NCS 第18戦 ポコノー

NASCAR Cup Series
Pocono Organics CBD 325
Pocono Raceway 2.5miles×130Laps(25/52/53)=325miles
competition caution:Lap 12
winner:Alex Bowman(Hendrick Motorsports/Ally Chevrolet Camaro ZL1 1LE)

 NASCAR Cup Series、ポコノーでのダブルヘッダー ウイークエンドとなりました。先週スイカの話で盛り上がりすぎてうっかり書き忘れてしまいましたが、チェイス エリオットはレース後の車検でラグ ナットがなんと5本も締まっていなかったことが発覚して失格、レース結果から除外され、ステージ順位も抹消されました。
 なお暴行の疑いで裁判所に出廷する予定があることが明らかになり一時的に職を停止していたスポッターのエディー デュホーンですが、起訴するに足る証拠がないとして告発が取り下げられたために先週から蝕に復帰しています。

 さて今週はシーズンで唯一2日連続でレースが開催されるポコノーでのレース、土曜日のレースは通常通り指数による予選となりコンペティション コーションが設定されています。1周が長くてレース距離は比較的短いので、ステージ1は25周、コンプコーションはその真ん中の12周とあっという間に到達します。
 スポンサーのポコノ― オーガニックスは農産物を有機農場で生産・販売するほかカフェでも提供している企業。CBDというのは大麻などの麻に含まれる『カンナビジオール』という成分のことで、治癒効果があることからこれを利用した軟膏などの製品が販売されています。毛生え薬はないみたいだな。。。

 カイル ラーソンとウイリアム バイロンの1列目でスタート。ラーソンが外ラインから順当にリードします。一方、先週の失格の影響で29位スタートとなっていたエリオット、混戦でのスタートとなってしまい、いきなり玉突きからクリス ブッシャーが左後部に接触しフェンダーが潰れました。シーズンで最も長い直線を持つこのトラックで空力性能を損なうと厳しいレースになります。



 5周目、ラーソンがターン1で珍しくミス、立ち上がりで失速してバイロンがリードを奪います。ラーソンは車がフリーだそうです。その後9周目にデブリーが落ちていたのでコーション。コンプコーションがここに統合されました。本来ならコーションが出る前にピットに入っておく戦略を考えた人もいたでしょうが、思わぬ形で唐突にコンプコーションが訪れたので戦略は練り直しです。
 
 トラック ポジション重視で半分ほどの車はピットには入らず13周目にリスタート、しかし翌14周目のフロントストレッチで事故発生。コール カスターの車が大破。先週のナッシュビルでは調子が良かったスチュワート-ハース レーシング、本日はまたも車が壊れました。。。
 カスターがターン3の脱出で速度に乗れず後ろから次々と抜かれ、そこに後ろからブラッド ケゼロウスキーが来ましたが、ケゼロウスキーは「カスターは右へ動いて隊列に戻るだろう」と思ったのに、カスターは「ケゼロウスキーが外から抜きに来る」と感じて右に行きかけてから左に一瞬動いてしまったので、ケゼロウスキーから見れば急に進路を変えてブロックされたようになって接触が起こりました。判断ミスにカスターは無線で謝罪しています。

 18周目、バイロンとカイル ブッシュの1列目でリスタートされると、無線で車の状態をべた褒めしていたカイルがターン1で2位を確保し、さらにバイロンもかわしてリーダーに躍り出ます。ターン1方向で少し雨が降っているような映像で気になりますが、カイルはそのままステージ1を制して今季3度目のステージ勝利を挙げました。

 ステージ残り3周ではエリック アルミローラ、アレックス ボウマン、クリストファー ベルの3人がステージ終了前の駆け込みピット。アルミローラは「直線で車が遅い気がする」と言っていますが、特に続報も無くこのレース16位でした。
 ベルはピット後にカイルに抜かれて周回遅れになり、チームメイトだから最後に順位を返してくれるのかと思ったらそうでもなく、リード ラップを維持できずにステージ終了、戦略が空振りしてしまいました。リードラップにいればステージ終了後に前の車はピットに入るのでおそらく3位リスタート、周回遅れだとフリー パスでリードラップの最後方に置かれるので30位ぐらいのリスタート、少しの差が雲泥の差となります。

 ステージ後のコーションではほとんどの車がピットに入りますが、ジョーイ ロガーノ、カート ブッシュ、タイラー レディックはここもステイ アウトして依然ノーピット。その後ろにコンプコーションで入った組>ステージ1終盤で入った組>今ピットに入った組と続きます。入った人も2タイヤと4タイヤがいるのでもう順位はぐちゃぐちゃ。

 ステージ2、まずはロガーノとカートが隊列を引っ張り、10周目にピットに入っているロス チャステインが続きます。中団ではラーソン、カイル、バイロン、デニー ハムリンあたりが争っていて序盤の展開からするとこれが実質的なリーダー争いになりますが、そうは言ってもどの戦略が最後に前に来て優位になるのか見通せないので、本当に実質的リーダーと言えるのかは誰にも分かりません。前にいるボウマンはステージ1駆け込み組ですね。


