FE 第4戦 ローマ

ABB FIA Formula E World Championship
Rome E-Prix 2021
Circuito Cittadino dell'EUR 3.385km  45minutes+1Lap
winner:Stoffel Vandoorne(Mercedes-EQ Formula E Team/Mercedes-EQ Silver Arrow 02)

 FE第4戦、前日に引き続きローマでのレースです。前日にけっこう車が壊れた人が多いので、スタッフさんは作業で大変だったと思います。そして、2連戦なのでアタック モードの仕様に小変更が加えられ、今日は3回の使用義務となっています。

 この日は予選が雨になってしまい路面状況はひどいもの。路面は改善する方向だったので出走順が遅い人ほど有利になりました。最初の方のグループは前日の予選タイムの120%を超えていたので、ほぼ赤旗レベルですw
 そんな中でニック キャシディーがPPを獲得、ノーマン ナトが2番手と新人が1列目に並びます。彼らでもドライの115%ぐらいのタイムです。
 28歳のフランス人ドライバーであるナトは2016年にGP2でシリーズ5位、翌年のFIA F2でも9位。以降は耐久レースを中心に活動してきました。

 レースは前日同様SCスタートとなりました。予選よりも路面は乾いて改善していますが、濡れた部分も残っていたのでちょうど2日続けて同じような状況です。

 今日は1周して実質的なスタート、ところが信じられないことに、事実上最初のコーナーであるターン3でいきなりキャシディーが単独スピン(;・∀・) ブレーキが方効きしたような動きで、無線で『ソフトウェアの問題。ブレーキに触れた瞬間スピンした」と言っているようです。キャシディーは11位に落ちました、今日も荒れそう。。。
画面の奥でいきなりスピンしていたキャシディー


 これで、ナト、パスカル ベアライン、ストフェル バンドーンのトップ3。しかし4周目のターン7でベアラインがナトをかわしてトップに立ちます。ターン7も高速からのブレーキングで追い抜きに適した場所ですが、手前にすごいバンプがあるので車が不安定になります。ベアラインはバンプをものともしない走りでした。この後バンドーンも続いてナトは3位に後退します。

 一方キャシディーは8位まで挽回していましたが、アタックモードを使ったオリバー ローランドが強引にインに入ってきて曲がることができず、バリアに一直線となりました。ローランドには後程10秒ペナルティー。キャシディーは結局リタイアとなりました。

 去年のSUPER GT 第4戦 もてぎではちょうどキャシディーがこんな感じで、チームメイトの関口 雄飛の狭いから入る意味が無いインに飛び込んで接触してましたね。まあここまでひどくなかったですけど。

 今日は3回のアタックモードが必要なので各車1回目の動きは早め。その1回目のサイクルではトップのベアラインだけを残して2位以下の数台が同時に使う形になり、ベアラインも翌周にカウンターを打ったもののバンドーンがアンダーカットに成功します。
 そしてそれと同じころ、セバスチャン ブエミがルーカス ディ グラッシに追突。ディグラッシがクラッシュしてFCYとなりました。アタックモードを使っているブエミがインから抜こうと左に動いたのと、ディグラッシがブロックしようと左に動いたのが同時になってしまい、引っ掛けてディグラッシがクラッシュした感じです。
 後ろからぶつけたらダメだろ、という状況なのか、かなり速度差のある相手が来たんだからギリギリで進路変えちゃダメだろ、という状況なのか、ちょっと映像だけでは分からなかったですが、ブエミには5秒ペナルティーと、2点のライセンス ポイントが加算されました。
 罰則ポイントはありますが、事故の結果単体への罰則が5秒だけということは、一定程度ディグラッシの動きにも問題ありと解釈されたものの、相手が全損した重大性を鑑みた、という感じでしょうか。



 残り25分ほどでリスタート、FCY発動前にトップ2の差は1秒ほどでしたが、なぜかFCY発動後にいきなり明らかに差が広がっておりバンドーンは楽になります。さらに、FCY解除の瞬間、アレクサンダー シムズがベアラインをかわして2位に浮上します。レース後にベアラインは
「シムズが僕を抜いた時、こっちはまだイエロー表示だったんだ」とコメントしており、事実なら何かしらマーシャリング システムに不具合でもあったのかもしれません。FCY導入時になぜ離されたのかは謎ですが。あと、FCY解除を急いだせいか、わりとデカい破片が落ちたままだったのでそっちも問題でした。

