年末年始に長尺アニメを見た話

  普段とはこれまたかけ離れた雑談ですw アニマックスやキッズステーションに加入していれば年中のことですが、年末年始はBS無料チャンネルでも劇場版などの長尺アニメが多少放送されており、この年末年始に私もいくつか見ました。

 12月30日にはNHK地上波ですがアーヤと魔女、1月1日はガンダムNT、そして2日は魔法科高校の劣等生 劇場版でした。毛色が全然違いますがぼんやりと感想を。

毛色といっても植毛グリーンの話ではありません、念のため

 私は元々スタジオジブリのアニメというのはそんなに興味はなく、とりわけ声優オタクとして活動(?)していたころには、俳優ばかり起用する方針がどちらかというと気に入らなくて毛嫌いしていました。
 ただ、私の相方がジブリ好きでして、長年人生を共にするであろう人とこんなところで意地張って意見が分かれても仕方ないので、誘われた映画はとりあえず見に行っているうちに印象が変わり、今ではそこそこ応援しています。

 宮崎 駿のドキュメンタリー的なNHKの番組もいくつか見ましたし、その中で『毛虫のボロ』という、三鷹の森 ジブリ美術館内でだけ見れる短編のアニメを作るに当たり、彼がフル3DCGの作品にああでもないこうでもないしているのも見ました。(昨年書いた、結石を持ったまま行ったジブリ美術館で見たのがまさにボロでした)
 そんなわけで、今回の作品も気にはなっていました。監督が宮崎 吾郎ということで、私にはゲド戦記の悪いイメージ(さすがに声優がキツかった上に、彼のせいではないのかもしれないが話もすごく中途半端だった)がありました。
 宣伝的な各種インタビューを見ていると、手書きにこだわったアニメは世界から見れば特異で、今後もスタジオジブリを存続させるにあたっては、フル3DCGは取り組むべき課題だ、というのが今回の彼の1つのテーマなようです。
 ただ、世界と同じ舞台にわざわざ小さな会社であるジブリが上がるのが本当に良いことなのか半信半疑でしたし、そういう意味でも、楽しみ半分、心配半分でした。そういえば巨額の費用をかけたファイナルファンタジーの映画が失敗してスクウェアが潰れかけたのって20年近く前だっけ・・・

 で、実際に見たわけですが、いきなり冒頭でカタコトのお母さんが出てきて、一瞬ゲド戦記の悪夢が頭をよぎったものの、最初と最後しか出て来ない方だったので特に影響は無く、90分ほどの長さなのでさらっと見終わりました。(NASCARは平気で4時間見る癖に、映画を2時間見るのはけっこう辛い人w)
 そもそも3Dのアニメって見ることが無いのでその辺はさっぱり分からんわけですが、話は細かいことを考えなくても、『意地悪な魔法使いのおばさんと、怖そうだけどでもなんとなく良い人(?)にも見えるマンドレークおじさんと、ズル賢く立ち回るアーヤ』という関係が分かりやすくて子供でも楽しめる感じでした。
 基本的に部屋が汚くてちょっと気持ち悪い(笑)ですが、それぐらいはっきりと強調されてる方が分かりやすいんですかね。ただ終盤にアーヤが反転攻勢に出たところからエンディングまで一気に話が飛んだ感じで、そこに至るアーヤの、単にへこたれないという言葉では収まらないズル賢さの場面がもう1エピソードぐらいあっても良かったかなと感じました。
 放送の枠が決まってしまっているので、それをすると他を削るしかないので調整が難しかったのかもしれないですけどね。

 全体として悪い印象はなく楽しめたので、今後のジブリの方向性に注目したいです。その前に、宮崎 駿が自分でやっている『君たちはどう生きるか』が今どうなってるかの方が気にはなりますけどね。あ、大手書店さん、『宮崎駿最新作の原作です!』とかPOP置いてたりしましたけど、原作ではないのであれ誇大広告ですよ^^;
 なお、いかにも続きがあるような感じでエンディングを迎えましたが、原作の小説はダイアナ ウィン ジョーンズの遺作となっており未完結だということなので、続きを書こうと思うと完全に原作者の手を離れてしまいますから簡単ではなさそうです。ジョーンズは『ハウルと動く城』の原作者さんでもあります。
  


 で、次はガンダムです。ガンダムNTは宇宙世紀の時間軸で製作されているシリーズの中の1つですが、ぼちぼち頭がついていきませんw ちょうど関西ローカルではサンテレビで一昨年から 機動戦士ガンダム→機動戦士Zガンダム、と放送されており、今月末から機動戦士ガンダムZZの放送も開始されます。

