F1 第3戦 ポルトガル

Formula 1 Heineken Grande Prémio De Portugal 2021
Autódromo Internacional do Algarve 4.653km×66Laps=306.826km
winner:Lewis Hamilton(Mercedes-AMG Petronas F1 Team/Mercedes-AMG F1 W12 E Performance) 

 F1第3戦はポルトガルです。昨年に続いての開催ですが、予選日の5月1日はアイルトン セナの命日、そのセナがキャリア初勝利を挙げたのが1985年の第2戦ポルトガルだったので、前戦のイモラに続いてなんとなくセナのことを思い浮かべながらという週末でもあります。COVID-19のパンデミックがなければここでレースをすることは本来無かったはずなので、なんとも複雑な気分です。

 激しい高低差があるアルガルベ サーキット。距離はそれほど長くないですが、1周をまとめるのがなかなか難しく、なおかつ路面が滑りやすいのがまた難しい点です。ここに昨年と同様C1~C3の最も固いタイヤの組み合わせとなりました。

 予選はQ1でいきなりダニエル リキャードが脱落する波乱。そしてQ3では1回目のアタックでマックス フェルスタッペンが最速タイムを記録したかに思われましたが、ターン4でミスってカウンターをあてた際にコース外にはみ出したのでタイム抹消。これでバルテリ ボッタスが1位、ルイス ハミルトンが0.007秒差で2位。

 2回目のアタックでは、メルセデスの2台は昨年もそうだったようにソフトではなくミディアムを投入。ハミルトンはミディアムで走ったQ2よりもQ3の1回目のタイムが約0.4遅かったため、ミディアムでの更新が期待されましたが結果は更新ならず。
 そして、ミスってはみ出しても速かったんだから、普通にまとめたらポール行けるやろ、と思っていたフェルスタッペンもなんだかあちこち修正舵をあてている上に他の車も微妙に邪魔になってしまい3位止まり。風が強くなったせいか、この2回目のアタックは総じてタイムが伸びず、結局ボッタスの最初のアタックがそのまま最速となりました。


 スタート、トップ3は順位を維持しましたが、4位のセルヒオ ペレスはカルロス サインツに抜かれてしまいます。ペレスはミディアムでのスタートで偶数列、サインツはソフトなので致し方ない面はあります。
 昨年は雨が降っていたせいでみんなヨロヨロ走っていた印象ですが、ドライでもやっぱり滑りやすいみたいで特にミディアムを使っている車はやはりヨロヨロです^^;


 戻って来た2周目のストレート、キミ ライコネンがチームメイトのアントニオ ジョビナッツィ―になぜか接触。ウイングを吹っ飛ばして車両はターン1のコース脇へ。これでストレート上が破片だらけになったのでSCとなりました。ステアリングのスイッチ類の操作に気を取られてぶつけた模様・・・

 今回はどのタイヤでスタートしようが1ストップだと予想されるため、ソフトでスタートした人たちは、摩耗の激しいタイヤの寿命が延びてちょっとラッキーです。

 7周目にリスタート、ボッタスの加速のタイミングにうまく合わせたフェルスタッペンがハミルトンをターン1で抜いてメルセデスの間に割り込み成功。ペレスもうまくサインツを抜きましたが、その先でランド ノリスには抜かれてしまい順位は5位のまま。ノリスは7位スタートからスタート・リスタートとも上手く立ち回っています。

 11周目、ハミルトンがターン1でフェルスタッペンを外からかわし、ターン3で粘るフェルスタッペンへ若干の押し出し攻撃。2位を取り返します。かなりDRSが強力です。

 15周目、ペレスがノリスを抜いて4位に戻りますが、フェルスタッペンからは8秒ほど後方。ノリスはSoCの状態が悪かったのか、異様に早く回生が切れていた様子ですが、いずれにせよマクラーレンにとって対戦相手はフェラーリ。こういう時ノリスは絶対に変な抵抗をして無駄な時間を使わないのが相変わらず冷静です。

 一方トップ争いはハミルトンがずっとボッタスの1秒圏内で重圧を与えています。フェルスタッペンはそこから1.5秒ほど後方。乱気流にはできれば入りたくないのでひとまず様子見でしょうか。
 20周目、時は来た、とばかりにハミルトンがターン1で外からボッタスを抜いてこのレース初のリード。フェルスタッペンもすぐにボッタスを抜きたいところですが、そう簡単にメルセデスを抜くことはできす、今度は自分がボッタスに張り付いて走る番です。


 21周目、6位のサインツが早めに動いてソフトからミディアムへ。同じ周に角田 祐毅はハードへ交換します。このあたりからソフトを履いた車は次々にタイヤ交換。25周目にはミディアムでスタートしていたシャルル ルクレールも入ってハードへ繋ぎます。国際映像に表示されるピレリのおススメ戦略には全然出て来ないハードですが、実際の摩耗がハゲしいのでソフトは使わない作戦にしたようです。

 トップ3の争いは、ハミルトンが少しずつ差を拡大。燃料が軽くなるに従ってファステストを更新する相変わらずの職人技を披露。フェルスタッペンはボッタスを抜けずに、現実的に2位争いが限界という状況になりつつありますが、そんな中で3速にうまく入らないというトラブルまで発生した模様。これだとボッタスも捕まえられない(´・ω・`)

