okayplayerさんからコメントをいただいて、そういえばブログで取り扱ったこと無かったなと思ったこちらの話題。NASCARを見ていると、スピンした車両のルーフやボンネットで何やらパカっと開いているのが目に入った方は多いと思います。私がこのブログに上げたスクリーンショットからも探してみましょう。
意外と見つからなかったw 他のレースではお目にかかれないこのパタパタしているものは
Roof flap ルーフ フラップ
というものです。(複数取り付けられているので Roof Flaps と複数形にするのが正確なようです)。NASCARはほぼ全レースがオーバルで、1.5マイルを超える高速トラックで争われるレースが多数あります。こうした場所ではターンでも200km/hを超える速度ということも多く、言ってみれば鈴鹿の130Rで延々と2ワイド、3ワイドで争うようなものです。
ですので、ちょっとしたはずみでこの速度域でのスピンや接触が起こります。真正面から風を受けてダウンフォースを生み出すように作られている自動車では、真後ろから風が来ると揚力が発生して浮き上がりやすくなります。風が真横になったり、あるいはバンクのある個所で斜め下から風を受けたり、芝生で跳ねたり、こういったことも重なり、時に1500kgを超える車体は驚くほど簡単に浮き上がってしまいます。
浮き上がると地面にたたきつけられた際に大きな衝撃を受けたり、ウォールやフェンスに減速せずに直撃したり、さらに他車を巻き込んだりと、ドライバーにとっても観客にとっても極めて危険です。そのために考えられたのがルーフフラップ。どう作用するか、NASCAR公式が簡単に教えてくれています。
仕組みはとても簡単。ルーフとボンネットに予め開く部分が設定されており、ティザーで繋がれています。ボンネットにあるものも総称してルーフフラップと呼びますね。
普段は正面から風を受けていますから、フラップは抑えつけられていてペタンと閉じています。しかし、高速で横を向いたりすると、かかっていた力が抜けたり、後ろから風が来たりという状況になり、自然にパタっと開いてくれます。左側は進行方向にたいして垂直に、右側は45°傾けて設置されていて左回りのオーバルに最適化されています。
意外と見つからなかったw 他のレースではお目にかかれないこのパタパタしているものは
Roof flap ルーフ フラップ
というものです。(複数取り付けられているので Roof Flaps と複数形にするのが正確なようです)。NASCARはほぼ全レースがオーバルで、1.5マイルを超える高速トラックで争われるレースが多数あります。こうした場所ではターンでも200km/hを超える速度ということも多く、言ってみれば鈴鹿の130Rで延々と2ワイド、3ワイドで争うようなものです。
ですので、ちょっとしたはずみでこの速度域でのスピンや接触が起こります。真正面から風を受けてダウンフォースを生み出すように作られている自動車では、真後ろから風が来ると揚力が発生して浮き上がりやすくなります。風が真横になったり、あるいはバンクのある個所で斜め下から風を受けたり、芝生で跳ねたり、こういったことも重なり、時に1500kgを超える車体は驚くほど簡単に浮き上がってしまいます。
浮き上がると地面にたたきつけられた際に大きな衝撃を受けたり、ウォールやフェンスに減速せずに直撃したり、さらに他車を巻き込んだりと、ドライバーにとっても観客にとっても極めて危険です。そのために考えられたのがルーフフラップ。どう作用するか、NASCAR公式が簡単に教えてくれています。
仕組みはとても簡単。ルーフとボンネットに予め開く部分が設定されており、ティザーで繋がれています。ボンネットにあるものも総称してルーフフラップと呼びますね。
普段は正面から風を受けていますから、フラップは抑えつけられていてペタンと閉じています。しかし、高速で横を向いたりすると、かかっていた力が抜けたり、後ろから風が来たりという状況になり、自然にパタっと開いてくれます。左側は進行方向にたいして垂直に、右側は45°傾けて設置されていて左回りのオーバルに最適化されています。
NBCによるイメージCG |
機械とかで動くのではなく、自然の作用で勝手に動くので取り付けに失敗したりしない限り、故障して動かないというようなことはありません。また、フラップは抵抗を生み出して浮き上がるのを抑え込むスポイラーの効果だけでなく、変な方向から入った空気が、内部から上に向かって持ち上げようとする力を逃がす効果もあります。
さらに、2022年から導入されたGen7車両ではフラップに機能が追加されました。ルーフのフラップにあるうち、緑色で示したケーブル。
これは車体後部下側にあるディフューザー中央部にある、ちょっと分かりにくいもう1つのフラップに繋がっています。フラップが開いてこれが引っ張られると
連動して普段は閉じているここのフラップがパカっと開く仕組みです。スピンして真後ろを前にして車が走った場合、ここはいわば簡易のフロント ウイングのようになりますから浮き上がり防止に効果が発揮されます。
スピン発生! |
パカッ |
このルーフフラップ、元々は1993年に起きた2件の事故がきっかけで開発に至ったそうです。1つはタラデガでのラスティー ウォーレスの事故、もう1件はミシガンでのジョニー ベンソンの事故でした。
少しでも地面に対して車両との隙間ができると、それを起点に紙のようにふわーっと車が浮き上がり、激しい横転事故になっていることが分かります。
