NASCAR Cup Series
人間が飲んでも大丈夫ですか?
GEICO 500
Talladega Superspeedway 2.66miles×188Laps(60/60/68)=500miles
competition caution:Lap25
winner:Brad Keselowski(Team Penske/Money Lion Ford Mustang)
NCS、今年2度目のスーパー スピードウェイのタラデガです。ショート トラックが続いていたところから急に広いところに来たのでテンション上がりますね!
この週末、大勢に影響のない地味な話題ではありますが、ジョーイ ゲイズがポイントをカップ シリーズからXfinityシリーズへと変更しました。タラデガのエクスフィニティ―のレースは、Dash 4 Cashという賞金のボーナスが設定されたイベントですが、獲得するにはエクスフィニティ―のポイント獲得選手で無いといけないためです。このため、ゲイズのカップでのポイントは0となりました。
また、スーパースピードウェイはスポット参戦が多く、コウリッグ レーシングが第2戦以来の参加でカズ グラーラが出場。iRacingを巡って一悶着あったMBMモータースポーツもティミー ヒルが今回久々にエントリーしています。
そして、ゴーント ブラザーズ レーシングも今季4回目の参加(ただしデイトナ500は予選落ちしたので出場は3回目)で、20歳のハリソン バートンがデビュー。カップで通算21勝・現在はNBC解説者のジェフ バートンの息子で、昨年はエクスフィニティ―で4勝してシリーズ8位、ジョー ギブス レーシングの次世代の戦力と目されています。
今回、ケビン ハービックはBucsh Dog Brewのスキーム。これはアンハイザー ブッシュ インベブがアメリカで発売している犬用の飲料で、ブッシュと言ってもアルコールは入っておらず、豚骨スープ、水、野菜、ハーブなどで作られています。そのまま器に入れたり、食べ物にかけたりして使うみたいです。でもこのスキーム、ちょっとラジョーイ感が・・・w
人間が飲んでも大丈夫ですか?
そりゃああ、興味があるのならぜひ!ただブッシュとしては判断しかねますが、これは犬の洗練された味覚に作られています。当たり障りがないと思う方もいるでしょう、我々も何回か試しました。これも仕事の一環ですので
たぶん人間が飲んでもおいしくないなw
さあ、レースに行きましょう、ジョーイ ロガーノとアレックス ボウマンの1列目でスタート、カイル ブッシュ以外のトヨタ車はアジャストを行ったためにそろって後方からのスタート。Aピラーとミラーの空間に関して指摘があり直した、というような話だったと思いますが、些事だったのか調べても細かい話が見つからずよく分かりませんでした^^;
始まって早々、フィールド上では早速ウイリアム バイロンが前に出て、アレックス ボウマン、チェイス エリオットとともにヘンドリックの3台がまとまろうとします。が、もう1台のヘンドリック車・カイル ラーソンがいきなりトラブルで緊急ピット。
水温が上昇しているようですが、放送席の見立てでは「始まっていきなりそんなに上がるはずがないので、表示の方が疑わしい」。ラーソンはこれでいきなり3周遅れとなりますが、数周後にエンジンがブロー(´・ω・`)
原因は、本来は取り外されているべきラジエーターとダクトの間に入れた鉄板を外し忘れ、冷却風の流れを内部で遮断していたことでした。練習も予選もなくいきなりレースなので、車両整備に間違いがあってもレースが始まらないと気づけないんですが、ちょっとあり得ないミスです。
オイルが撒かれることはなかったのでレースの方が続行中、比較的頻繁に上位の顔ぶれが入れ替わりながら進行し、気づいたら最後尾スタートのバッバ ウォーレスがリーダーに浮上して後方からスタートしたJGRがトップ5に集結していたり、スタート順位にあんまり意味がありませんw
25周を終えてコンペティション コーション、この時点でのリーダーはカイル ブッシュでした。ピットでは多くが2タイヤ交換と給油。デニー ハムリンが先頭でピットを出ます。一方、初めてカップ戦でのピットを体験したバートンは
給油缶をぶら下げたまま発進してしまいました。バッバ ウォーレスもピット内で他車と交錯しかけて急ブレーキを踏みましたが、そんなことよりミラーがちょっと見えにくいようです。急遽手直ししたことと関係ありでしょうか?
