カートが23XIレーシングに加入！

　NASCAR Cup Series、来季に向けて動向が注目されていた大物の1人・カート ブッシュが23XIレーシングに移籍することが正式に発表されました。来季はバッバ ウォーレスのチームメイト/No.45 TRDカムリのドライバーとして23年目のシーズンを迎えることになります。

We got our guy.

Welcome to the family, @KurtBusch ✊ pic.twitter.com/COXghtHb1d

— 23XI Racing (@23XIRacing) August 27, 2021

　2004年にシリーズ チャンピオン、ここまで通算22シーズンで745戦に出場し通算33勝を挙げているカート。一時は2021年限りでの引退も示唆されていましたが、2022年も新たなチームと契約して現役を続行することになりました。カートの主要スポンサーであるMonster Energyも一緒についていくことになり、カー ナンバーは45と発表されました。

「この機会には感謝しかないよ」とカート。

「レースで勝つために生きてるんだ。マイケル ジョーダン、デニー ハムリン、トヨタと一緒に新しいチームの開発を手伝うというのは本当に自分が望んでいることさ。勝利することは23XIにとってとても重要であり、モンスターエナジーにとっても重要であり、そして自分にとっても重要だ。それこそが我々の目標さ」

　カートはラウシュ レーシングに所属していた2004年にチャンピオンを獲得、2006年からペンスキー レーシング サウスに移籍。しかし、あまり素行がよろしくなかったことも影響して2011年限りでチーム ペンスキーのシートを失いました。

　もはやレースを楽しんでいるとは言えないことに気づいた彼は2012年はフェニックス レーシングという下位チームで参戦する一方で、Xfinity Seriesでは弟の世話になり、カイル ブッシュ モータースポーツのNo.54を兄弟でシェア。この年にNo.54のスポンサーとなっていたのがモンスターエナジーでした。このあたりがキャリアのどん底です。

　しかしその後カートはどん底から復活して、弱小だったはずのファニチャー ロウ レーシングでプレイオフに進出する偉業を成し遂げ翌年スチュワート-ハース レーシングに移籍。2019年から現在のチップ ガナッシ レーシングに所属しています。

　モンスターエナジーは、ちょうどカップシリーズの冠スポンサーとなった2017年にカートのプライマリー スポンサーの1つとなり、Monster Energy NASCAR Cup Seriesとしての最初のレース・デイトナ500でいきなりカートが優勝したのはヤラセかと思うような結果でした。

　

　今回カップシリーズでは初めてトヨタの車両に乗ることとなるカートですが、23XIレーシングはジョー ギブス レーシングと提携しているサテライトのチームで緊密な関係にあります。JGRには弟のカイルが所属しているわけですから、ブッシュ兄弟がカップシリーズでは初めて同門でレースをすることになります。

　チームの共同オーナーであり、JGRのドライバーでもあるハムリンは

「私たちがこのチームを始めた時に、私たちのビジョンは複数台体制の組織へ成長することでした。わずか2年目にして拡張できるということは、私たちにとって大きな一歩です。」

「カートは私たちに豊富な知識とチャンピオンの考え方をもたらし、毎週末私たちがより強くて競争力のあるチームへ成長を遂げることを手助けしてくれるでしょう。」

とコメントし、カートの加入を歓迎しました。

　そして、今回のチームの発表を見て「おや？」と思う点が1つ。誇らしげに立つカートの脇にあるNo.45 Monster Energy TRD Camryのカーナンバーの位置が、今季の通常の仕様と異なっていてドアのより前部へと移動しています。

👀👀 pic.twitter.com/D2S48gfnW8

— 23XI Racing (@23XIRacing) August 28, 2021

　元々カーナンバーの移動については議論が続いていて来季からの変更も噂には上がっていましたが、この発表映像を受けてFOX Sportsのボブ ポクラスがNASCARに問い合わせたところ、来季にこの位置のカーナンバーへと変更されるのは事実であると認めた、とのことです。

　来季の体制についての詳細はまた後日発表されるとのことで、そもそも2台目のチャーターをどうやって調達したのかなどが不明のままですが、これで来季に向けての大物の動きにはだいたい結論が出ましたね。