FE 第3戦 ローマ

ABB FIA Formula E World Championship
Rome E-Prix 2021
Circuito Cittadino dell'EUR 3.385km  45minutes+1Lap
winner:Jean-Éric Vergne(DS Techeetah/DS E-Tense FE21)

 フォーミュラE 第3戦 ローマ。元々このイベントは1戦だけの予定でしたが、3月27日に日程の変更が発表され、ローマを2連戦、そして次戦のバレンシアも2連戦と発表されました。残る予定は近々発表、世界的な感染状況を見ながら柔軟に対応、という告知でしたが、マラケシュ、サンティアゴが現実的に開催が怪しいと考えて、去年のように残りを全部ベルリンで消化するようなことにならないよう対処を行ったということでしょう。

 そうは言っても、イタリアはCOVID-19の感染再拡大により現在は厳しい措置が採用されている最中。ローマがあるラツィオ州も、ホワイト~レッドの4段階の措置のうち、上から2番目に該当するオレンジ区域に指定されています。
 在イタリア日本大使館によれば、オレンジの区域では飲食店は営業禁止、移動は『5時から22時の間、最大2名で、同一自治体(コムーネ)内に所在する私的住居(一軒のみ)への移動が1日に1度のみ許可』となっています。もちろん沿道にお客さんはおらず、非常に奇妙な光景です。

 2年ぶりの開催ですがレイアウトは少し変更されています。かなり長い全開区間があって追い抜きが比較的しやすいのが特徴。ターン1、2は事実上全開の下り坂で、その先の3での追い抜きが可能ですが、バンピーだし曲がりながらブレーキ区間に入るので、ミスるとエライことになる面白いコースです。

 土曜日の第3戦、ストフェル バンドーンとアンドレ ロッテラーの1列目でスタート、となるはずでしたが、決勝前に雨が降ってしまったのでセーフティー カー先導でのスタートとなりました。なお、このレースからSCがMINIの車両、ミニ エレクトリックに変更されました。BMW i8は既に生産が終了しているので、BMWグループ内で当面宣伝したい電気自動車、ということでしょう。SCというとデカい顔の車が多いのでちょっとかわいいですね。

MINIの公式チャンネル
https://youtu.be/6vCKTz40BIU より


 2周目を終えて残り40分ほどでSC退出、本格的にレースが始まります。みんな慎重に走っているかと思われましたが、なんといきなりターン7でバンドーンとロッテラーが接触。これでオリバー ローランドが何もせずトップに立ちますが、こちらは出力の超過で審議中との情報が入ります。おいおい。。。
※左に曲がるコースです


 狭い場所で事故ったので、停止したロッテラーの後ろで8位以降の集団が詰まって渋滞してしまい、ロッテラーはここでコース復帰、フェンダーが壊れてますが7位でコースに戻ります。バンドーンもなんとか13位で復帰。
 そして、ローランドにはやはりペナルティーが科せられてしまい、これでルーカス ディ グラッシがリーダー、このレースから2021年型になったDSテチーターのジャン エリック ベルニュが2位となります。
 公式サイトのレース後リポートでも書かれていましたが、滑りやすい路面といくつかの高速区間のバンプが影響してか、空転によってうっかり出力が規定の200kwを超えてしまう状況になっていたようです。他にも同様にペナルティーを受けた車がありました。
 空転だから何の利益も得てはいないわけですが、大多数は同じコースでちゃんと管理されているので、そこまできちんとするのもチームの仕事ということになります。ドライバーには気の毒ですが。

 ロッテラーには後程5秒加算ペナルティーとなりました。レース序盤でブレーキ位置が探り探りの状況ではありましたが、もうバンドーンが曲がろうとしているところに後ろから突っ込んだので、責任は基本的にはロッテラー、ただドライブスルーと言うには、バンドーンにも回避できる余地はまだ多少あったので5秒加算、という感じの判断でしょう。妥当な判断に思います。