 以前アニマックスで一通り見たとはいえずいぶん前の話なので新作のように楽しんでいるわけですが、ZZからさらに10年近く未来がガンダムNTに該当するわけですね。あれ、言うほど遠くないな・・・^^; わけわからんので主要な作品で時系列を整理すると、


0068~機動戦士ガンダムTHE ORIGIN

0079 機動戦士ガンダム

     派生する色んなやつ(個人的にマニアックなMS IGLOOが好き)

0080 機動戦士ガンダム0080ポケットの中の戦争

0083 機動戦士ガンダム STARDUST MEMORY

0087 機動戦士Zガンダム

0088 機動戦士ガンダムZZ

0093 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

0096 機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)

0097 機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)

0103 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ

0123~機動戦士ガンダムF91

0133 機動戦士クロスボーンガンダム

0149~機動戦士Vガンダム


 挙げたらキリがないですが概ねこういう流れだそうで。THE ORIGINはNHKの地上波版、ユニコーンはテレビ朝日の地上波版で知ってますが、F91のあたりは私にとっては完全に空白です。F91とシルエットフォーミュラ91の区別もつかないし、シルエットフォーミュラって言ったらR31スカイラインとかの話でしょ?(。∀°)

 長らく私にとっては逆襲のシャアを終えたらスタンド  アップトゥー ザ ビクトリー!なわけです。逆シャアまででかなり大型化したモビルスーツがビクトリーではかなり小ぶりになっている機械開発の変遷はなんとなく面白いなあと思いましたけどね。

 来年閃光のハサウェイの劇場版も公開されるそうなので、ちょっとずつ空白が埋まってる感じですが、段々とニュータイプの使う兵器が兵器のレベルを超えた精神の戦いみたいになっていて、ナラティブは正直話についていくのが大変でした。

 サイコフレームには死んだ人の魂を集めるような力があって、人類がこれを自在に扱えればもはや死を克服して、、、という話を見ていると、ガンダムよりも2016年に放送された『オカルティック・ナイン』という作品が頭に浮かびました。

 オカルティックナインでは、実在した科学者・二コラ テスラの世界規模の送電システム構想が、実は人の肉体から言わば霊体を取り出して永遠の命を得るための仕組みだった、みたいな流れの話だったと思います。細かいこと忘れたけどw

https://occultic-nine.com/

 ニュータイプ同士が精神世界で会話したり、死者が語り掛けてきたリする描写はファーストガンダムからあったわけですが、Zガンダムの終盤の戦いのあたりからどんどんそういった展開が増えてきていって結構その時点で置いてけぼり感はありました。

 そうした出来事が起こる理由に肉付けをして、ニュータイプとは何なのか、あの不思議な力はどうやって起こされたのか、を描くのがテーマの1つなんだろうな、と思いました。ただ、いかんせん一回で話に付いていけないw

 そして、今回のBSの放送、ガンプラ40周年記念というお題目がついていたせいもあると思いますが、エンドロールが始まってちょっとしたところで唐突に切れて終わった(。∀°) NTはあまりついて行けなかった、というところで終わりました。

 カズレーザーと土田 晃之がガンダムについて会話していた終盤のオマケ部分で「宇宙世紀原理主義者みたいな人いるよね」みたいなガンダムあるあるトークをしていましたが、私も宇宙世紀の途中まででとりあえず脱落した感があります。ガンダム好きだから見たけど、地続きだから見てみたけど、という感じから脱却できませんでした^^;


 で、今度は魔法科高校の劣等生を見ました。熱心なこの作品のファンではないですが、灼眼のシャナとか、とあるシリーズとか、この手のライトノベル原作の続きものはよくできているのでわりと見ています。熱心ではないので、数年間隔が空くと話など忘れていますから毎回思い出すのが大変ですw(ソードアートオンラインだけ見たことない)

 作品を作った時系列としては、アニメ1期→劇場版→アニメ2期、という流れですが、作品内での時系列で言えば、アニメ1期→アニメ2期→劇場版、という流れになっていて、熱心でない私には、2期を見終えて劇場版でちょうどよかったです。というか、逆だったら2期で初登場する人の立場が分からなくて置いてけぼりなところです^^;

 で、終盤に、宇宙から落下してくる、劣化ウランを満載した人工衛星を主人公がとてつもない魔法技術できれいさっぱり消し飛ばすところへと至る戦闘シーンがあるんですが、これを見ながらふと思いました。