31周目にリスタート。ハムリンをブラッド ケゼロウスキーが押していく場面もあり、最後の最後に向けてタンデム ドラフトを軽く練習しているようにも見えます。ケゼロウスキーはこのレースの前に行われたiRacing Pro Invitationalのタラデガのレースで勝っています。
一方エリック アルミローラは振動があって、シフト レバーあたりからも伝わってくるという話で、ルース ウィールなのか、もっと深刻な問題か気になるところです。
CM中の39周目、ジョーイ ゲイズのスピンによりコーション。今回は春のタラデガで3度優勝した名ドライバー・デイビー アリソンを意識したスキームで、カー ナンバーも特別に28を使用していますが、チーム力が・・・。
44周目にリスタート、みんな無理しない範囲でステージ上位に入るために争っている様子ですが、ロガーノはわりと手加減しない雰囲気があります。
マット ディベネデトーをリーダーにしてステージ最終の60周目、上位勢が非常に狭い感覚で互いにバンプしている状況でしたが、ターン3の受けのカメラでハムリンが姿勢を乱したのが見えた次の瞬間
トップ5がほぼ車間距離0の状態になり、そこからハムリンがインに動いたものの車間距離がなさすぎて引っかかってしまい、姿勢を乱してハムリンに接触。横を向いたタイミングが悪くて、ちょうどバンクの部分でロガーノの真下に空気が入り込んでしまいました。
これでリッキー ステンハウス ジュニアも巻き添えとなり、左側のフェンダーが大きく壊れました。正直、損害がこの程度の範囲で済んだのは極めて幸運で、よくこれで済んだなと思いました。これでステージ1はコーションで終了、ディベネデトーがステージ1の勝者となりました。
幸い軽い被害で済みはしましたが、それほど大したことがないきっかけで車が浮き上がったので、NASCARはこの事故をさらに調査し、浮き上がり防止の新たな策を検討できないか検証するそうです。
ステージ1後のコーションでは各車4タイヤ交換、SSWではグリーン中のピットは2タイヤがセオリーなので、ここで4本入れておかないと最後にタイヤが無くなってしまいます。チェイスとハムリンの1列目でステージ2開始、既にハムリンのグリルにデブリーが付着していますが、お客さんがいると袋が飛ぶのは仕方ないですね^^;
今回のタラデガは35%の動員率でチケットを販売、今最大で80000人の収容らしいので、最大28000人ということになります。
80周目には概ねシングル ファイルに収束。ハムリンがリードすると展開が落ち着く傾向がある印象を受けます。そして83~84周目、そこからシボレーの車両が揃ってイン側へ、みんなで仲良くピットに入ります。
しかし、ロス チャステインとダニエル スアレスが速度違反、チェイスはピット作業に4秒ほど余分にかかってしまい、シボレーの集団は少人数になってしまいます。ステイ アウトしている集団より1周1秒以上遅いペースです。
この後92周目にフォード、93周目にトヨタがピットへ。ハービック、クリス ブッシャー、ハムリンが速度違反をやらかしてしまいました。ハムリンは入り口のブレーキで突っ込みすぎたのが映像でも見て取れました。さらに、そのペナルティーのためのピットでも速度違反してしまい連続ペナルティー、周回遅れです。
ピット サイクルを終えると一旦シボレーの集団が前にいますが、フォード+トヨタが1列で押し寄せてすぐさま合流。一旦シボレーの隊列で先頭にいたライアン プリースがリーダーになるものの、やがてまたシャッフルされていきます。
104周目、カート ブッシュの車両から発煙、オイルが撒かれたのでコーション。ピットに止めた車両からは火が出ました。カートは序盤にリアのトラック バーのマウントに問題が出ていたようですが、また別の問題でオイルの線がどこかしら切れた様子です。