NASCARは当初、リストリクター プレートをスーパースピードウェイ以外にも適用拡大させて対応しようと考えたようですが、ドライバーやチーム側がこれ以上の速度抑制策に反発する形で、ラウシュが開発、NASCARへの採用が決定したという経緯だとWikipediaには記載されています。
その後もより浮き上がりにくく、より素早く展開されるように改良を重ねて現在の形状に至っています。これにより、浮き上がりそうな激しい事故であっても、多くのケースでNASCARの車両は地を這うようにコース上を滑走した後、SAFERバリアに衝突するか、途中で芝に引っかかって転ぶかのどちらかが大半になりました。SAFERバリアはデイル アーンハートの死亡事故を受けて一気に導入が進み、キャビンのドライバー安全構造もたびたび改良が施されてきたものです。
とはいえ、今年のデイトナ500でのライアン ニューマンの事故のように、横を向いた時に後続車が下に潜り込むような当たり方をすると、車両が浮き上がってしまうケースはさすがに逃れられません。トライオーバル部分だと、場合によってはフラップがどうこう言う前にもうフェンスに衝突してしまいます。
ただ、幸いニューマンは無事で、過去に自身が経験した事故を基に強化された安全設計に救われ、そしてこの事故でまた安全対策が強化されました。
少し古いですが、2013年のXfinityシリーズの開幕戦のデイトナでは、カイル ラーソンの車両が複数台が絡むクラッシュによって浮き上がりフェンスに激突。
これまたフラップが活躍する間もなくフェンスに激突しましたが、幸いディロンは無事でした。あらゆる部品が飛び散りましたが『部品は壊して衝撃を吸収させ、ドライバーのいる空間を守る』という設計が見事に生きた形です。
このように、フラップがあれば飛ばない、というわけではないですが、注意して見ていると「今のフラップ無かったら絶対飛んでるな」という映像は結構見られ、間違いなく安全に貢献しています。
ちなみに、普通に走ってれば閉まってる、と書きましたが、乱気流でフラップが持ち上げられてしまうことがあり、バタバタと暴れているうちにとうとう開いてしまう時もごく稀にあります。昨年の夏のデイトナがそうで、複数台に同じことが起きました。
こうなってしまうと、正面から風を受けている限り閉まらないです。ピットで停止して閉めれば解決ですが、万一バタバタ暴れた挙句、ティザーが切れてフラップがすっ飛んでしまうと危険な上に、再装着しないと出走は許可されませんから大変厄介なことになります。こういう妙な故障がよくハムリンに起きる気がするのは気のせいでしょうかw
少しでも地面に対して車両との隙間ができると、それを起点に紙のようにふわーっと車が浮き上がり、激しい横転事故になっていることが分かります。
NASCARは当初、リストリクター プレートをスーパースピードウェイ以外にも適用拡大させて対応しようと考えたようですが、ドライバーやチーム側がこれ以上の速度抑制策に反発する形で、ラウシュが開発、NASCARへの採用が決定したという経緯だとWikipediaには記載されています。
その後もより浮き上がりにくく、より素早く展開されるように改良を重ねて現在の形状に至っています。これにより、浮き上がりそうな激しい事故であっても、多くのケースでNASCARの車両は地を這うようにコース上を滑走した後、SAFERバリアに衝突するか、途中で芝に引っかかって転ぶかのどちらかが大半になりました。SAFERバリアはデイル アーンハートの死亡事故を受けて一気に導入が進み、キャビンのドライバー安全構造もたびたび改良が施されてきたものです。
とはいえ、今年のデイトナ500でのライアン ニューマンの事故のように、横を向いた時に後続車が下に潜り込むような当たり方をすると、車両が浮き上がってしまうケースはさすがに逃れられません。トライオーバル部分だと、場合によってはフラップがどうこう言う前にもうフェンスに衝突してしまいます。
ただ、幸いニューマンは無事で、過去に自身が経験した事故を基に強化された安全設計に救われ、そしてこの事故でまた安全対策が強化されました。
少し古いですが、2013年のXfinityシリーズの開幕戦のデイトナでは、カイル ラーソンの車両が複数台が絡むクラッシュによって浮き上がりフェンスに激突。
この際には散乱した部品が満員の観客席に飛散して観客が負傷、裁判に発展しました。また2015年の夏のデイトナではオースティン ディロンが同じようなクラッシュで車両が大破。
これまたフラップが活躍する間もなくフェンスに激突しましたが、幸いディロンは無事でした。あらゆる部品が飛び散りましたが『部品は壊して衝撃を吸収させ、ドライバーのいる空間を守る』という設計が見事に生きた形です。
このように、フラップがあれば飛ばない、というわけではないですが、注意して見ていると「今のフラップ無かったら絶対飛んでるな」という映像は結構見られ、間違いなく安全に貢献しています。
ちなみに、普通に走ってれば閉まってる、と書きましたが、乱気流でフラップが持ち上げられてしまうことがあり、バタバタと暴れているうちにとうとう開いてしまう時もごく稀にあります。昨年の夏のデイトナがそうで、複数台に同じことが起きました。
こうなってしまうと、正面から風を受けている限り閉まらないです。ピットで停止して閉めれば解決ですが、万一バタバタ暴れた挙句、ティザーが切れてフラップがすっ飛んでしまうと危険な上に、再装着しないと出走は許可されませんから大変厄介なことになります。こういう妙な故障がよくハムリンに起きる気がするのは気のせいでしょうかw
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