「ガンダムNTの戦闘シーンて、こっちの世界観に近いな・・・」

 魔法科高校の劣等生では、魔法がある程度科学的に体系化された世界観だと思いますが、もちろん我々の現実世界の科学的事象と関連性があるかといえば、無いと証明はできないですが99.99%無いでしょう。

 一方、ガンダムに登場するモビルスーツというのも、核融合炉をあのサイズにして使用するというのは人類が実際に辿り着けるレベルかと言われるとかなり難しいと思いますが、サイコフレームまで行くと99.99%無い領域だと思います。

 そういう点で、NTまで行くと、世界観はもう魔法に近いんだな、と両方見たところで感じました。偶然でしょうが、NTでは宇宙にあるヘリウム3の備蓄タンクが一斉に臨海状態になって破壊され、地球に壊滅的被害が起こりそうになる、のを主人公がサイコフレームの力を使って防ぐ場面があります。

 ガンダム、モビルスーツ、ニュータイプ、というキーワードで括っているのでガンダムの世界観ですが、これを魔法と言い換えた瞬間に全く印象が変わってしまいます。NTを見て「これはガンダムなんだろうか」とどこかしら腑に落ちずに終わった部分が、魔法科高校の劣等生を見てなんとなく合点がいったな、という年始でした。

 そもそも私がガンダムを好きになった理由の1つに、片方が戦争のために新しい兵器を作って、そしたらそれに対抗する側の勢力は、、、という、見えない部分の肉付けが(ある程度は後付け設定であっても)しっかりしていて、我々の世界と繋がっている印象を受ける部分、人間味を感じるというのがあります。

 そもそも戦争が始まる起点は地球の人口爆発と環境破壊、そして宇宙への移民で、宇宙に行かされたのは、最初はエリート層では当然無くて、渋々行かされた立場の弱い人たち、というあたりにもこの世界との地続きなものを感じます。ユニコーンが面白いと思ったのは、最終的にこうした宇宙世紀1年に遡った世界の話がしっくり来たからでした。

 方や、そうした話とは一線を画し、ほぼ魔法のような描写が続いたのだから、NTが自分に合わなかったのも無理のない話でした。どうやら私はせいぜい逆襲のシャアあたりで思考を止めておいた方が良いオールドタイプみたいですw

 ただ、ガンダムとオカルティックナインと魔法科高校の劣等生という全くバラバラな作品が妙に横方向に並んだというのは個人的に面白い体験でしたね。こんなこと考えたのは私ぐらいのものかもしれませんが、なかなか有意義な年末年始でした。

 そういえばGのレコンギスタ 劇場版もあった気がするけどどうなっただろう、と思ったら、既に第2部まで終わってたw

コメント

Unknown さんの投稿…
jun-crossfordデス(゚∀゚)
Unknown さんの投稿…
初コメです。↑はミスで(笑)
ガンダムNTは、前提条件として逆襲のシャア、UCを見ることが前提条件になっている感がありますね~
元々3号機フェネクス自体がスピンオフ企画の話がベースで、それががっつりプラモ販売戦略やUC熱を引っ張るために表に引きずりだされたような感覚です(゚∀゚)
F91とシルエットの違いは、例えるなら…ハリアーやハイエースとそのパクリの中k(銃声)製の車のイメージで見てもらえれば分かりやすいです(笑)
まぁ、AE社はuc以降は設定的に堕ちる一方ですからねぇ…
SCfromLA さんの投稿…
サイドストーリーのさらにサイドストーリーという感じの立ち位置なんですかね。
ニュータイプのテーマを深堀したら、かえってガンダムから遠ざかってしまった感じで、
なんというか、柿が売れなくてどうにかしたいから品種改良したら
梨の味がする柿ができたけど、それもう柿でわざわざ作らなくてもいいんじゃ、
みたいな感じでした^^;
今週末からBS12で08小隊が放送されるのでこっちを楽しんでおこうと思います(笑)
Unknown さんの投稿…
UCがいつのまにかサイドストーリーというより、0083のような時系列とzz~逆シャアまでのMS史の補完を兼ねる立ち位置になって、NTはそれのアフターストーリー、ゲームでいう追加DLコンテンツになって…
バン●イさんが今まで穴あきだった宇宙世紀史をキチンと補完するぞでVまでの再構成を考えていらしゃっるので、今後どうなるか期待?ですね(笑)

08小隊とはわかっていらっしゃる。
フロム脳重度疾患者出身の私としても、あの戦争ものらしい、泥臭さは好きですね(゚∀゚)
SCfromLA さんの投稿…
好きなサイドストーリーにMS IGLOOを挙げてる時点で私のクセモノ具合はお察しですw