 45周目、ここで燃料が目いっぱいなためロガーノとカートがピットへ、レース全体を2ストップで走り切る戦略で、このピットでカートが逆転します。これで見た目上のリーダーはチャステインとなり、同じ戦略のライアン ブレイニーが続きます。
 52周目、ライアン ニューマンがターン1で単独スピンしてコーション。数周前にピットに入っていたのでタイヤは新しいはずなんですが見事に回りました。これで多くの車はピットへ。
 ピットを最初に出たのは2タイヤ交換のバイロンで、これにチャステイン、ラーソンが続きました。このグループの戦略の差はリセットされ、最小ならあと1回のピットで走り切ることが可能です。
 ステイアウトはカイルを先頭に5台。このうち現状で残り1ピットで行けるのはカートとロガーノの2台と思われます。カイルはひとまず先頭にはいますが、現状では最適なタイミングでコーションが出てうまく回ってくれないと、ピットが1回多い分不利になりやすい状態です。

 58周目にリスタート、ステージは残り20周。ブッシュ兄弟が1-2となります。
 60周目、3ワイドでターン3に入っていったコリー ラジョーイが外側にいたアンソニー アルフレードを壁に挟んでしまいクラッシュ。ラジョーイが大破してコーションとなります。外側にいたのはいたんですが、アルフレードもあのラインでは曲がれないので引いた方が良かったかな、とも思います。明日もレースがあるのに、小規模チームにはけっこう痛いクラッシュです。

 66周目にリスタート、リーダーはカイルですが実質的な順位ではカート、ロガーノ、バイロンの順と思われます。できればさっさとカートを捕まえたいバイロンですが、2タイヤ交換しかしていないのでタイヤの履歴差ほどの決定的な速さの差が無くロガーノを抜くことすらできません。ポコノ―は見た目の割に抜きにくいトラックです。

 72周目、CM中にチャステインがバリアに接触。右後輪を傷めてしまい、ピットに戻る前にあえなく内側でスピン、コーションとなりました。比較的良い順位と戦略にいたのにリスタートでずいぶんと順位を下げていてハンドリングに違和感があったようです。不具合なのかセッティングが外れたのか空力の問題か、原因は不明ですがこのレース33位でした。

 ここでカイルと中団以下人がピットへ。もう1回のストップが必要なことに変わりはありませんが、最後のピットは少量の給油のみでどうにかする選択肢を手にします。

 レースはステージ残り2周のシュートアウトとなり、カート、バイロンの1列目でリスタート。内側2列目のライアン ブレイニーがバイロンにちょっかいを出した結果3列目の外側にいたラーソンが得をことになり、カート、ロガーノに次ぐ3位につけると、77周目にロガーノを抜いてステージ2位となります。辛うじてカートがステージ勝利しラーソンの荒稼ぎを阻止しました。

 ステージ後のコーションでピットに入るのは当然ながらトラック ポジションが関係ない中団以降のドライバーだけ。戦略的には各車あと1ピットですが、ステイアウトした上位勢はクリーン エアーで自分の走りができる一方、燃料タンクが空に近い状態でピットに入るので給油時間が長くなります。
 一方ここやその前のコーションで入っている人は、10周ぶん前後の燃料が不足しているだけなので給油時間が短く、それゆえ早く作業を終わらせるために最後のピットではタイヤは交換しないのがセオリーとなります。コース上では集団の中を走るので遅いですが、ピットでは上位勢より10秒ほど滞在時間が短いのでピット後に大きく順位を上げる可能性があります。

 ファイナル ステージ、今日のレーン選択は外側が人気で2位の人が2列目の外を選択する傾向ですが、今回は3人連続外を選んで4位のバイロンが1列目の内側へ。レーン選択のセンスも問われるファイナル ステージが始まりました。
 バイロンはリスタート後の争いで4位となり、見事にレーン選択前の順位通りの隊列に。それだけ内側からのリスタートは苦しいみたいです。リスタートから3周目、ラーソンがカートを捉えてリーダーに。
 ほどなく残りが41周となって、このあたりで満タンにすれば最後まで走り切れる状態、いわゆるウインドウ オープンとなりました。まずはケビン ハービックが給油のみの素早い作業でピット組の先頭となりますが、残り38周でラーソンもピットに入ると、4タイヤ+給油でハービックの前に出ます。ひとまずラーソンが実質的リーダーでこの先の基準となります。

 この前に出たのは残り32周でピットに入ったカイルで、4.5秒の給油とちゃんと締まってないっぽいナット1本を締めただけで出撃しました。ラーソンの後ろは2タイヤ交換+給油でやや作業が早かったアレックス ボウマンです。マット ディベネデトーはまだ給油缶を抜いてないのに発進してしまってペナルティー、周回遅れとなりました。焦りすぎ。。。痛恨のミスでMatt Dはこのレース32位でした。