 35周目、フェルスタッペンが先に動きました。ミディアムからハードへ。ボッタスは当然翌周に反応してとりあえずフェルスタッペンの前でコースに戻りますが、ターン3でズルっと滑って加速が鈍り、ターン5でフェルスタッペンがかわしました。ハードは熱が入りにくいのでアンダーカットが多少やりズラいタイヤですが、フェルスタッペンはセクター3の段階で全体ベストを出したそうで、必死の走りが実りました。

 ハミルトンも37周目にハードへ交換し楽々と実質1位で復帰。見た目上の1位はペレスとなりますが、何せ前とも後ろとも離れてしまって対戦相手がいない状態なので、タイヤが潰れるまでSCに期待して走り続けることになります。

 51周目、なおもペレスはピットに入らずとうとうハミルトンが追い付きました。ちょっとでもハミルトンの邪魔をしてフェルスタッペンを助けようという考えかもしれませんが、私はこういう戦略を勝手に『星の屑作戦』と呼んでいますw
 追いついたタイミングが悪かったせいもあって、直線であっさりハミルトンが抜いて行ったので星の屑作戦はそれほど役に立たず、この後ペレスもピットへ。ソフトで残り15周を走ります。延々と放置していたのでピットを出たらボッタスとは25秒差になっていましたが、それでも後ろとは10秒以上の差があります。完全に別のレースをしていますね。

 そのボッタスはフェルスタッペンに1.5秒差あたりまで迫り、抜けるのか、あるいは、いっそ後ろと差があるのでタイヤを換えてファステストを狙うべきか、と勝手に考えていたらなぜか急にペース低下。パワーが落ちている、と無線で訴えます。
 どうやら排気温度のセンサーの不具合があったようなので、デフォルトの操作をしたかセンサーを切ってしまって応急処置したんでしょう。ただこれでフェルスタッペンには逃げられてしまいました。

 残り3周、ペレスがボッタスに追いついていけば使えない作戦でしたが、ペレスは思ったほど速くなかったのでボッタスの後ろにじゅうぶんな空間がありファステスト作戦決行。メルセデスは新品のソフトを持っています。
 しかしいわば『1周早い』タイミングでの動きだったので、翌周にフェルスタッペンもピットへ、こちらは中古ソフトですが、果たしてどちらが最速になるのか。
 ボッタスは65周目に1'19.865を記録してファステストを更新。しかしフェルスタッペンは最終周にこれを僅かに上回る1'19.849を記録して塗り替えた、、、けどどう見てもコース外に出てたぞ(;・∀・)
見ていて「あ」と言ってしまった瞬間^^;


 優勝はハミルトン、さすがに中古のハードでファステスト争いに喧嘩を売って攻めるようなことはなく確実に勝ちました。これで2位からスタートしたレースでは4連勝です。

 2位にフェルスタッペンですが、やはりさっきのタイムは取り消し、ボッタスが3位+ファステストとなりました。この3人の組み合わせが表彰台に乗るのは通算15回目で、これまでのハミルトン、ニコ ロズベルグ、セバスチャン ベッテルの組み合わせを抜いて史上最多となりました。

 4位以下はペレス、ノリス、ルクレール、エステバン オコン、フェルナンド アロンソ、リキャード、ピエール ガスリーのトップ10でした。ソフトからミディアムに早めに繋いだサインツは結局ズルズルと落として11位で入賞圏外。
 また、今回久々に予選でQ3に残って10位からスタートしたセバスチャン ベッテルも同様の戦略でやはり13位。アストン マーティン自体がレースで遅いように思いますが、ミディアムで長く走ろうとした人はあまり結果がよろしくなかったので、今回はハードを上手く使うのが正解だったようです。

 ペースを見ていると、最後にちょっとソフトを使ったペレスのペースもそれほど早くなく、同じ時間帯にハードを履いていたリキャードと大差ない状態でした。ソフトは特に使い勝手が悪くて、ミディアムとハードで組むのが最善に見えるので、その点でソフト→ミディアムと繋いでペースを保って5位で終えたノリスは見事だったと感じます。

 同じくなんとか持ちこたえて、一旦11位に落ちた後サインツを抜いて10位に戻したガスリーもよく走りました。今回アルファタウリはあまり調子が良いとは言えない雰囲気でしたが、無理やりなんとかまとめるガスリーはやはり良いドライバーですね。ただ今回アルピーヌが2台入賞で持ち直したので、選手権ではそうとう頑張らないといけなさそうです。

 角田はスタート直後にタイヤをロックさせてしまい、レース序盤の早い段階でトラックリミットを2回超えたからもうダメだぞと注意される場面もありました。結局15位で終了、ペース的にはアストンマーティンと似たような感じで、似た戦略のジョビナッツィーに終始ペースで負けている様子でした。前戦でちょっとやらかしてしまいましたし、ここは最初の壁から学んでいる最中という感じでしょうか。

 今回のレースは比較的淡々と終わった印象です。もうちょっとボッタスが頑張るか、でなければさっさとフェルスタッペンに抜かれてくれてた方が盛り上がったんですが(失礼)、メルセデスはやはり2台で戦っている強みが出た印象です。ペレスも星の屑作戦じゃなくてもうちょっと正面から揺さぶれる位置に来れると良いのですが。
 ただ、星の屑作戦の副産物として、普通にレースを進めていたらハミルトンが持って行ったかもしれないファステストの1点がボッタスの手に渡りましたので、フェルスタッペンとハミルトンで選手権を争うと考えれば、レッド ブルから見て相手に1点与えずに済んだと言えなくもありません。

 次戦は2週連続開催のスペインです。

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