 バンドーンは2位と5秒もの差が開いたのでリスタート後すぐに2回目のアタックモードを使用、もちろん誰にも抜かれません。これは圧倒的に有利な状況です。

 一方シムズとベアラインの2位争いは、2回目、3回目ともに同時にアタックモードを使ったので順位変動なし。後ろも同じ動きが多かったので絶対的な順位の変化も起こりません。正面からの戦いということになります。
 残り12分、この2台の争いにナトが割って入ります。ベアラインをかわして3位に浮上、ただ、エネルギー残量が周囲のドライバーより2%ほど少ないのでちょっと飛ばしすぎの可能性があります。

 残り8分、ターン1の先で11位を走っていたレネ ラストがクラッシュ。その前に最終コーナーの脱出でオーバーステアになって右リアをぶつけて何か壊し、ターン1に入ったら制御不能でスピンして壁に当たったようです。ここは全開で抜ける箇所の外側で危ないのでSC導入。アウディーはこれで2台とも車が壊れてレース終了です。

 2日連続SCチェッカーでは拍子抜けですが、スタッフさんが頑張って撤収作業を行い、SCが退出して1周だけのシュートアウトになりました。
 バンドーンは手持ちのファンブーストも使って最善の手を使って逃げ、2位のシムズを近寄らせずにそのままトップでチェッカーを受けました。ナトはバッテリー残量がギリギリでしたが、ベアラインを鬼ブロックしてなんとか3位でチェッカーを受けました。が、残念ながら既定の52kwh以上を使ってしまったためにレース後に失格となりました。チェッカーを受ける前に表示が0.0%になって、かつスロットル開けてましたからねえ。。。

 一方中団はえらいことになりました。ターン7手前のバンプが、減った上にSCでほどよく冷えたタイヤと、急に攻めた走りをしたことで急にマモノになったらしく、まず5位のエドアルド モルターラがドリフト状態。後ろにいたマキシミリアン グンターも軽くロックさせて止まれず、モルターラは横を向いたところでグンターに軽く押されましたが、さすがマカオ覇者、この状態から立て直して抜かれもせずにターン7を通過していきました。



 しかし、その後方では11位のニック デ フリースがやはり横を向いて、こちらは前を行くサム バードに接触してしまいます。2台は絡み合ってロクに減速できないままターン7に突入し、とんでもないミサイルとなってローランドを巻き込んでクラッシュ。とんでもない終わり方となりました。デフリースには次戦5グリッド降格ペナルティーが課せられました。
ザ・ミサイルというような事故に・・・


 バンドーンは自身2度目の優勝、メルセデスの車両は開幕から明らかに仕上がりが良いのでこの先もおそらく選手権の争いの中心でしょう。ドライバーのレベルも高いです。
 3位で終えたベアラインはレース後に「ストフェルは別の惑星みたいだった」と異次元の走りだったと感じているようです。ちなみにベアラインはエネルギー管理に関して、「指示されていた周回ペースとバッテリー残量が噛み合っておらず、走り切れたのは幸運だった」そうです。

 前日に選手権でトップに立ったバードは最後に撃墜されてしまったものの、今日のレースで上位に入った人は軒並み持ち点が少ない選手だったため、無得点ながらトップを維持。チームメイトのミッチ エバンスが12位スタートからシブく6位に入って選手権2位となり、ジャガーがドライバー選手権で1、2位、そしてチームでもトップです。パナソニックよ、なぜタイトル スポンサーを続けられなかったんだっ・・・メルセデス-ベンツ EQがこれを追っています。

 今回はニッサンe.damsの2台がともにペナルティーを受けてしまって悪目立ちしました^^; 日産とドラゴン/ペンスキーの2チームがまだ新型のパワートレインを投入していませんが、次戦では来るんでしょうかね。F1ほどこちらに情報が伝わってこないカテゴリーなので、投入を待ってじっくり開発してるのか、そもそも良いものができてないのかが分からず気になります。

 ローマ2連戦は見ていて飽きないレースでした。直角コーナーだけの退屈な市街地ではなく高速で抜きどころのある箇所もあり、争いも激しくてFEらしい面白さが詰まっていたと思います。次戦のバレンシアは常設サーキットでのレースなので、今回ほど盛り上がれるのかどうか・・・



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