 カイルには単独でラーソンから逃げるペースが無いのでやがてこの2台の争いへ。カイルには「5番との優勝争いだぞ」と無線が飛びます。映像を見ているとカイルがターン3をきっちり立ち上がっている限りラーソンはフロントストレッチでドラフトから出て横に並べるわけでもないらしく、ターン1で早めに戻して間合いを図ってその先で飛び込むチャンスを狙っている様子です。
 一度は周回遅れが絡んでラーソンがかわしたかと思われましたが、カイルが気合の外ラインでこれを阻止すると勝負は膠着。この間、ラーソンの後ろには2タイヤ交換のハムリンが合流しました。緊迫の争いでしたが残り23周、デブリーでコーションとなって水入りとなります。

 中団の車はタイヤ交換とアジャストのためピットへ、16台ほどステイアウトして残り19周でリスタート。外側はカイルとラーソン、内側はボウマンとブレイニーが並んでのリスタートでしたが、ブレイニーがボウマンを押しまくってリーダーに押し上げます。押し上げといて自分はこの後順位を下げてしまいましたw
 オーダーはボウマン、ラーソン、カイル、バイロン。ヘンドリックのトップ3独占をカイルが阻止する展開、ってなんか前も似たようなこと書いたな。リーダー争いはボウマンvsラーソンです。

 先ほどのカイルとの争いからも分かる通り、ボウマンとすればターン3をこなせば抑えられる可能性があります。そしてそのターン3にボウマンは自信を持っているようです。
 この争いは10周以上続きましたが、残り4周、ターン3の脱出で接近したラーソンはそれまでとドラフトの貰い方を少し変えてフロントストレッチを走り、違うことをしたせいかターン1でちょっと突っ込みすぎました。少なくとも私にはそう見えました。
 突っ込みすぎた結果バイロンのスレスレまで接近して、これが要因でボウマンのダウンフォースが減ったんだと思いますがターン1で姿勢が乱れるミス!ここを捉えたラーソンがバイロンをとうとう攻略。ちょっとまぐれ感がありましたが、抜いてしまえばあっという間に引き離してしまいます。
 
 最終周、ラーソンがとうとう4連勝、またポイント荒稼ぎだなあ、と誰もが思っていた瞬間、ん?なんか左側から白煙上がってね・・・?パンクしてる!

 ラーソン、なんとターン3手前でパンクという信じられない問題発生、当然曲がり切れずバリアにグシャリ。その脇をボウマンが通過し、信じられない幕切れで土曜日のポコノーを制しました。こんなことあるんですね。

 相手のトラブルが原因な上にチームメイトなのでちょっと複雑な心境でしょうがボウマンが今季3勝目、レースはズラを被るまで分からないとはよく言いますが、F1アゼルバイジャンGPもかすむ結末でした。なぜこうなったのか理由を考えたところ、私は気づきました。


↑レースの半日ほど前に投稿されたこの日日不穏日記さんの投稿です。ボウマンは無理かな、とか書いたので呪いが発動したに違いありませんw

 冗談はさておき、ラーソンのパンクの原因はデブリーを踏んだんじゃないかと言われていましたが、翌日の情報によればタイヤの内圧が低い状態でターンのエイプロンを走り、タイヤのサイド ウォール部分を傷めてしまったことが原因ではないかという話です。
 どの段階で傷めたのか分かりませんが、クラッシュ直前もエイプロンに左前輪を乗せていますし、ボウマンを追っている時もラインを変えながら走っていてエイプロンまで下りている場面が何度かありました。そういう意味ではボウマンのミスしない走りがラーソンをワイドに走らせてトラブルを誘った、と言えなくもありません。
 カイル、バイロン、ハムリン、ブレイニーのトップ5、ラーソンは9位でした。そのまま車をピット出口付近に止めてしまってもよかった気がするんですが、ターンを曲がれず壁にガシガシぶつかって投げやり気味に走行して結局はレッカー移動されていました。先週のゴール後にチャステインの相手をしてあげなかった報いじゃないかな?w
 カートは一時は戦略的に事実上の先頭にいましたが、ロング ランでのペースの面でやや負けておりじりじりと下げて6位でした。いや、6位でも満足いくレベルの結果なんですけどね。ついつい番狂わせを期待してしまって^^;

 シーズンで最も長い直線を持ち、高ダウンフォースの抵抗が大きいパッケージを採用していても、同じようなペースの車だと全然抜けないということが映像で良く分かりました。こうなると本当に戦略でどうにか頭を取るしかない、ということを把握した上で、休む暇もなく翌日のレースへと向かいます。

コメント

日日不穏日記 さんの投稿…
ボウマンに謝罪しますw。まさか、ラーソンが1ステージも取れずに終わるのは予想外でした。デブリかと思いましたね。エリオットに覇気がないので、応援しときます。ボウマン万歳・・・なんて書くと、また呪いが発動するかな。
SCfromLA さんの投稿…
>日日不穏日記さん

 通勤中に構成を考えていたらふとコメントのことを思い出して頭に電球が浮かびましたよw やっぱりジョンソンのイメージが残っててAllyのカマロがかっこよく見えるのと、チームで一番苦労人な感じなので私はついボウマンを推してしまいますね~