるよう指示。目論見が外れている間に2回目のピットに入ってしまおうという魂胆です。しかし当然この状況を察知したメルセデスは先回り。ハミルトンをピットに呼んで今回も先に動きました。ミディアムを2連投。しかし周回遅れの集団の中に放り出されてしまいました。これだとアンダーカットできないからあまり意味がない!
これで翌周にフェルスタッペンにあっさりと反応されて、むしろピット前よりも差を広げられての2位。フェルスタッペンの方はハードを選んだのでちょっと心配しているようですが、エンジニアからはフェラーリが使っててタイムが良いので大丈夫だという返答。ペレスで試すはずが潰してしまったので他所の情報が頼りです。
ハミルトンはこのタイヤでは最後まで走り切れない、とお馴染みの文句を付けますが、開き直ったのかファステストを記録しながらいきなりフェルスタッペンに猛チャージ。どのみち3回目のピットに入ったってボッタスに抜かれるだけなのでどうせ順位は帰ってきますし、何もしないより攻めたいのがハミルトンなんでしょう。そう思って攻めたらその通りにできるのがこのドライバーの恐ろしいところです。
一方4位のガスリーはピットに入らず粘っており、ハードを履いたルクレールが徐々に迫ってきています。ただその後ろのサインツは20秒以上離れてしまっているので、タイヤが爆発しない限り5位ではなんとかとどまれそうですし、最悪ダメになってもサインツの前で戻れそうなで5位以内を確保することはできる流れになってきました。それどころか30周以上使い古したミディアムで自己ベスト出してるのでおそろしいマネージメントです。
残り5周、ハミルトンは1.3秒まで迫った後にヘタって4秒の差になりさすがに逆転の術なし。一方ガスリーはルクレールを逆に突き放してひたすら自分のペースで走り続けます。
と、ここでボッタスがピットに入りソフトへ交換。タイヤの安全のため、ということなんですが、ハミルトンにじゅうぶんなフリー ストップの機会を与えるためだけのピットにも見えます。うっかりハミルトンのウインドウ内に入らないようにわざわざタイヤ交換後に2秒ほどぼーっとしてから発進させる念の入れよう。さすがに扱いがひどい。。。
この段階でファステストを持っているのはハミルトン。更新してしまうと1点を奪ってしまうのでファステストは出さないようチームから言われます。しかしさすがにボッタスがこれで納得するはずもなく、ジェームス バールスが直々に無線でお出ましになってまでファステストを出さないよう言ったのにそれでも出してしまいました。一応セクター3ではペースを落としたっぽいですが、なんかもう離別は決まってるんでしょうね。
どっちみち入るつもりだったけどこれでハミルトンもピットへ。余裕ありまくりの2位復帰で、そのまま最終周にファステストを取り返しに行きました。ボッタスが最後に戻してくれたので、タイム的には1.4秒も早い(!)タイムを記録して悠々のファステストでした。
優勝はフェルスタッペン、オレンジ色の発煙筒がフル稼働する中で35年ぶりに開催されたオランダでの母国優勝を達成しました。DTM最終戦ばりの花火も同時に打ち上げられたので、最後はフロントストレッチが赤旗レベルの視界不良になってました^^;
フェルスタッペンは出身国はオランダですが生まれたのはベルギーなので、結果的に出生国と出身国の2連戦で連勝。オランダGPでは過去にオランダ人ドライバーが優勝どころか表彰台すらなかったので史上初の快挙となりました。
2位ハミルトン、3位ボッタス。なんとなくチームと離れた感を感じたレースでしたが、この翌日、ボッタスは来季にアルファロメオと契約したことが発表されました。ライコネンの引退表明を受けての公表のタイミングだったんでしょうね。フィンランド人ジャーナリストのヘイキ クルタがどんな感想を持ったかぜひとも知りたいところです。
個人的にはガスリーがドライバーオブザデイです。結局ミディアムで47周を走り切っての4位。このタイヤで41周以上走ったドライバーは彼しかいません。タイヤの履歴差が10周あるルクレールをしのぎ、結局はタイヤ交換前よりも差を広げて終えているので見事でした。
フェラーリはタイヤの寿命が今一つで、スペインあたりでの酷さを思えば遥かにマシではありますが、サインツは最後にはフェルナンド アロンソに抜かれて7位。アロンソは逆にスタート直後に狭い道で多少接触はありましたが巧みに車を動かし、いつもながら順位を上げて帰ってきました。
全体としてはほとんど抜けなくて何も起きないレースでしたが、タイムを削り合う争いをモニターで確認しながら観戦するとなかなか面白い展開でした。さすがにレースではそうそう事故りませんね。まあスタート直後は怖かったけどw
ペレスが4位以内にいれば、メルセデスはそう簡単にはピットには入れずもっと神経質なにらみ合いになったと思うんですが、いかんせん3台だけ別の次元でレースをすることになり、かつフェルスタッペンがさらに異次元だったので、ピットに入りまくって何か起こそうとすることが繰り返されて、展開的には精巧で緻密というよりは数うちゃ当たるみたいな展開となったので、見ているとただバタバタしているだけになってしまいそこはやや惜しかった気がしますね。
さて次戦は休む間もなくイタリア、今季2度目のスプリント予選が開催されます。抜けるコースなのでフェルスタッペンはここで新しいPUを投入するのでは?と言われていますがレッド ブルはどうしますでしょうか。ていうかただでさえ3連戦で忙しいのにスプリント予選まで盛り込んでスタッフさん大丈夫でしょうか・・・^^;




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