110周目、ステージ残り11周でリスタート、112周目にはリーダーのディベネデトーが抜きに来たカイルをブロックしようとしてうっかり軽く接触、相手をコース外に押し出してしまいましたが、カイルがなんとか事故らず耐えました。カイルのこの咄嗟のコントロールはいつも感心しますね。
ステージ残り3周、ステージ順位をめぐる争いがハゲしくなってきます。この集団には周回遅れながらハムリンも参加。フリー パスを得られる位置にいたいのは分かるんですが、そのわりにかなり動きがアグレッシブです^^; するとステージ最終周に入る直前、
またもやクラッシュが起きました。ステージ1の時と同じく、車間距離が無い中でハムリンが前を抜こうとして下りたところで後続車が引っかかって横を向いてしまうパターン。
今回はハムリン自身もウォールに強く当たってダメージ。引っかけたマーティン トゥルーエックス ジュニアの他、バイロン、チェイス、ボウマンが巻き込まれました。これでステージ2もコーション下で終了、バッバ ウォーレスがステージ2の勝者となりました。自身初のステージ勝利です。
ハムリンは確かにフリーパスを得たかったとは思いますが、争う対象であったスアレスは隊列の後方にいたので、リード パックの中で安全に走っているだけで何の問題も無く、わざわざ自分からリーダー争いに影響を与えるようなことはすべきではなかったと私は思いました。ボウマンはこのクラッシュでリタイアとなりました。
ファイナル ステージ、ブレイニーとアルミローラの1列目でリスタート。アルミローラの振動の原因は右前のスプリッターに起因していたことが分かったそうで、解決されたようです。すぐさまブレイニーを先頭にフォード勢が外ラインに集まってシングルファイルでレースを進めようという雰囲気、なんですが
えーっと、怪我したから絆創膏貼ったのかな^^; リプレイを見たら、リスタートした瞬間彼の目の前にデブリーが舞い飛んできてました、これは不運。この後アルミローラに先頭を譲ってデブリーを排除します。
ただ、アルミローラ的にはできれば2位で燃料を節約したかったみたいで、ここでの先頭走者はあまり好ましく思っていない模様。しかしわざわざ渦中の栗を拾う人はいないので、しばし彼を先頭にしたシングルファイルでレースが進みます。40台が縦一列に綺麗に並んでる姿も結構私は好きですね^^
149周目、シボレー勢がまたイン側に下りてピットの準備を開始した様子ではありますが、ついでにアルミローラを抜いて前に出ます。先頭を行くのは、ついこの前速度違反で周回遅れに落っこちていたはずのチャステインでした(;・∀・)
そして外ラインも順番が入れ替わり、先頭に出たのはハービック、アルミローラの手助けにチームの先輩が出てきました。見た目がラジョーイっぽいけど。
155周目、シボレーとトヨタの集団がピットへ。後方では、事前に内側に下り損ねていたのか、外ラインからのピットを試みたステンハウスが後ろから押されてスピンしクラッシュしますが、たまたまイン側の広くて安全な場所で事故ったのでコーション無し。
フォード勢は159周目にピットに入りこれでサイクルが一巡、クリストファー ベルがひとまずリーダーとなります。しかしどうも給油量が少ないようで、燃料節約のためあえて後退。これでチャステインが再びリーダーとなりました。
フォードはハービックを先頭に隊列を立て直してこの集団に追いつきますが、ちょっと台数がばらけて少なくなってる気がします^^;
残りが20周を切るといよいよ最後の攻撃に向けた体制作りが始まりますが、そんな矢先の残り17周、既にボロボロになっていたクイン ハウフがターン2の先でクラッシュして6回目コーション。ちょうど上位争いが過熱してきて、数周後に事故っても不思議ではなさそうだったので、冷静になるにはちょうど良さそうです。