 中団のドライバーは1回目のアタック モードを使い始めますが、いかんせん今回の設置箇所は幅の広いターン17を大回りしないといけないため、数珠繋ぎの先頭集団は動きたくても動けません。なおかつ雨上がりなので滑りそうですし。開始から20分経過して、まだ15台ほど繋がっていますので、下手を打つとえらいことになります。
 そんな中残り23分、2位のベルニュが最初に動き、一時的に3つ順位を下げまが、この後周囲の車もアタックモードを使うとアンダーカットした形で先頭に出ます。
先にアタックモードを使い、コース上の未使用車を抜いて行くベルニュ


 ただ、2周後にアタックモードを使ったディグラッシがきちんと追従して真後ろに来ます。鬼ブロックするのかな、と思ったらそうではなくなんとベルニュは2度目のアタックモードへ。今日は早め早めに動きますが、これがレースに大きな影響をもたらします。
 見た目上ディグラッシがトップ、ベルニュは3位となり、間にはニック デ フリースが入ります。今度は翌周にディグラッシもすぐアタックモードに入ってベルニュにカウンターを打ちますが、僅かにベルニュが先行してここも順位を守ることに成功、これでディグラッシは1周差のアタックモードを使って抜くことが必須になります。

 ところが、通常モードのデフリースもなかなかに手強く3台の接近戦。ベルニュはターン7でデフリースをかわします。この先は暫く抜ける場所が無く、ディグラッシとすれば、ここでデフリースに詰まると、アタックモード中にベルニュを抜くことが難しくなります。そのため、かなり運転が荒っぽくなり、ターン7出口、ターン8入り口と連続でデフリースに追突。でも抜けません。審議対象になっていました^^;


 結局アタックモード中にはベルニュを抜けなかったディグラッシ。ごちゃごちゃと争っているうちに、10位スタートのサム バードが切れ味鋭い走りでとうとう3位まで上がってきて背後に迫っています。バード恐るべし。

 これはアタックモードの戦略勝ちでベルニュの勝ちか、最後に肉弾戦勃発か、なんて思っていたら残り約7分、ターン4でディグラッシが抜群のブレーキング、狙いすまして一発で決め、なんとかリードを取り返します。


 ところがその2分後、信じられないことが起きました。ターン4~5の全開区間で突如ディグラッシが失速。相次いで後続にかわされた、まではまだよしとして、急に出てきた遅い車に対処できずに通常と異なるラインを通ったバンドーンがバンプに乗ってスピンしてしまいクラッシュ。デフリースも目の前で起きた事象に対応できずにバリアに当たってしまい、メルセデスは一瞬で2台がリタイアしてしまいました。


 これでFCY→SCとなり、どう考えてもバンドーン車の事故処理が時間内にできないのでこのままチェッカーとなりました。ベルニュが優勝し今季初優勝、新車をいきなり優勝で飾りました。
 ベルニュ、実は1回目のプラクティスでは不運に見舞われていました。スタート練習のためにみんなが集まって止まっていたら、なんと指示漏れがあったのかオリバー ターベイが全開で突っ込んできて大クラッシュ。

 いきなり新車のリアが大破してしまいました。車両だけの損害で済んでまだ幸運でした。スタートから数周で予選のトップ3が戦線から離脱してしまうという状況ではありましたが、DSテチーターの新車は上々のようですね。今回は、毎度仲が悪いでお馴染みのチームメイトが不調なのか予選から順位が離れてしまっていたので快適だったかもしれませんw

 10位から結局混乱も手伝って2位にバード、3位にミッチ エバンスと表彰台に2台を送り込んだジャガーは安定して速さを見せています。エバンスもスタートは12位でした。ちょっと他の車よりバッテリー残量が厳しかったので、最後までレースが続いていたら抜かれたかもしれませんが、攻めたレースが奏功しました。まだ3戦しただけですが、バードが選手権でトップ、ジャガーがチーム選手権でもトップです。

 ただ、トラブルが無ければ勝ってたのはおそらくディグラッシですし、メルセデスも非常に速いので、優勝争いできるチームは少なくとも4~5チームはある状況です。果たして今季にあと何戦できるのか分かりませんが、面白いレースはまだまだ続きそうです。次戦もローマです。

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