残り12周、エリック ジョーンズとディベネデトーの1列目でリスタート。まずディベネデトーがトゥルーエックスを従えて外側からリードし主導権を握ると、上がってきたブレイニー&ケゼロウスキーのコンビをブロックする形でディベネデトーが抑え込み、ペンスキー3台が前を固めます。
トゥルーエックスはこの後右リアのタイヤが壊れて無念の脱落。しかし彼はコーションを拾おうと、エイプロンでステイアウトして走行を継続、結果、タイヤの一部が剥がれてトラック上に転がってしまいコーションになりました。こういう時はもうちょっと早く黒旗出しても良い気がしますね。。。
オーバータイム、ディベネデトーはケゼロウスキーの支援を受けてリードした状態で最終周を迎えます。が、その瞬間、外側から伸びてきたブレイニーを抑えようとラインを変更。しかしこれが完全に裏目に出て、内側ではマイケル マクダウルなど数台の大きなプッシュを受けたケゼロウスキーが押し出されて一気に伸びます。
一方外側はブレイニーが伸びて来ればよかったんですが、バックストレッチでタイラー レディックと並走してサイド ドラフトを食らってしまい伸びず。これでディベネデトーは押してもらう人がなかなか来ないので勝負権はなくなりました。
ケゼロウスキーは絶妙な動きで後続を抑え込み、そのままリードを明け渡すことなくチェッカー。この1周だけのリードでケゼロウスキーがタラデガを制しました。今季初勝利、タラデガではなんと通算6勝目、iRacingでもリアルでもとにかくタラデガに強い。また、調べた限りでは、Meney Lionのスキームでの優勝は今回が初めてです。
ケゼロウスキーは、いつどのタイミングで動けば良いのか、そこまで周りの車をどう使うのか、というタラデガで必要な要素を誰よりも見通して、必要とされる動きを実践できているように思います。
『最終周に入る段階で先頭を走りたいか?』と聞いてみたら、ほとんどのドライバーが「ノー」と答えた、と解説されていましたが、だからといって、2位にいて最後にちょいっと横に出たらそれで勝てるような簡単なレースではありません。同じことを39人が考えているので、他の38人を出し抜いた上で前の1人を倒さないといけないわけです。
スポッターの能力、相性も極めて重要ですが、ドライバーの能力が高ければ、スポッターに対して「どういう情報が欲しいか」を焦点を絞って共有できますし、おそらくこのあたりのレベルが非常に高いんだろうと思います。
バイロン、マクダウル、ハービック、ディベネデトーのトップ5。ウッド ブラザーズ レーシングの通算100勝目、今日こそ行けると思ったんですが、悔しい!スポット参戦のグラーラが6位で続きました。デビュー戦のハリソン君は20位でした。
ディベネデトーがあのまま内側を走っていても、結局最後はケゼロウスキーにあしらわれて勝てはしなかったかもしれないし、もちろん無茶してクラッシュし、もっとポイントを失っていた可能性もあるので全てはタラレバですが、あの瞬時の動きに勝っているドライバーとそうでないドライバーの差があったように感じました。でもMatt D、確実に上り調子ですよ!
次戦は1.5マイルのカンザスです。
コメント
私もてっきりピットに入ったもんだと思っていたので、実況で入ってないと言ってて驚きました。実際、向こうでもステイアウトはちょっと批判されてるみたいですが、なぜとどまったのかという決断の背景は謎のままっぽいです。
42点取ってポイントでは16位にかなり接近できたので、勝てなかった悔しさもあるでしょうし、点数をきっちり持って帰ったという果実も手にしているので、これをどう考えて次に繋ぐかでしょうね。
つい先日、日本のプラモデル屋さんがLionel Racingのダイキャストを輸入販売していることを知りましたが、試しに調べたらMatt Dは2020年のスローバックスキームのやつだけ売ってましたね。ちょっと欲しくなったけど、普通のFord/Motorcraftが欲しいですw